(七)
七
持戒之人寧失身命不違佛教。譬如往日有賈客乘船入海,時有二人欲至他國,傍載至於中流,值遇惡風吹破船舫,諸賈客取所依用以自濟。時下座道人得一板木,上座語言:「佛說法恭敬上座,汝與我板來,不畏犯戒也。」下座道人聞是語已,便自思惟:「何者為重?護戒為重。」思惟是已:「我寧當慎護佛教而死。」即以板木獻上座,下座便沒海水中。水神見道人持戒如是不違佛教,將是道人至於岸上,因此道人至誠持戒故,一船賈客皆得不死。水神讚道人言:「汝真是持戒之人也!」以是證故寧持戒而死,不犯戒而生。是以戒德可恃怙,能濟生死苦。
戒律を守る人は、たとえ命を失うことがあっても、仏の教えに背くことはありません。かつて、商人たちが船に乗って海に入った時のこと。二人の人が他の国へ行こうとして、その船に同乗していました。船が海の中ほどまで来た時、あいにく暴風に遭い、船は吹き破られてしまいました。商人たちはそれぞれ、身を頼りにできるものを使って自分を助けようとしました。その時、身分の低い修行者が一枚の板を得ました。すると身分の高い修行者が言いました。「仏は法を説く時、上座を敬うべきだと説かれた。あなたはその板を私に渡しなさい。戒律を犯しても構わない。」これを聞いた身分の低い修行者は、こう考えました。「どちらがより重要だろうか。戒律を守ることこそが重要だ。」そして考えました。「私は仏の教えを慎み深く守って死ぬことを選ぼう。」そこで板を上座に差し出すと、身分の低い修行者はそのまま海の水に沈んでいきました。海の神は、この修行者が戒律を守り、仏の教えに背かなかったのを見て、この修行者を岸に運び上げました。この修行者が誠を尽くして戒律を守ったおかげで、船に乗っていた商人たちは皆、死を免れたのです。海の神は修行者を褒めて言いました。「あなたこそ、本当に戒律を守る人だ!」この証拠によって、戒律を守って死ぬことは、戒律を犯して生きることよりも尊いと分かります。だからこそ、戒律の徳は頼りになるものであり、生と死の苦しみから救ってくれるのです。