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根本説一切有部毘奈耶薬事 (根本說一切有部毘奈耶藥事)

「根本說一切有部毘奈耶藥事」について

唐 · 底本の訳者:義淨

12.3 万字 · 約 410 分

根本説一切有部毘奈耶薬事は、唐代の高僧・義浄法師によってサンスクリット原典から漢訳されました。この典籍は上座部仏教の根本説一切有部に属する律蔵の一部であり、主に僧団の医療規範、薬物の使用、疾病治療の方法を説き、古代インド仏教の医学知識と僧伽の生活実践を反映しています。仏教律典の重要な構成部分として、それは仏教戒律と古代医学を研究する貴重な文献であるだけでなく、仏教の生命への慈しみと社会倫理を重視する姿勢をも体現しています。義浄法師の訳本は、漢伝仏教の律学の発展に深遠な影響を与えました。


根本說一切有部毘奈耶藥事卷第一

根本説一切有部毘奈耶薬事 巻第一

大唐三藏義淨奉 制譯

大唐三蔵義浄、勅を奉じて訳す

初攝頌曰:

最初の要約の偈にこうあります。

開許用諸藥、 膏油治疥病、
眼藥及風癎、 畢隣婆蹉等。

薬を用いることを許し給う、膏油は疥癬(かいせん)の病を癒やし、眼薬や癲癇(てんかん)の病には、ビリンガやその他の薬を用いる。

爾時薄伽梵在室羅伐城逝多林給孤獨園。時諸苾芻秋時染疾,身體痿黃,羸瘦憔悴,困苦無力。世尊見已,知而故問阿難陀曰:「何故諸苾芻,身體痿黃,羸瘦無力?」阿難陀白佛言:「大德!諸苾芻等,既侵秋節遂染諸病,身體痿黃,羸瘦無力。」佛告阿難陀:「由是病苦,我今聽諸苾芻服食雜藥。」如是世尊既聽服藥,時諸苾芻遂於時服、非時不服,身體尚衰,羸瘦無力。

その時、世尊は室羅伐城の逝多林の給孤独園におられた。その頃、比丘たちは秋の季節に病気にかかり、身体はやせ衰え、黄ばみ、痩せ細ってやつれ果て、苦しみに満ちて力がなかった。世尊はそれを見て、知りながらもあえて阿難陀に問われた。「なぜ比丘たちは身体がやせ衰え、黄ばみ、痩せ細って力がないのか。」阿難陀は仏に申し上げた。「尊き方よ、比丘たちは秋の季節を迎えて様々な病気にかかり、身体がやせ衰え、黄ばみ、痩せ細って力がありません。」仏は阿難陀に告げられた。「この病の苦しみのゆえに、私は今、比丘たちが様々な薬を服用することを許そう。」こうして世尊が薬の服用を許されたので、比丘たちは時には服用したが、時でない時には服用しなかった。それでも身体はまだ衰え、痩せ細って力がなかった。

爾時世尊知而故問阿難陀曰:「我已聽諸苾芻服食諸藥,然此苾芻猶故羸瘦?」阿難陀白佛言:「世尊聽諸苾芻服食諸藥,此諸苾芻並於時服、非時不服,所以身體痿黃,羸瘦無力。」爾時佛告阿難陀:「我今為諸苾芻,開四種藥:一、時藥;二、更藥;三、七日藥;四、盡壽藥。言時藥者:一、麨;二、餅;三、麥豆餅;四、肉;五、飯。此並時中合食,故名時藥。

そのとき、世尊は知りながらあえて阿難陀に尋ねられた。「わたしはすでに比丘たちに諸々の薬を服用することを許したのに、この比丘たちはそれでもなお痩せ衰えているのはなぜか。」

阿難陀は仏に申し上げた。「世尊が比丘たちに諸々の薬の服用をお許しになったのですが、この比丘たちは皆、定められた時にだけ服用し、定められた時以外には服用しません。それゆえに身体は衰弱し、やせ細って力がありません。」

そのとき仏は阿難陀に告げられた。「わたしは今、比丘たちのために四種の薬を開く。 一つ目は時薬、二つ目は更薬、三つ目は七日薬、四つ目は尽寿薬である。

時薬とは何か。一つ目は飯、二つ目は餅、三つ目は麦豆の餅、四つ目は肉、五つ目は食事である。これらはすべて定められた時に食べるべきものであるがゆえに、時薬と名づけるのである。」

「言更藥者,謂八種漿。云何為八?一、招者漿(西方樹名,亦名顛咀梨。角同皂莢,其味如梅,角寬一兩指,長三四寸,時人鎮食);二、毛者漿(即芭蕉子,以少胡椒粖安在果上,手極捼之,皆變成水);三、孤洛迦漿(狀如酸棗,其味一種,唯有此棗無甜者);四、阿說他果;五、烏曇跋羅(其果大如李);六、鉢魯灑(其果狀如蘡薁子,味亦相似);七、篾栗墜漿(即是葡萄菓);八、渴樹羅漿(形如小棗,甜而且澁,樹多獨立,形若椶櫚。此等諸漿,皆須淨洗手,淨濾漉,然後堪飲)。」

「さらに薬について言うと、八種の果汁(漿)がある。その八種とは何か。第一に、招者漿(しょうじゃしょう)(西方の木の名前で、顛咀梨(てんそり)とも呼ばれる。角はさいかちの実に似て、味は梅のようである。角の幅は指一二本分、長さは三四寸あり、当時の人はこれを常食としていた)。第二に、毛者漿(もうじゃしょう)(これは芭蕉(ばしょう)の実である。少量のこしょうの粉を果実の上にのせ、手でよく揉むと、すべて水のように変わる)。第三に、孤洛迦漿(こらかしょう)(形は酸棗(さんそう)に似て、味も同じである。ただこの棗には甘いものがない)。第四に、阿説他果(あせつたか)。第五に、烏曇跋羅(うどんばら)(その果実は李(すもも)ほどの大きさである)。第六に、鉢魯灑(はつろしゃ)(その果実は山ぶどうの実のような形で、味もまた似ている)。第七に、篾栗墜漿(みつりついしょう)(これは葡萄(ぶどう)の果実である)。第八に、渴樹羅漿(かじゅらしょう)(形は小さい棗のようで、甘いが渋みもある。木は多くが一本立ちで、形は棕櫚(しゅろ)のようである。これらの果汁はすべて、手を清らかに洗い、きれいに濾してから飲むことができる)。」

內攝頌曰:

内に収める智慧を示す偈:

椰子芭蕉及酸棗、 阿說他果烏跋羅、
蘡薁蒲萄渴樹羅、 是謂八種漿應識。

椰子、芭蕉、そして酸棗(さんそう)、 アショウタ(無憂樹)の果実やウバーラ(菴羅)。 ノブドウやブドウ、そして渴樹羅(カーシュラ)。 これら八種の果汁(飲み物)として知っておくべきである。

「七日藥者:酥、油、糖蜜、石蜜。

七日薬とは、酥(バター)、油、糖蜜(はちみつ)、石蜜(黒砂糖)などの食べ物のことです。

「盡壽藥者,謂根、莖、葉、花、果。

尽寿薬とは、根・茎・葉・花・果実のことを指す。

「復有五種膠藥、五種灰藥、五種鹽藥、五種澁藥。

さらに、五種の膠薬(にかわのくすり)、五種の灰薬(はいのくすり)、五種の塩薬(しおのくすり)、五種の渋薬(しぶのくすり)がある。

「云何根藥?謂香附子、菖蒲、黃薑、生薑、白附子。若更有餘物,是此體例、堪為藥者,隨意當用。

「根薬とは何か。すなわち、香附子、菖蒲、黄姜、生姜、白附子である。もしこれら以外にも、同じ種類で薬として用いるにふさわしいものがあれば、自由に使ってよい。」

「莖藥者,栴檀香藥、葛栢木、天木香、不死藤、小栢,若餘體例,准前應用。

茎薬とは、栴檀香や、葛栢木、天木香、不死藤、小栢などのことである。その他の種類も、前の例に従って用いるべきである。

「葉藥者,三葉:謂酸菜婆奢迦葉(此方無),絍婆(楝木是也),高奢得枳(此方無),及以餘類,准前應用。

三種の薬用の葉があります。すなわち、酸菜婆奢迦葉(この地にはない)、絍婆(これは楝木のこと)、高奢得枳(この地にはない)、そしてその他の種類についても、先に述べた基準に従って用いるべきです。

「花藥者,謂婆舍迦花、絍婆花、陀得雞花、龍花、蓮花,更有餘類,應隨所用。

花薬とは、すなわちパーシャカ花、ニムバ花、タッケイ花、龍花、蓮花のことを指し、その他にも種類があるので、用いる状況に応じて適宜使用すべきである。

「果藥者,謂訶黎勒果、菴摩勒果、鞞醯得枳果、胡椒、蓽茇,若有餘類,准前應用。

果藥とは、すなわち訶黎勒果(カリロクカ)、菴摩勒果(アンマロクカ)、鞞醯得枳果(ビイトクカ)、胡椒、蓽茇(ヒハツ)を指します。その他の種類があれば、前述の例に準じて用いるべきです。

「五種黏藥者,所謂阿魏、烏糖、紫礦、黃蠟、安悉香。阿魏藥者,謂阿魏樹上出膠。烏糖者,謂娑羅樹出膠。紫礦者,樹枝上出汁。黃蠟者,謂蜜中殘出也。安悉香者,樹膠也。

五種の粘り気のある薬とは、いわゆる阿魏(あぎ)、烏糖(うとう)、紫鉱(しこう)、黄蝋(おうろう)、安悉香(あんじつこう)のことです。阿魏の薬とは、阿魏の木から出る樹脂のことです。烏糖とは、娑羅樹(しゃらじゅ)から出る樹脂のことです。紫鉱とは、木の枝から出る汁のことです。黄蝋とは、蜜から取り出した残りかすのことを指します。安悉香とは、木の樹脂のことです。

「五種灰者,謂𪍿麥灰、油麻灰、𪍿麥、䴬灰、牛膝草灰、婆奢樹葉灰。

五種の灰とは、麦の灰、ごまの灰、大麦の灰、糠(ぬか)の灰、牛膝草(ぎゅうしつそう)の灰、婆奢樹の葉の灰を指します。

「五種鹽者,謂烏鹽、赤鹽、白石鹽、種生鹽、海鹽。

五種類の塩とは、すなわち烏塩(うえん)、赤塩(しゃくえん)、白石塩(はくしゃくえん)、種生塩(しゅしょうえん)、海塩(かいいえん)である。

「云何五種澁藥?謂阿摩羅木、楝木、贍部木、尸利沙木、高苫薄迦木。

五種の渋い薬とは何か。すなわち、アーマラの木、センダンの木、ジャンブの木、シリシャの木、コーシャンバの木である。

「此中時藥者,謂於時中服食。若更藥、七日、盡壽藥,若與時藥相和者,時中應服、非時不應服。若更藥、七日、盡壽藥,與更藥相和者,齊初更分應服,過此不應服。若七日藥與盡壽藥相和者,七日應服。若過七日,不應服。若盡壽藥,應盡壽守持而服。然此四藥相和,從強而服。若無病及病差,不應服,或捨與同梵行者。應如是守持:先洗淨手,受取其藥,對一苾芻,蹲踞執藥,作如是言:『具壽存念!我苾芻某甲,有是病緣,此盡壽藥,我今守持,為服用故。』并同梵行者,如是三說。若七日藥更藥,准此守持。」

此中「時薬」とは、決められた時間内に服用するものを指します。もし「更薬」(日に一度服用する薬)、「七日薬」(七日の間服用できる薬)、「尽寿薬」(生涯服用できる薬)を時薬と混ぜ合わせた場合、決められた時間内に服用すべきで、時間外には服用してはなりません。

もし「更薬」、「七日薬」、「尽寿薬」を更薬と混ぜ合わせた場合、最初の更薬の時間帯に服用すべきで、それを過ぎては服用してはなりません。

もし「七日薬」と「尽寿薬」を混ぜ合わせた場合、七日の間は服用できますが、七日を過ぎたら服用してはなりません。

もし「尽寿薬」であれば、生涯にわたって保持し続けて服用すべきです。

しかし、これら四種類の薬を混ぜ合わせた場合、より強い効力を持つ薬に従って服用します。

もし病気がなく、または病が治癒した場合は、服用すべきではありません。あるいは、同じく清らかな修行を共にする仲間に与えてもよいでしょう。

次のように保持すべきです。まず手を清め、その薬を受け取り、一人の比丘の前にしゃがんで薬を手に捧げ、こう唱えます。「尊よ、お聞きください。私、比丘(名前)は、この病の縁があり、この尽寿薬を、服用のために、今このように保持します。」同じく清らかな修行を共にする仲間たちとともに、このように三回唱えます。七日薬や更薬についても、これに準じて保持します。

緣在室羅伐城。有一苾芻身患風疾,往醫人處,問曰:「賢首!我患風疾,為我處方。」時彼醫人白言:「聖者!宜可服有情脂,病當除差。」苾芻報曰:「賢首!我今豈合食此脂耶?」醫人報曰:「唯有斯藥,餘不能差。」時諸苾芻以此因緣具白世尊,佛言:「苾芻有病,若醫人說唯此是藥、餘不能差者,應當服脂。」時諸苾芻不知服何等脂,還問醫人。醫人報曰:「汝師既是一切智人,可往諮問,自當知之。」

ある時、室羅伐城に一人の比丘がいました。この比丘は風の病を患い、医者のもとへ行って尋ねました。「賢者よ、私は風の病にかかっています。治療の処方を授けてください。」

医者は答えました。「聖者よ、動物の脂を服用なさるのがよろしいでしょう。そうすれば病は治ります。」

比丘は言いました。「賢者よ、私はそのような脂を食べてよいのでしょうか。」

医者は答えました。「この薬によるほかは、病を治す方法はありません。」

そこで比丘たちはこの出来事を世尊に詳しく報告しました。仏はお告げになりました。「比丘が病気のとき、医者が『これこそが薬であり、他に治す方法はない』と言うならば、脂を服用しなさい。」

しかし比丘たちはどの脂を用いるべきか分からず、再び医者に尋ねました。医者は答えました。「あなたがたの師は一切を知る智者であられます。その方のもとへ行って尋ねなさい。自然に分かるでしょう。」

時諸苾芻即往問佛,佛言:「有五種脂:一者魚脂,二者江㹠脂,三者鮫魚脂,四者熊脂,五者猪脂。此等五脂,非時煮、非時漉、非時受、非時守持,不應服。時煮,非時漉、非時受、非時守持,不應服。時煮、時漉,非時受、非時守持,不應服。時煮、時漉、時受,非時守持,不應服。時煮、時漉、時受、時守持,應服。如服油法,七日服,過七日不應服。」彼病苾芻因此服脂,病遂除愈。愈已殘藥,遂便總棄。時有苾芻,復患風病,詣醫人處,問曰:「賢首!我患風疾,為我處方。」醫人報曰:「宜服脂藥。已有苾芻,服脂得差,汝應就覓。」而彼苾芻即往至前服藥苾芻所,問言:「具壽!汝先服脂,風得除差,醫人教我,亦服此脂。汝有殘脂,見惠於我。」苾芻曰:「我所殘脂,並已棄却。」告曰:「汝今不善,非所應為。」時諸苾芻即以此緣具白世尊。佛告諸苾芻:「服殘脂藥,不應總棄,要須收舉。我今當說收舉法式:若苾芻所用殘脂,若餘苾芻來從求索者,應即相與。若無人求者,當送病坊,病坊好為藏貯。若有須者,於彼處取,守持而服。不依教者,得越法罪。」

その時、多くの比丘たちは仏のもとへ行き、仏に問いました。仏はお告げになりました。「五種類の脂がある。①魚脂、②江豚脂、③鮫魚脂、④熊脂、⑤猪脂である。これらの五種の脂は、非時に煮、非時に漉し、非時に受け取り、非時に保持するならば、服用すべきではない。時に煮ても、非時に漉し、非時に受け取り、非時に保持するならば、服用すべきではない。時に煮、時に漉しても、非時に受け取り、非時に保持するならば、服用すべきではない。時に煮、時に漉し、時に受け取っても、非時に保持するならば、服用すべきではない。時に煮、時に漉し、時に受け取り、時に保持するならば、服用してよい。油の服用法と同じく、七日間服用し、七日を過ぎたら服用すべきではない。」この病んだ比丘はこの脂を服用して、病は治りました。治った後、残った薬をすべて捨ててしまいました。その時、ある比丘がまた風病にかかり、医者のところへ行って尋ねました。「尊い方よ、私は風病を患っています。処方をお願いします。」医者は答えました。「脂薬を服用するのがよいでしょう。すでにある比丘が脂を服用して治りました。あなたはそこに行って探し求めなさい。」そこでその比丘は、先に薬を服用した比丘のところへ行き、尋ねました。「具寿よ、あなたは先に脂を服用して、風病が治りましたね。医者が私にもこの脂を服用するよう教えました。あなたに残りの脂があれば、私に恵んでください。」比丘は言いました。「私の残りの脂は、すでに捨ててしまいました。」そこで彼は言いました。「あなたは今、善くありません。なされるべきではありません。」その時、多くの比丘たちはこの因縁を詳しく世尊に申し上げました。仏は多くの比丘たちにお告げになりました。「服用した残りの脂薬は、すべて捨てるべきではなく、必ず収納しなさい。今、収納の方法を説きましょう。もし比丘が使用した残りの脂について、他の比丘が来て求めるならば、すぐに与えなさい。もし求める人がいなければ、病坊に送りなさい。病坊はよく保管しなさい。もし必要な人がいれば、その場所で取り、保持して服用しなさい。教えに従わない者は、法を越える罪を得るでしょう。」

緣處同前。時有苾芻身患瘡疥,詣醫人處,問曰:「賢首!我患瘡疥,為我處方。」醫人報曰:「聖者!宜服澁藥,當得病差。」苾芻答曰:「賢首!我可是耽欲人耶?」醫人報曰:「此澁藥能治疥瘡,餘藥不差。」苾芻問曰:「當服何等澁藥?」醫人答曰:「聖者!汝師是一切智者,具知此事。」諸苾芻等往白世尊,佛言:「有五種澁藥:一者菴沒羅,二者絍婆,三者贍部,四者夜合,五者俱奢摩。苾芻應知,此等諸藥,或皮、或葉並應擣碎,水煮塗身。」塗已體更生瘡,佛告苾芻:「應作散藥。」苾芻濕擣,為作一團,不為碎粖,佛言:「不應濕擣,應曝使乾。」諸苾芻於盛日中曬藥,遂令無力,佛言:「不應於烈日中曝藥。」苾芻陰乾,藥便衣生,佛言:「可於微日中曝。」諸苾芻等,澁藥塗身即便沐浴,其藥墮落,不得藥力,佛言:「待乾手摩其藥入皮膚,然後沐浴已更塗,塗已更浴,瘡病得差。」彼病苾芻瘡既差已,所有殘藥遂便棄擲。有餘苾芻,復患瘡疥,往醫人處,告曰:「賢首!我患如是疾苦,為我處方。」醫還令塗澁藥,并更報言:「某病苾芻先亦患疥,令塗斯藥,可應就覓。」苾芻即往問言:「具壽!汝先用澁藥,我為醫人遣用澁藥。汝若有殘藥,見惠於我。」報言:「所有殘藥,我已棄擲。」苾芻報曰:「不應如此棄不收舉。」時彼苾芻以緣白佛,佛言:「用澁藥者,應知行法,所用殘藥,不應棄擲。若有餘病苾芻求者應與;若無求者,可送病坊,依法貯庫,病者應給。不依行者得越法罪。」

その場は前と同じです。その時、ある比丘が皮膚病の疥癬(かいせん)を患い、医者のもとへ行って尋ねました。「賢者よ、私は疥癬に悩んでいます。処方を示してください。」医者は答えました。「聖者よ、収斂(しゅうれん)の薬を服用なされば、病は癒えるでしょう。」比丘は言いました。「賢者よ、私は欲望に耽るような人間でしょうか?」医者は答えました。「この収斂薬は疥癬を治すことができます。他の薬では癒えません。」比丘が尋ねました。「どのような収斂薬を服用すべきでしょうか?」医者は答えました。「聖者よ、あなたの師匠は一切を知るお方です。このことをよくご存じでしょう。」比丘たちは世尊のもとへ参ってこのことを告げました。仏は言われました。「五種の収斂薬がある。第一にアンマーラ(庵没羅)、第二にニンバ(絍婆)、第三にジャンブ(贍部)、第四に夜合、第五にクシャーマ(俱奢摩)である。比丘たちよ、知るべきである。これらの薬は、その皮や葉を砕き、水で煮て体に塗るがよい。」塗ったところ、かえって体にさらに瘡ができてしまいました。仏は比丘たちに告げられました。「散薬(粉末薬)とすべきである。」比丘たちは湿ったまま砕いて、ひとつの塊にしてしまい、細かい粉にはしませんでした。仏は言われました。「湿ったまま砕くべきではない。乾かすべきである。」比丘たちは烈日の下で薬を乾かしたため、薬効が失われてしまいました。仏は言われました。「烈日の下で薬を乾かすべきではない。」比丘たちが日陰で乾かすと、薬にカビが生えてしまいました。仏は言われました。「柔らかな日差しの下で乾かすべきである。」比丘たちは収斂薬を塗った後、すぐに沐浴したため、薬が落ちてしまい、薬の効き目が得られませんでした。仏は言われました。「薬が乾くのを待ち、手で薬を皮膚に擦り込んでから沐浴しなさい。塗っては沐浴し、塗っては沐浴して、瘡の病を癒すがよい。」その病んでいた比丘は瘡が治った後、残った薬を捨ててしまいました。別の比丘がまた疥癬を患い、医者のもとへ行って言いました。「賢者よ、私はこのような病の苦しみを抱えています。処方を示してください。」医者はまた収斂薬を塗るように指示し、さらに言いました。「ある比丘が以前疥癬を患い、この薬を塗って治りました。彼のもとへ行って探してみなさい。」その比丘は行って尋ねました。「具寿よ、あなたは以前収斂薬を使いましたね。私は医者から収斂薬を使うように言われました。もし残りの薬があれば、私に恵んでください。」彼は答えました。「残りの薬は、すでに捨ててしまいました。」比丘は言いました。「そのように捨ててしまい、収めないのは正しくありません。」その時、その比丘はこのことを仏に告げました。仏は言われました。「収斂薬を使う者は、その扱い方を知るべきである。使った残りの薬は捨ててはならない。もし他の病める比丘が求めるならば、与えるべきである。もし求める者がいなければ、病坊に送り、法に従って庫に納め、病者に与えるべきである。これに従わない者は、越法の罪を得る。」

緣在室羅伐城,時有苾芻患眼,遂往醫人處問曰:「賢首!我今患眼,為我處方。」醫人報曰:「聖者!宜用安膳那藥,即應得差。」苾芻報曰:「我豈是愛欲之人。」醫人報曰:「聖者!此是好治眼藥,除此,餘藥不能療也。」以此因緣,時諸苾芻往白世尊。佛言:「若醫人言:『此是治眼藥,餘不能療。』者,應當用安膳那。」然彼苾芻不知用何安膳那,便問醫人。醫人報曰:「聖者!汝師具一切智,應往問之。」以斯緣故,時諸苾芻往白世尊。佛言:「有五種安膳那:一者花安膳那、二者汁安膳那、三者粖安膳那、四者丸安膳那、五者騷毘羅石安膳那。此之五種,咸能療眼。是故苾芻若患眼者,應用安膳那,方得除差。」病既差已,所有殘安膳那遂便棄却。又有苾芻,亦復患眼,同前問醫。醫令還用安膳那藥:「某甲苾芻,已曾患眼,先教用安膳那藥,可應詣彼求覓。」此病苾芻依言往問:「具壽!我今患眼,有殘安膳那不?」然此苾芻即覓殘藥不得,報言:「具壽!我之殘藥,今覓不得。」以此因緣,往白世尊。佛言:「苾芻!若有殘安膳那,不應輒棄而不收舉。其安膳那行法,我今為說安置法式。其安膳那,應置牢固處,花安膳那置於銅器中,汁藥安小合內,粖藥置在竹筒裏。後一一安置袋中,或以物裹,或於牆壁釘橛繫之。持安膳那苾芻應依法式,不依行者得越法罪。」

ここは室羅伐城でのことである。その頃、ある比丘が眼を患い、医者のもとへ行って尋ねた。「先生、私は眼を患っています。治療薬を処方してください。」医者は答えた。「尊者よ、安膳那(アンジュナ)という薬を用いなさい。そうすれば治るでしょう。」比丘は言った。「私は欲深き者ではありませんぞ。」医者は答えた。「尊者よ、これは良い眼薬です。これ以外の薬では治せません。」この因縁により、比丘たちは世尊のもとへ行ってこのことを告げた。仏は言われた。「もし医者が『これは眼を治す薬であり、他では治せない』と言うならば、安膳那を用いるべきである。」

しかし、その比丘たちはどの安膳那を用いてよいか知らなかったので、医者に尋ねた。医者は答えた。「尊者よ、あなたの師は一切智を具えておられます。その方に尋ねられるのがよいでしょう。」この因縁により、比丘たちは世尊のもとへ行ってこのことを告げた。仏は言われた。「五種の安膳那がある。一つは花安膳那、二つは汁安膳那、三つは末安膳那、四つは丸安膳那、五つは騒毘羅石安膳那である。この五種はすべて眼を治すことができる。ゆえに比丘が眼を患ったならば、安膳那を用いて治すべきである。」

病が治った後、残った安膳那を捨ててしまう者があった。また、ある比丘も同じく眼を患い、前と同じように医者に尋ねた。医者はまた安膳那の薬を用いるように指示した。「某という比丘が以前眼を患い、安膳那の薬を用いるよう教えられました。その方のもとへ行って探してもらいなさい。」この病める比丘はその言葉に従って尋ねた。「具寿よ、私は今眼を患っています。残りの安膳那はありますか?」しかし、その比丘は残り薬を探したが見つからず、答えた。「具寿よ、私の残りの薬は今探しても見つかりません。」この因縁により、世尊のもとへ行って告げた。仏は言われた。「比丘よ、もし残りの安膳那があるならば、安易に捨てたり、収め置かないで放置してはならない。安膳那の扱い方について、今からその安置の方法を説こう。その安膳那はしっかりした所に置くべきである。花安膳那は銅の器に入れ、汁薬は小さな容器に入れ、末薬は竹筒の中に置く。その後、それぞれを袋に入れるか、物で包むか、あるいは壁に釘を打って掛けておくべきである。安膳那を用いる比丘は、この方法に従うべきである。従わない者は、法に背く罪を得るであろう。」

緣處同前。時有具壽西羯多苾芻,遂患風瘨,隨處遊行,乃至婆羅門居士見已,自相問言:「是誰家兒子?」有人先識,告眾人曰:「是某居士兒。」眾人言曰:「由是孤獨,令於沙門釋子教中出家。若不出家,親戚必當為療風疾。」以此因緣,時諸苾芻往白世尊。佛言:「諸苾芻當為西羯多苾芻問彼醫人,為療風疾。」時諸苾芻往醫人處,問曰:「賢首!有一苾芻,患如是病,可為處方。」醫人曰:「宜服生肉,必當得差。」苾芻報曰:「賢首!彼苾芻可是食肉人耶?」醫人曰:「聖者!此是治風病藥。除此藥已,餘不能療。」時諸苾芻以緣白佛。佛言:「若醫人說此為藥,餘不能療,應與生肉。」時諸苾芻便與生肉,彼人眼見而不肯食。佛言:「應以物掩眼,然後與食。」時彼苾芻緣與,即除掩物,然病苾芻見手有血,遂便歐逆,佛言:「不應即除繫物。待彼食訖,淨洗手已,別置香美飲食,方可除其掩繫,而告之曰:『汝應食此美食,病可得差。』」差已,每憶斯藥。時諸苾芻以緣白佛,佛言:「若病差已,如常順行,違者得越法罪。」

同じくその場所にて。その時、具寿西羯多という比丘が風癲の病にかかり、あちこちを歩き回っていた。婆羅門や居士たちが彼を見て、互いに言い合った。「これは誰の家の子か。」ある人が彼を知っていて、皆に告げた。「あれは某という居士の子だ。」人々は言った。「彼は孤独のために、沙門釈子の教えの中で出家したのだ。もし出家していなければ、親戚がきっと風疾の治療をしてくれただろうに。」この因縁により、諸比丘は世尊のもとへ行って告げた。仏は言われた。「諸比丘よ、西羯多比丘のために医者に問い、風疾を治療してやりなさい。」そこで諸比丘は医者のもとへ行き、問うた。「賢者よ、ある比丘がこのような病にかかっている。処方をいただきたい。」医者は言った。「生の肉を服するのがよい。必ず治るだろう。」比丘たちは言った。「賢者よ、あの比丘は肉を食べる者なのでしょうか。」医者は言った。「聖者よ、これは風病を治す薬です。この薬の他には、治療する方法がありません。」諸比丘はこの縁を仏に告げた。仏は言われた。「もし医者がこれを薬だと言い、他に治療法がないならば、生の肉を与えなさい。」諸比丘はそこで生の肉を与えたが、彼は目に見て食べようとしなかった。仏は言われた。「物で目を覆ってから、与えて食べさせなさい。」その比丘が縁に従って(目を覆う物を)与えると、すぐに覆いを外した。すると病の比丘は手に血が付いているのを見て、吐き出してしまった。仏は言われた。「すぐに覆っている物を外してはならない。彼が食べ終わり、手を清く洗い、別に香ばしく美味しい飲食を置いてから、覆いを外しなさい。そして彼にこう告げなさい。『あなたはこの美食を食べるべきです。病は治るでしょう。』」病が治った後、彼はいつもこの薬を思い出した。諸比丘はこの縁を仏に告げた。仏は言われた。「病が治ったならば、常の通りに従って行いなさい。それに背く者は、越法の罪を得るでしょう。」

緣在王舍城。時具壽畢隣陀婆瑳纔出家已,多有諸疾。時諸苾芻皆來問說:「具壽!四體如何?」答曰:「甚不安隱,常有諸病。」苾芻報曰:「具壽!汝於昔來,常服何藥?」答曰:「我於昔時,畜雜藥帒,須時取服。」諸苾芻曰:「今何不服?」答曰:「世尊未許。」時諸苾芻以緣白佛。佛言:「我今聽諸苾芻,應持藥帒。」苾芻因此多畜諸藥,帒小不受。佛言:「其藥作束,繫象牙杙上。」藥便爛壞,佛言:「隨時暴曬。」彼於盛日之中暴曬其藥,遂令無力,佛言:「不應於赤日中暴藥,遂陰處曬。」藥還爛壞,佛言:「應陰乾處著。」又被風雨來至,諸苾芻不敢收舉,佛言:「使白衣、求寂,此若無者,當自收舉。其觸著處去却,餘者應用,勿致疑惑。為難故開,無難不得。」

これは、王舎城(ラージャガハ)でのお話である。

その頃、具寿畢隣陀婆瑳(ビリンタバシャ)尊者は、出家して間もなく、多くの病気にかかっていた。

そこへ、多くの比丘たちがやって来て尋ねた。

「尊者、お体の調子はいかがですか?」

尊者は答えた。

「まったく安稳ではなく、常に病に悩まされています。」

比丘たちは尋ねた。

「尊者は、以前からどのような薬をお飲みになっていたのですか?」

尊者は答えた。

「私は以前、さまざまな薬を入れた袋を常に携帯しており、必要な時に取り出して服用していました。」

比丘たちが言った。

「今は、なぜそれを服用なさらないのですか?」

尊者は答えた。

「世尊が、まだそれを許可されていないからです。」

比丘たちは、このいきさつを仏に告げた。

仏は言われた。

「私は今、比丘たちが薬袋を携帯することを許可する。」

すると比丘たちは、この許可を良いことに、薬をたくさん蓄えるようになった。

すると、袋が小さくて入りきらなくなった。

仏は言われた。

「その薬を束にし、象牙の釘に掛けなさい。」

しかし、薬は腐ってしまった。

仏は言われた。

「その薬は、時々日に干しなさい。」

比丘たちは、真昼の強い日差しの中で薬を干した。

そのため、薬の効き目が失われてしまった。

仏は言われた。

「真昼の強い日差しの中で薬を干してはならない。日陰で干しなさい。」

しかし、日陰で干すと、また薬が腐ってしまった。

仏は言われた。

「風通しのよい日陰に置きなさい。」

すると、風雨がやってきて、比丘たちは薬をしまおうとしなかった。

仏は言われた。

「在家の者や沙弥がいれば、彼らに収めさせなさい。もし誰もいなければ、自分で収めなさい。

そして、汚れてしまった部分は取り除き、残りの部分は使用しなさい。疑念を抱いてはならない。

これらの開許可は、特別な事情がある場合のためである。特別な事情がなければ、行ってはならない。」

緣在室羅筏城。時有具壽頡離伐多,於一切時不樂求覓,見者多疑。時諸苾芻共號為頡離伐多,為少求故。其少求者後於晨朝著衣持鉢,入城乞食。次第行乞,遂聞壓甘蔗聲,因即往見作沙糖團,以米粉相和。苾芻報曰:「汝莫著粉和摶。」其人問曰:「可更有餘物摶沙糖不?」苾芻答曰:「我實不知更有何物。然我等非時須食沙糖,所以不合著粉。」報曰:「聖者!時與非時,任食不食,此團除粉,餘物不中。」苾芻遂去。後於一時,於非時分,眾中行沙糖團。然彼苾芻,疑不敢食。弟子問曰:「鄔波馱耶!眾行沙糖,大眾皆食,何不食耶?」報言:「具壽!此中有時食雜故。」彼諸弟子亦復不食。時諸苾芻問曰:「具壽!眾食沙糖,云何不食?」報曰:「我鄔波馱耶言曰:『有時食雜故。』聞者亦皆不食。」頡離伐多遂令眾人多不肯食。時諸苾芻以緣白佛,佛言:「不由此故而成於染,作法應爾。出處淨故,應可食之,勿致疑惑。」是時具壽頡離伐多晨時著衣持鉢,入城乞食。次第行至香行鋪前,見人以麨塗手,遂摶沙糖。捉沙糖已,復麨塗手。苾芻見已,告曰:「賢首!手既塗麨,勿把沙糖,我須非時食此沙糖。」彼人報曰:「聖者!誰復數數用水洗手始得相觸?」後彼苾芻疑不敢食,弟子門人皆亦不食,事並同前。時諸苾芻以緣白佛,佛言:「彼本成染,即不堪食。本體淨故,食之無犯。」

ここは室羅筏城にあった。その時、具寿の頡離伐多という比丘がいた。彼は常に求めることを好まず、見る者も多くが疑いを抱いた。時の比丘たちは共に彼を頡離伐多と呼び、求めることが少ないからである。その少欲の者は、後にある朝、衣を着て鉢を持ち、城に入って乞食した。順に托鉢して歩くうち、甘蔗を搾る音を聞いた。そこへ行ってみると、砂糖の団子を作っており、米粉を混ぜ合わせていた。比丘は言った。「あなたは粉を混ぜて団子にしてはならない。」するとその人は尋ねた。「他に砂糖の団子をまとめるものがあるでしょうか?」比丘は答えた。「私は本当に他に何があるか知らない。しかし我々は非時(正午過ぎ)に砂糖を食べる必要があるので、粉を混ぜるのは適切ではないのだ。」するとその人は言った。「聖者よ!時であろうと非時であろうと、食べるも食べないもお任せします。この団子は粉を除けば、他のものでは作れません。」比丘は去っていった。その後、ある時、非時の時間に、大衆の中で砂糖の団子が配られた。しかしその比丘は疑って、あえて食べなかった。弟子が尋ねた。「和尚よ!大衆に砂糖の団子が配られ、皆が食べているのに、なぜ食べないのですか?」彼は答えた。「具寿よ!これには時食(正午前に食べるもの)が混ざっているからだ。」その弟子たちもまた食べなかった。時の比丘たちが尋ねた。「具寿よ!大衆が砂糖の団子を食べているのに、どうして食べないのですか?」彼は答えた。「私の和尚が『時食が混ざっているからだ』と言いました。」聞いた者たちも皆、食べなかった。頡離伐多が原因で、多くの人々が食べようとしなかった。時の比丘たちはこの因縁を仏に告げた。仏は言われた。「このことによって染汚が生じるわけではない。作法として当然のことである。出所が清浄であるから、食べてよい。疑いを抱いてはならない。」その時、具寿の頡離伐多は、朝に衣を着て鉢を持ち、城に入って乞食した。順に歩いて香の店の前に行くと、人が油を手に塗って、砂糖の団子をまとめているのを見た。砂糖の団子を握った後、また油を手に塗った。比丘はこれを見て言った。「善き方よ!手に油を塗ったなら、砂糖の団子を握ってはならない。私は非時にこの砂糖を食べる必要があるのだ。」その人は言った。「聖者よ!誰が何度も水で手を洗ってから触れるというのですか?」その後、その比丘は疑って食べようとせず、弟子や門人も皆食べなかった。事は前と同じようであった。時の比丘たちがこの因縁を仏に告げた。仏は言われた。「それ自体が染汚すれば、食べるに堪えない。本体が清浄であるから、食べても罪はない。」

緣在室羅筏城。具壽舍利子身嬰風病,具壽大目揵連見其有疾,作如是念:「我曾頻與舍利子看病,不問醫人,今應宜問。」即往醫處問言:「賢首!具壽舍利子患如是如是病,可為處方。」醫人報曰:「聖者!看其患狀,宜服鹽醋,當得除差。」既求得醋,更欲求鹽,具壽畢隣陀婆蹉報曰:「我先有鹽,貯之角內,盡壽守持。若世尊許服,我當相與。」時具壽舍利子聞此語已,報大目連曰:「我意有疑,盡形壽藥若和時藥,非時不應服。」時大目連以緣白佛,佛言:「目連!若更藥、七日藥、盡壽藥與時藥相和,應作時服,非時不服。若七日、盡壽與更藥相和,應齊更分服,過此更分不應服。若盡壽藥與七日藥相和,應七日服,過七日不應服。若盡壽與盡壽藥相和,應盡壽服。若不依者,得越法罪。」

かつて世尊は舎衛城に滞在しておられた。その時、尊者の舎利子は風病にかかっておられた。尊者の大目連はその病を見て、このように思われた。「私はこれまで何度も舎利子の看病をしてきたが、医師に尋ねたことがなかった。今こそ尋ねるべきであろう。」そこで医師のもとへ赴き、尋ねられた。「尊き方よ、尊者舎利子がこのような病にかかっておられる。処方をいただきたい。」医師は答えた。「聖者よ、その病状を見ますと、塩と酢を服用されれば治りましょう。」酢を得たので、次に塩を求められたところ、尊者畢隣陀婆蹉が申された。「私は先に塩を持っており、角器に納めて、生涯の間、受持しております。世尊が服用を許されましたら、差し上げましょう。」尊者舎利子はこの言葉を聞いて、大目連に申された。「私は疑問があります。終身薬を時薬と混ぜた場合、非時には服用すべきではないのではないでしょうか。」そこで大目連はこの因縁を世尊に申し上げた。世尊は言われた。「目連よ、もし更薬・七日薬・尽寿薬を時薬と混ぜたならば、時とすべき時に服用しなさい。非時には服用してはならない。もし七日薬・尽寿薬を更薬と混ぜたならば、更の分に合わせて服用しなさい。その更の分を過ぎては服用してはならない。もし尽寿薬を七日薬と混ぜたならば、七日の間に服用しなさい。七日を過ぎては服用してはならない。もし尽寿薬と尽寿薬を混ぜたならば、生涯の間服用しなさい。もしこの決まりに従わなければ、法に背く罪を得るであろう。」

爾時世尊在荻苗國,人間遊行到波羅痆斯仙人墮處施鹿林中。於彼城內,有一長者名曰大軍,富貴饒財,多諸受用。彼人有妻名大軍女,敬信三寶,賢善質直,意樂清淨。彼聞世尊於荻苗國遊行,來到波羅痆斯,在仙人墮處施鹿林中,聞已念曰:「此應是我大師世尊,我雖頻為供養,由未周備,今以我現有家貲悉持奉上無上慈尊,略申供養。」作是念已,即往佛所,到已禮足,退坐一面。

その時、世尊は荻苗国を遊行し、波羅痆斯にある仙人堕処の施鹿林に到着された。その都の中に、大軍という名の長者がいた。裕福で財産が多く、さまざまな享受に恵まれていた。彼の妻は大軍女と名づけられ、三宝を敬い信じ、賢明で善良、心は清らかであった。彼女は世尊が荻苗国を遊行し、波羅痆斯の仙人堕処の施鹿林に来られたと聞いて、こう思った。「これは私の大師世尊に違いない。私は以前から供養をしてきたが、まだ十分でない。今こそ私が持つ全ての財産を捧げて、無上の慈尊に少しばかりの供養を申し上げよう。」そう考えてから、仏のもとへ赴き、到着すると足に礼拝し、退いて一方に座った。

爾時世尊為大軍長者隨順說法,示教利喜,以種種方便演妙法已,默然而住。

そのとき、世尊は大軍長者のために、その心に沿って教えを説かれ、導き、教え、喜びを与えられた。さまざまな巧みな方法で素晴らしい法を示し終えると、静かに座禅のままでおられた。

爾時大軍長者既聞法已,心大歡喜,即從座起,偏袒右肩,合掌禮佛,而白佛言:「唯願世尊及苾芻眾,受我三月夏安居請,我以供養衣服、飲食、臥具、醫藥。」

その時、大軍長者はすでに法を聞き終えて、心から大いに喜び、すぐに座を立って、右肩を袒にし、合掌して仏に礼拝し、仏に申し上げました。「どうか世尊と比丘たちの衆が、私の三月の夏安居の招きをお受けください。私は衣・食・寝具・薬をもって供養いたします。」

爾時世尊默然受請。是時長者見佛許已,生大歡喜,禮佛而去。時彼長者供給世尊三月安居種種供養,及諸苾芻,無所闕乏。長者每日清旦禮世尊足,即復觀察諸病苾芻。有一苾芻,身嬰重病。往問醫人,時彼醫人令食肉羹。長者問已,歸到家中,語其婦曰:「賢首!有病苾芻,醫人令食肉羹,方能療疾。汝可為辦,宜速送往病苾芻處。」時彼長者即令小婢,將其錢物往諸屠家,欲買其肉。即於此日,國王誕子,遂皆斷屠;若有犯者,與其重罪。假令貴買,亦不可得。時彼小婢具以上事白大家知。時長者婦作是思惟:「我於三月,供養世尊及苾芻僧,所有家資不令有乏。若今不得此藥交,恐苾芻因斯命過,是我不善。」如是思已,即持利刃入己房中以割髀肉,授與小婢,令其細切,煮作美羹,急送與彼病苾芻食。爾時小婢即作送與,然病苾芻得已便食,病遂除愈。彼病苾芻,亦復不知是彼長者妻割身肉,便作是念:「我既受此供養,不合空臥,我今宜可未得者令得、未證者令證、未解者令解。」發勤精進,斷諸煩惱,得阿羅漢果,三明六通,具八解脫,得如實知:我生已盡,梵行已立,所作已辦,不受後有。心無障礙,如手撝空,刀割香塗,愛憎不起,觀金與土等無差別,於諸名利無不棄捨,釋梵諸天悉皆恭敬。

その時、世尊は黙って請けを許された。長者は仏が許されるのを見て、大いに喜び、仏に礼拝して去った。その長者は、三月の安居の間、世尊と比丘たちに種々の供養を施し、何も欠けることがなかった。

長者は毎朝早く世尊のもとを訪れ、足に礼拝した。そして、病の比丘たちを見回った。ある比丘が重い病にかかっていた。長者は医者に尋ねると、その医者は肉のスープを食べるように指示した。

長者はこれを聞いて家に帰り、妻に言った。「賢首よ、病の比丘がいる。医者は肉のスープを食べれば病が治ると言った。あなたが用意して、すぐに病の比丘のもとへ送りなさい。」

長者はすぐに下女に金銭を持たせ、屠殺場へ肉を買いに行かせた。ところが、ちょうどその日、国王に子が生まれ、屠殺が禁じられていた。もし犯す者があれば、重罪に処せられた。高価で買おうとしても、手に入れることはできなかった。

下女はこのことを奥方に告げた。長者の妻は考えた。「私は三月の間、世尊と比丘僧に供養し、家の財産を欠けることがないようにしてきた。もしこの薬を得られなければ、比丘がこのために命を落とすかもしれない。それは私の過ちとなろう。」

こう思って、鋭い刃を手に取り、自らの部屋に入って自分の腿の肉を切り取り、下女に渡して細かく刻ませ、美味しいスープを作らせて、急いで病の比丘に送らせた。下女はすぐにそれを届けた。病の比丘はそれを受け取って食べると、病は治った。

その病の比丘は、それが長者の妻が自らの身の肉を切って作ったものであるとは知らず、こう考えた。「私はこのような供養を受けたのだから、ただ横になって過ごすべきではない。私はまだ得ていないものを得、まだ証していないものを証し、まだ解いていないものを解くべきだ。」

そして、精進を発起し、煩悩を断ち切り、阿羅漢果を得た。三明・六通を具え、八解脱を成就し、如実に知った。「我が生は尽き、梵行は既に立ち、所作は既に成し遂げられ、後世の存在を受けることはない」と。

心に障りはなく、手で虚空を払うように、刀で斬られても香を塗られても、愛憎は起こらない。金と土を等しく見て差別なく、名利をすべて捨て、釈梵諸天も皆、恭敬した。

爾時世尊於日初分,執持衣鉢,將諸大眾往大軍舍。既至彼已,於大眾前就座而坐,告長者曰:「汝之少婦,今在何處?」答言:「室內。」世尊威力不可思議,加護彼女,令於割處所有身肉,色相無差,平復如故。時長者妻於世尊所,生歡喜心。從房出已,詣世尊所,頂禮佛足,住立一面。佛告女曰:「汝有何因,能於生死險道發菩薩行?」女即合掌而說頌言:

そのとき、世尊は日の初めの分に、衣と鉢をお持ちになり、多くの大衆を連れて大軍長者の家へ向かわれました。そこに着くと、大衆の前で座にお着きになり、長者に告げられました。「あなたの若い妻は、今どこにいますか。」「部屋の中におります」とお答えしました。世尊の威力は不思議で、かの女を加護し、切り取られたところの身の肉を、色かたちも違わず、もとのとおりに平らに癒やされました。そのとき、長者の妻は世尊のみもとで喜びの心を起こしました。部屋から出て、世尊のみもとに参り、仏の足を頂礼して、一方に立ち止まりました。仏は女に告げられました。「あなたはどのような理由があって、生死の険しい道において菩薩の行を起こすことができたのですか。」女はすぐに合掌して、偈を説いて言いました。

「輪迴生死中, 是身易可得;
百千俱胝劫, 尊勝境難逢。」

輪廻の生と死のうちに、 この身は得やすくとも、 百千の劫(こう)の長い間にも、 尊い悟りの境地は遇いがたい。

爾時長者見佛世尊及諸大眾悉安坐已,即以清淨種種上美飲食供養佛僧,皆令滿足。攝除食器,嚼齒木已,清淨洗手。是時長者更取小座,於一面坐,為聽法故。

その時、長者は仏世尊と大いなる衆が皆、安らかに座っているのを見て、清らかな様々な上等な飲食をもって仏と僧侶たちに供養し、皆が満ち足りるようにした。食事の器を片づけ、歯木を噛み終えて、清らかに手を洗った。その時、長者はさらに小さな座を取り、一方に座って、法を聞くためにした。

爾時世尊為長者說微妙法,示教利喜,無數方便演說法已,從座而起,還至本處。集諸苾芻,於大眾中就座而坐,告諸苾芻曰:「食人肉者,眾所共嫌,於諸肉中,人肉最為臭穢可惡,故苾芻不應更食。若食人肉者,得窣吐羅底也罪。我今制眾中上座行法。然諸上座,凡眾食時,有人將肉欲行,應先問言:『此是何肉?』若上座老病,或無辯了、或不記憶,第二上座應問。若上座不問,得越法罪。」

その時、世尊は長者に微妙な法を説き、教えを示し、利益を与えて喜ばせ、数えきれないほどの方便を用いて法を説き終えられた。それから座を起ち、もとの場所に戻られた。そして多くの比丘たちを集め、大衆の中で座に着かれて、比丘たちにこう告げられた。「人の肉を食べることは、すべての者から嫌われることである。あらゆる肉の中で、人の肉は最も臭く、穢らわしく、忌まわしい。それゆえ比丘は、もはや食べるべきではない。もし人の肉を食べる比丘がいれば、突吉羅(つくさら)の罪を得るであろう。今、私は大衆の中の上座たちの行うべき法を定める。すべての上座たちよ、僧団で食事をする時、誰かが肉を持って来て施そうとするならば、まずこう問うべきである。『これは何の肉か?』と。もし上座が年老いていたり病んでいたり、あるいは弁舌が巧みでなかったり、あるいは覚えていなかったりするならば、第二の上座が問うべきである。もし上座が問わなければ、法に背く罪を得るのである。」

時諸苾芻心疑未了,請世尊曰:「大軍長者妻自割身肉供養苾芻,遂令病差。由此因緣,深懷慚愧,精進不懈,便得漏盡。既食人肉,眾所譏嫌,於法有違,是可訶責;以何因緣,而得漏盡?」佛告諸苾芻曰:「然彼苾芻,非但此生受此女人供養,於過去世無量劫中,常以身肉供此苾芻。由是因緣,今還以肉而為供養。然此苾芻於過去生,由此女人獲得五通,於今生中具足六通,證得漏盡。汝等諦聽!善思念之。吾當為汝廣說因緣。乃往昔時,波羅痆斯城中有一長者,大富多財,仁義信順,其妻亦爾。有婆羅門,聰明博識,弟子圍繞,數盈五百,教讀明論。大富長者於彼婆羅門處深起信心,便請此婆羅門眾至家,以諸所有而盡供養,乃至盡形心無懈惓。是時大富長者為性慈愍,每於晨朝遍觀徒眾,知其安不?其婆羅門有一弟子,身遭疾苦,往問醫人,醫人報曰:『當噉肉羹。』爾時長者往摩納薄迦處申慰問已,語言:『汝身病苦,醫人遣服何藥?』彼便報曰:『令食肉羹。』時彼長者問已還家,而報婦曰:『有婆羅門子病苦,要須肉羹。可令小婢持錢往市買肉作羹,送與令食。』其日國王夫人誕子,遂勅斷屠;如有犯者,必加重罪。縱有錢物,無由買得。婢既歸還,具陳是事。其長者妻聞斯事已,便自思惟:『我今已請婆羅門眾至家供養,此病摩納薄迦童子於藥不得,必死無疑,是我之過。』作斯念已,便入自房,手持利刀即割髀肉,令婢作羹,送與病人。既食羹已,病尋除差。患者思惟:『今既斷肉,無由可得,必應是此長者之妻自割其肉,而將施我。』作是念已,深生慚愧,復自思惟:『我所未證者令證、未得者令得,所未顯示,精進不懈,今應作之。』由精勤故,便得五通。汝等苾芻!勿生異念,昔時大富長者之妻施肉者,豈異人乎?今此大軍長者夫人是。昔時病人者,今病苾芻是。於過去生,因此女人施肉緣故而獲五通,今時具足得阿羅漢果。」佛告諸苾芻:「若純黑業,得純黑報;若純白業,得純白報;若雜業,得雜報。是故諸苾芻,應捨黑業、雜業,修純白業。」

その時、比丘たちは心に疑惑が残り、世尊にこう尋ねた。「大軍長者の妻は自らの身の肉を割いて比丘に供養し、その結果、病を治しました。この因縁により、深く慚愧の心を生じ、精進して怠らず、ついに煩悩を尽くして悟りを得ました。しかし、人肉を食べたことは、大衆の非難を受けるところとなり、法に反するものであり、呵責されるべきことです。どのような因縁によって、悟りを得ることができたのでしょうか。」

仏は比丘たちに告げた。「その比丘は、この生涯だけでこの女の供養を受けたわけではない。過去世の無量劫においても、常にこの女は自らの身の肉をその比丘に供養してきたのだ。この因縁により、今また肉を持って供養したのである。そして、この比丘は過去生において、この女の布施によって五通を得たが、今生においては六通を具足し、煩悩を尽くして悟りを証得したのである。汝ら、よく聞け。善く思念せよ。我、今まさに汝らのために、この因縁を詳しく説こう。

昔々、波羅痆斯という城に、一人の長者がいた。大変裕福で財産が多く、仁義に厚く、信頼され、従順な人であった。その妻もまた同様であった。そこに一人の婆羅門がおり、聡明で学識が広く、五百人の弟子を従え、明論を教えていた。その大富豪の長者は、この婆羅門に対して深く信心を起こし、その婆羅門の衆を家に請じて、所有するものをすべて尽くして供養し、生涯を通じて心に懈怠がなかった。

その頃、大富豪の長者は、性質が慈しみ深く、毎朝、弟子たちの衆を見回って、その安否を知っていた。その婆羅門のある弟子が病に苦しんでいたので、医者のもとへ行って尋ねると、医者は『肉の羹(スープ)を食べるべきです』と答えた。そこで長者は、その弟子(摩納薄迦)のところへ行き、見舞いの言葉をかけた後、『あなたは病の苦しみがあるが、医者はどのような薬を服用するようにと言ったのですか』と尋ねた。弟子は『肉の羹を食べるようにと言われました』と答えた。

長者はそれを聞いて家に帰り、妻に告げて言った。『ある婆羅門の弟子が病の苦しみがあり、肉の羹が必要だ。召使いの少女に金を持たせて市場に行かせ、肉を買って羹を作り、送って食べさせなさい。』

しかし、その日、国王の妃が子を産み、殺生が禁止された。もし犯す者がいれば、重い罪に処せられるということであった。金銭や品物があっても、肉を買うことはできなかった。召使いの少女は帰ってきて、その次第を詳しく話した。

長者の妻はこの事を聞いて、こう思った。『私は今、婆羅門の衆を家に請じて供養しているが、この病の弟子は薬が得られず、必ず死んでしまうだろう。それは私の責任だ。』このように考えた後、自分の部屋に入り、手に鋭い刀を持って、自らの腿の肉を切り取り、召使いに羹を作らせて、病人に送らせた。病人がその羹を食べると、病気はたちまち治った。

病人は考えた。『今は肉が断たれているので、手に入る方法がない。きっとこの長者の妻が自らの肉を切り取って、私に与えたのに違いない。』このように考えて、深く慚愧の心を生じた。そしてまた、こう思った。『私がまだ証得していないことを証得し、まだ得ていないことを得るために、まだ顕していないことを顕すために、精進して怠らず、今こそ努力すべきだ。』この精進によって、五通を得たのである。

汝ら比丘たちよ。異なる思いを起こしてはならない。昔の大富豪の長者の妻が肉を施した者とは、他ならぬ、今の大軍長者の妻である。昔の病人とは、今の病める比丘である。彼は過去生において、この女の肉の施しの縁によって五通を得たが、今は完全に阿羅漢果を得たのである。」

仏は比丘たちに告げた。「もし純粋な黒い業であれば、純粋な黒い報いを受ける。もし純粋な白い業であれば、純粋な白い報いを受ける。もし雑多な業であれば、雑多な報いを受ける。それゆえ、比丘たちよ、黒い業と雑多な業を捨てて、純粋な白い業を修めなさい。」

緣在室羅筏城。時憍薩羅主勝光大王有第一象,忽然疫死。年當飢饉,時婆羅門長者及諸國人皆食象肉。六眾苾芻食時著衣持鉢,入室羅伐城次第乞食,至長者家。然彼家中現煮象肉,釜中氣出。入舍從乞,長者妻曰:「我今無食。」苾芻問曰:「釜中氣出,是何物耶?」妻曰:「聖者!此是象肉。仁等豈可食象肉耶?」答曰:「我等唯憑施主而活,若汝等食象肉者,我等亦食,可將施我。」妻即持肉授與苾芻,得已盛滿鉢袋携之而去。有餘苾芻,見而問曰:「仁鉢袋中是何物耶?盛滿過度。」答言:「象肉。」「豈可仁等食象肉耶?」答言:「具壽!時屬飢饉,無食可求,豈得受飢而自死耶?」時諸苾芻以緣白佛。佛言:「汝等苾芻!天、龍、藥叉、人非人等、國王大臣,於諸苾芻咸生恭敬,云何食噉王家象肉?王若聞時,必作是語:『由諸苾芻食象肉故,我第一象因此而亡。』遂生譏醜。是故苾芻不應食象肉。若食者,得越法罪。象肉既爾,馬肉亦然。」

あるとき、舎衛城に縁があっておられた。その頃、憍薩羅国の勝光大王が第一の象を飼っておられたが、それが突然、疫病で死んだ。ちょうど飢饉の年であったので、バラモンや長者たち、そして国の人々はみな象の肉を食べていた。

六人の比丘たちは、食事の時に衣を着け、鉢を持って、舎衛城に入り、次第に乞食をした。とある長者の家に至った。するとその家では象の肉を煮ており、釜から湯気が立ち上っていた。比丘たちは家に入って乞食をしたところ、長者の妻が言った。「今、食べ物はございません。」

比丘が尋ねた。「釜から湯気が出ているが、それは何か。」

妻が言った。「聖者よ、これは象の肉でございます。あなたがたは象の肉をお食べになるのでしょうか。」

比丘が答えた。「私たちは施主の方々に頼って生きている。もしあなたがたが象の肉を食べるなら、私たちも食べましょう。どうかそれを施してください。」

妻は肉を取り出して比丘に与えた。比丘たちはそれを受け取ると、鉢や袋に満たして持ち帰った。ほかの比丘たちがそれを見て尋ねた。「あなたの鉢や袋には何が入っているのですか。盛りすぎていますよ。」

答えて言った。「象の肉です。」

「まさか、あなたがたは象の肉を食べるのですか。」

答えて言った。「友よ、今は飢饉の時で、食べ物を求めることもできません。飢えのままに死んでよいものでしょうか。」

そこで比丘たちはこの事情を仏に告げた。仏は言われた。

「あなたがた比丘よ、天、龍、夜叉、人非人、国王、大臣たちは、すべての比丘に敬いの心を抱いている。それなのに、どうして王の象の肉を食べることがあろうか。王がこのことを聞けば、必ずこう言うであろう。『比丘たちが象の肉を食べたために、私の第一の象は死んでしまった』と。そうすれば非難を招くことになる。

それゆえ、比丘は象の肉を食べてはならない。もし食べる者は、法を越える罪となる。象の肉がこれならば、馬の肉もまた同じである。」

爾時世尊住瞻波城,揭伽池岸精舍而住。於彼池中有龍王名曰瞻箄耶,信心賢善,每於月八日十四日從宮而出,變作人形,詣苾芻所受八支學處。受已於顯露處還復本形,亦不損惱所餘眾生。時既飢饉,有羸瘦人及牧牛羊人、并採樵人、遊行人、正道活命人、耶道活命人,此等諸人共來剜割,持歸而食。是時六眾苾芻,著衣持鉢入城乞食,至長者家。然此家中,現煮龍肉,釜中氣出,即入舍從乞。長者妻曰:「我今無食。」苾芻問曰:「釜中氣出,是何物耶?」報言:「聖者!此是龍肉。仁等豈可食龍肉耶?」答言:「我等唯憑施主而活。若汝等食者,我等亦食,可將施我。」妻即持肉授與苾芻。由此諸人更多取肉。時彼龍婦作如是念:「由諸苾芻食龍肉故,人皆共食,欲遣我夫何時免受如斯苦痛?我以此緣,宜行問佛。」既過初夜,往詣佛所,禮佛足已,在一面坐。龍女身光周遍照耀,揭伽池邊悉皆明徹。時龍女合掌恭敬,白世尊言:「大德!我之夫主,信心賢善,每於月八日十四日從龍宮出,變作人形詣苾芻所,受八支學處。於顯露處還復龍身,亦不損惱所餘眾生。時逢儉歲,有彼飢人共割其肉,因此苾芻皆取充食,欲遣我夫何時免苦?唯願世尊慈念哀愍,制諸苾芻勿食龍肉。」

そのとき、世尊は瞻波城の揭伽池のほとりにある精舎に住んでおられました。この池の中に瞻箄耶という名の龍王がいました。この龍王は信心深く賢く善い心を持ち、毎月八日と十四日には宮殿から出て、人の姿に変わり、苾芻たちのもとへ行って八支の学処を受けていました。受けた後は、人目のある場所で元の龍の姿に戻り、他の生き物たちを害することもありませんでした。

ちょうどそのころ飢饉が起こり、やせ衰えた人々や牛や羊を飼う者、薪を採る者、旅人、正しい道で暮らす者、邪な道で暮らす者などが、ともにやって来て龍の肉を切り取って持ち帰り、食べていました。

そのとき六人の苾芻たちが、衣を着て鉢を持ち、城に入って托鉢に出かけ、長者の家に着きました。ところがこの家では、ちょうど龍の肉を煮ており、釜から湯気が出ていました。苾芻たちはすぐに家に入り、施しを乞いました。長者の妻は「今は食べ物がありません」と言いました。苾芻たちは問いました。「釜から湯気が出ていますが、それは何ですか」。妻は答えました。「聖者よ、これは龍の肉です。あなた方は龍の肉を食べられるのですか」。苾芻たちは答えました。「私たちはただ施主によって生きています。あなた方が食べるのなら、私たちも食べます。どうか私たちに施してください」。妻はすぐにその肉を苾芻たちに与えました。このことから、人々はますます多くの肉を取るようになりました。

そのとき、かの龍の妻はこう考えました。「苾芻たちが龍の肉を食べるために、人々がみな食べるようになった。私の夫はいつになったらこのような苦しみから免れることができるのだろうか。この縁によって、私は仏に伺いを立てるべきだ」。初夜が過ぎると、仏のもとへ行き、仏の足を礼して、一方に座りました。龍女の身の光はあまねく照らし、揭伽池のほとりはすっかり明るくなりました。そのとき龍女は合掌して恭敬し、世尊に申し上げました。「大徳よ、私の夫は信心深く賢く善い心を持ち、毎月八日と十四日には龍宮から出て、人の姿に変わり、苾芻たちのもとへ行って八支の学処を受けています。人目のある場所で元の龍の姿に戻り、他の生き物たちを害することもありません。ところが飢饉の年に、飢えた人々がともにその肉を切り取るため、苾芻たちもみな取って食べるようになりました。私の夫はいつになったら苦しみから免れるのでしょうか。どうか世尊、慈しみ哀れみをもって、苾芻たちに龍の肉を食べてはならないとお定めください」。

爾時世尊聞是語已,默然而住。是時龍女知佛默許,奉辭而退。

その時、世尊はこの言葉を聞いて、何も言わずに黙っておられた。その時、龍女は仏が黙って許されたことを知り、挨拶をしてその場を去っていった。

爾時世尊至天明已,於大眾前敷座而坐,告諸苾芻曰:「於昨夜中過初更已,有瞻波龍女,光明赫奕來至我所,既申禮敬,在一面坐。彼身威光周遍照耀,揭伽池側皆有光明,作如是語:『大德!我之夫主,信心賢善,每於月八日十四日從龍宮出,變作人形受八支學。於顯露處還復龍身,亦不損惱所餘有情。時遭儉歲,有諸飢人割肉將食,因此苾芻亦食龍肉,欲遣我夫何時免苦?唯願世尊,制諸苾芻勿食龍肉,生慈愍故。』我聞是語,默然而住。時彼龍女見我默然,禮辭而去。是故諸苾芻不應食龍肉。食龍者,諸天、龍等悉皆嫌賤,消滅善法,非釋迦子。是故諸苾芻不應食龍肉,食者得越法罪。」

その時、世尊は夜が明けると、大衆の前に座を設けてお座りになり、比丘たちに告げられた。「昨夜、初更が過ぎた頃、瞻波の龍女が、光り輝くばかりの姿で私のところに来た。礼を尽くした後、一方的に座った。彼女の身の光りは周囲を照らし、掲伽池の辺りまで明るく輝いていた。そしてこう言った。『尊者よ、私の夫は信心深く、賢く善良でございます。毎月八日と十四日には龍宮から出て、人の姿に変わり、八つの戒めを修行いたします。しかし、明るい場所では元の龍の姿に戻り、他の生きとし生けるものを損なうことはございません。折しも飢饉の年でございました。飢えた人々が肉を切り取って食べておりました。それにより、比丘たちも龍の肉を食べることになりました。私の夫がいつになったら苦しみから逃れられるのでしょうか。どうか世尊よ、比丘たちが龍の肉を食べることをお戒めください。慈しみの心からでございます』と。私はこの言葉を聞いて、黙っておられた。その時、龍女は私が黙っているのを見て、礼をして去っていった。それゆえ、比丘たちは龍の肉を食べるべきではない。龍の肉を食べる者は、天や龍などすべての者に嫌われ、善い法を消し去り、釈迦の弟子とは言えない。それゆえ、比丘たちは龍の肉を食べるべきではない。食べた者は、法に背く罪を得るのである。」

根本說一切有部毘奈耶藥事卷第一

根本説一切有部毘奈耶薬事 巻第一


第二

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