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衆経撰雑譬喻 (眾經撰雜譬喻)

「眾經撰雜譬喻」について

姚秦 · 道略集 著 · 底本の訳者:鳩摩羅什

1.6 万字 · 約 52 分

『衆経撰雑譬喩』は後秦の高僧鳩摩羅什により翻訳され、道略によって集録された。本書は姚秦の時代に成立し、仏教の譬喩経典における重要な集成であり、因果、修行、慈悲智慧などの核心的な教義を譬喩物語によって解き明かす短編を数多く収録している。これらの物語は平易で生き生きとしており、深遠な哲理を分かりやすく実践へと導き、人々の覚醒を助けることを目的としている。この経典は漢伝仏教において重要な地位を占め、初学者への入門手引きであるとともに、弘法利生の方便としても機能し、仏教文学と思想の伝播に深遠な影響を与えてきた。


眾經撰雜譬喻卷上

衆経撰雑譬喩 巻上

比丘道畧集

比丘道畧集

姚秦三藏法師鳩摩羅什譯

姚秦の三蔵法師、鳩摩羅什訳

(一)

(一)

智者思惟財物不可久保,譬如失火之家。黠慧之人明識火勢,火未至時急出財物,舍雖燒盡財寶全在,更修屋宅廣開利業。智人植福勤修布施亦復如是,知身危脆財物無常,遇值福田及時布施,亦如彼人火中出物,後世受樂,亦如彼人更修宅業福利自慰。愚惑之人但知惜念,怱怱營救狂惑失智,不量火勢猛風絕燄土石俱燋,須臾之頃蕩然滅盡,屋既不救財物喪失,飢寒凍餓憂苦畢世。慳惜之人亦復如是,不知身命無常須臾叵保,而便聚斂守護愛惜,死來無期忽然殞逝,形如土木財物俱棄,亦如愚人憂苦失計。明慧之人乃能覺悟,知身如幻財不可保,萬物無常惟福可恃,將人出苦可得成道。

賢者が考えるに、財物は永遠に保つことができない。それはちょうど火事になった家のようなものである。賢くて聡明な人は火の勢いをよく見極め、火が家に及ばないうちに急いで財物を運び出す。家は焼け落ちても、財宝は全て無事であり、さらに新たに家を建てて事業を大きく広げる。智慧ある人が福を積み、熱心に布施を修行するのもまた同じである。自分のからだが危うく脆く、財物が無常であることを知り、福田に巡り合った時にすぐに布施を行う。これはあたかも火の中から物を運び出す者のようであり、後の世に楽しみを受ける。また、あたかもその者が新たに家を建て、その福によって自らを慰めるようである。

愚かで迷っている人は、ただ惜しみ愛する心だけを知り、慌てふためいて財物を守ろうとし、狂ったように惑って智慧を失う。火の勢いや、強風で炎が燃え上がり土や石までも焦げる様子を考えず、わずかな間に全てが焼け尽きてしまう。家も救えず、財物も失い、飢えや寒さに苦しみ、一生憂い苦しむ。物惜しみする人もまた同じである。自分の命が無常であり、しばらくも保証できないことを知らずに、かえって財を集めて守り愛し惜しむ。しかし死は予期なく訪れ、突然に命は尽きる。からだは土や木のようになり、財物も共に捨てられる。あたかも愚か者が憂い苦しんで良い考えを失うようである。

明らかな智慧のある人は、ようやく目覚めることができる。からだが幻のようであり、財が保つことのできないものであることを知る。万物は無常であり、ただ福だけが頼りになる。この福が人を苦しみから救い出し、悟りを得させることができるのである。


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