No. 489-A金剛經註正譌序
『金剛経註正譌』序
夫般若真空,金剛妙義,使人悟自本性,達自本心,頓脫萬擾根塵,能虗一切身相。始為詮註,咸從自心流出,圓明淨妙,渾如皎日,照耀多千佛土,㵎悉無遺。然金剛一經,有五譯之異,獨秦鳩摩羅什創譯,廣大流通,盛行於世。吾鄉仲子士石,幼攻鄒魯眾聖典墳,晚訊竺乾諸經奧旨,每嘗讀誦金剛般若經,竟忘歲月,智慧從生。於夢幻泡影,審其虗妄不真;於人我眾壽,了其根元無相。彚纂諸註,刪繁簡要,解義正譌。似懸金鏡於當臺,妍媸悉露;如納眾流於巨海,洋溢清澄。無論若緇與素,按覽咸明無上菩提矣。間得王際時廣文,久躭禪學,校正參詳,裒諸善信,剞劂流行。倘遇再來,大鑒聞誦,因無所住,忽悟本來,庶幾功用不淺。貴當領取,言外知歸,自然虗空消殞。求文字相,了不可得,真入不可思議。願讀者信受斯語,方有得焉。
般若の真空、金剛の妙義は、人をして自らの本性を悟らせ、自らの本心に達せしめ、瞬時に万の煩わしき根塵を脱し、一切の身相を虚しくすることを可能とします。この註釈を始めるにあたり、すべては自らの心より流れ出で、円満明らかで清浄微妙、まるで皎々たる太陽の如く、数多の仏土を照らし、少しも漏れるところがありません。しかしながら、金剛経には五種の異なる訳があり、その中でも秦の鳩摩羅什による初訳が広く流通し、世に盛行しています。
わが郷の仲子士石は、幼少より鄒魯の聖典を学び、晩年には竺乾(インド)の諸経の奥義を探求し、常に金剛般若経を読誦するうちに、月日を忘れ、智慧が次々と生じてきました。夢幻泡影に対してはその虚妄不真なることを見極め、人我衆寿に対してはその根源が無相であることを了悟しました。諸々の註釈を集め、煩雑を省き要点を簡潔にし、義解を正し誤りを改めました。それはあたかも明鏡を高台に懸けて美醜ことごとく露わにするが如く、また衆流を大海に納めて清澄に溢れんばかりにするが如きものです。僧俗の別なく、これを覧る者は皆、無上菩提を明らかにすることができるでしょう。
折に触れては王際時広文を得て、久しく禅学に耽り、校正と参究を重ね、多くの善男善女の力を集めて出版し流通させました。もし再び大鑒(慧能大師)のような方が現れ、この経を誦する声を聞き、住するところなくして忽然と本来の自己を悟られるならば、その功徳は浅からぬものとなるでしょう。肝要なのは、言葉の外に真意を領取し、自ずから虚空さえも消え去る境地に至ることです。文字の相を求めても、ついに得るところはなく、真に不可思議の境に入るのです。読者よ、この言葉を信じて受け入れられんことを願います。そうして初めて真のを得ることができるでしょう。
旹
今