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虚空孕菩薩経 (虛空孕菩薩經)


虛空孕菩薩經卷下

虚空孕菩薩経 巻下

隋天竺三藏闍那崛多譯

隋の天竺三蔵僧侶、闍那崛多訳

「善男子!是名菩薩最初犯於第一大罪。是善男子犯是罪已,失於一切往昔所造諸善根等,違本誓願被煩惱降不得上生,亦復不能得涅槃樂,徒自虛行於菩薩行,忘菩提心後墮惡道。善男子!是故菩薩欲化眾生、先須知心、應知其行,如其彼行次為說法。譬如有人欲入大海,應先知彼水之深淺然後當入。乃至略說,此虛空孕菩薩摩訶薩,為於彼等諸眾生輩現生彼國示現身相,善能知彼若干眾生犯於重罪畏墮惡道。

善男子よ、これが菩薩が最初に犯す第一の大罪である。この善男子がこの罪を犯すと、過去に積んだすべての善根を失い、本来の誓願に背き煩悩に打ち負かされて上生を得られず、涅槃の安楽も得られない。菩薩行を空しく行い、菩提心を忘れて後に悪道に堕ちる。善男子よ、だから菩薩が衆生を教化しようとするなら、まずその心を知り、その行いを知らねばならない。その行いに応じて順に説法するのだ。たとえば海に入ろうとする者は、まずその水の深さを知ってから入るべきである。要約すれば、この虚空孕菩薩摩訶薩は、あらゆる衆生のためにその国に生まれ姿を現し、重罪を犯して悪道に堕ちることを恐れる多くの衆生の心を善く知っておられる。

「若復有人怖畏罪故,或聞他說稱彼虛空孕菩薩名者,或復欲樂見彼菩薩。而彼菩薩為欲懺悔深重罪故,於後夜時,香湯澡浴著淨衣裳,燒沈水香多伽羅香,右膝著地合掌向東,當至心稱彼虛空孕菩薩名號。

もしまた、罪を恐れる者が、あるいは他の人から虚空蔵菩薩の名を聞き、あるいはその菩薩にお会いしたいと願うならば、その菩薩は深い罪を懺悔するために、夜明け前に香湯で沐浴し清浄な衣を着て、沈水香や多伽羅香を焚き、右膝を地につけ、手を合わせて東に向かい、心を込めて虚空蔵菩薩の名号を称えるべし。

「時虛空孕菩薩,知彼初發菩提道心人行罪福輕重,隨其根性而為現身,或復作於婆羅門身乃至童男童女之身,在現前住。現前住已,為欲憐愍初發心故,觀彼菩薩本起重業罪過因緣,教令懺悔,為彼示現甚深善巧微妙方便,說於最上大乘法要,教令建立三昧忍門諸陀羅尼說地等法,令其解脫一切惡道重罪因緣,住不轉地,向於阿耨多羅三藐三菩提;又得大力猶如金剛,成牢固心於六波羅蜜中;又得成就阿耨多羅三藐三菩提。是虛空孕菩薩,或眾生前示現己身,現自身已而為說法。若虛空孕菩薩未為現於身時,時彼初行菩薩大士,更於後夜香湯澡浴著淨衣裳,燒沈水香,求彼東方黃白大士名阿樓那,而口唱言:『仁阿樓那!汝大慈悲欲出現照此閻浮提,憐愍我故,起慈悲心覆護於我。為我諮白虛空孕菩薩,令虛空孕菩薩示我方便,我今欲懺所有重罪,令我於聖大乘之中得大智眼。』作是勸請禮拜已訖,還歸本處安隱睡眠。

時に虚空蔵菩薩は、その初めて菩提心を発した人の善悪の業の軽重を知り、その人の根性に応じて姿を現します。あるいはバラモンの姿で、あるいは童男童女の姿で、その人の前に現れるのです。現れたならば、初発心の者を憐れみ、その菩薩が過去に積んだ重い罪業の因縁を観て、懺悔を教え、深遠で巧みな微細な方便を示し、最上の大乗の法要を説き、三昧や忍辱の門、諸陀羅尼や地などの法を教え、一切の悪道に堕ちる重罪の因縁から解脱させ、不退転の地に住まわせ、阿耨多羅三藐三菩提に向かわせます。また金剛のような大力を得て、六波羅蜜において堅固な心を成し、阿耨多羅三藐三菩提を成就させるのです。この虚空蔵菩薩は、衆生の前に自らの身を現し、現れたならば説法します。

もし虚空蔵菩薩がまだ身を現していない時は、その初発心の菩薩は、夜明け前に香湯で沐浴し清浄な衣を着て、沈水香を焚き、東方の黄白色の大士、名を阿楼那という方に求め、口に唱えて言います。「仁なる阿楼那よ、あなたは大慈悲をもってこの閻浮提を照らそうとし、私を憐れんで慈悲心を起こし、私を覆い護ってくださいます。どうか私に代わって虚空蔵菩薩に申し上げ、虚空蔵菩薩に方便を示させてください。私は今、すべての重罪を懺悔し、聖なる大乗において大いなる智慧の眼を得たいのです」と。

このように勧請し礼拝を終えたなら、元の場所に帰り、安らかに眠ります。

「爾時東方黃白大士阿樓那出時,虛空孕菩薩即來現身於睡眠夢中,在彼犯重菩薩之前示現己身,教彼重罪初行菩薩大智方便悔所犯罪;或復示現大方便智,令彼初發道心菩薩得彼三昧,名無忘失菩提之心,安止住於大乘法中,速滿成就六波羅蜜。

その時、東方に黄白色の大士アローナ(阿樓那)が現れ、虚空蔵菩薩が睡眠の夢の中に姿を現し、重い罪を犯した菩薩の前に自らの姿を示しました。そして、その重罪を犯した初心の菩薩に、大いなる智慧と方便をもって犯した罪を悔い改める方法を教えました。あるいはまた、大いなる方便の智慧を示し、道心を初めて発した菩薩が「菩提心を忘れず失わない」という三昧を得られるようにし、大乗の教えの中に安らかに住まわせ、六波羅蜜を速やかに満たし成就させました。

「復次善男子!或有初行菩薩見行菩薩行者,至其人所而告彼言:『汝不能行菩薩六波羅蜜,亦不能成就阿耨多羅三藐三菩提。汝當發聲聞辟支佛心,汝於煩惱即得解脫。』乃至如前說。善男子!是名第二菩薩犯於重罪。

また、善き男子よ。あるいは、初めて修行を始めた菩薩が、菩薩行を実践している人を見て、その人のところに行き、こう告げることがあります。「あなたは菩薩の六波羅蜜を実践することはできず、また阿耨多羅三藐三菩提を成就することもできません。あなたは声聞や辟支仏の心を起こすべきです。そうすれば、煩悩からすぐに解脱することができます。」と。先に述べた通りです。善き男子よ、これが第二の菩薩の重罪となる行為です。

「復次善男子!或有初行菩薩見他眾生,作如是言:『人者勿行波羅提木叉毘尼戒律,於是法中勿為精進。汝速發阿耨多羅三藐三菩提心,汝速讀誦大乘經典,汝所作三種諸煩惱行謂身口意,因此惡業諸煩惱故即得清淨。』乃至如前所說。善男子!是名初行菩薩第三犯於重罪。

また、善き男子よ。あるいは、修行を始めたばかりの菩薩が、他の衆生に対して次のように言うことがあります。「人は、波羅提木叉毘尼の戒律を行ってはならない。この法において精進してはならない。速やかに阿耨多羅三藐三菩提心を発しなさい。速やかに大乗の経典を読誦しなさい。あなたが行う三種の煩悩の行い、すなわち身・口・意によるものは、この悪業と煩悩によって、すぐに清浄となるのです。」と。先に述べた通りです。善き男子よ、これを修行を始めたばかりの菩薩の第三の重罪とします。

「復次善男子!或有菩薩見於他人,作如是說:『汝諸人輩捨聲聞乘莫聽讀誦,莫為他說、覆藏勿示。汝等善男子莫示聲聞乘,汝若行此聲聞乘者不得大果,不能斷除諸煩惱結。汝但說清淨大乘經典,聽誦受持為他顯說,以此因緣汝得度脫一切惡道,得滅一切諸惡等業,當速成就阿耨多羅三藐三菩提。』彼人若聞初行菩薩如是言者,隨順此行,彼等二人皆犯重罪。善男子!是名第四犯於重罪。

また、善男子よ、ある菩薩が他人に向かってこのように言うのを見ることがあるかもしれません。「あなたがたは声聞の乗り物を捨てなさい。それを聞いたり読んだりせず、他人に説いたりせず、隠して示してはなりません。善男子よ、声聞の乗り物を示してはいけません。もしあなたがたがこの声聞の乗り物を行えば、大きな果報を得ることはできず、すべての煩悩の結び目を断ち切ることはできません。あなたがたはただ清浄な大乗の経典を説き、聞き、読み、受け持ち、他人のために明らかに説き示しなさい。この因縁によって、あなたがたはすべての悪しき道から救われ、すべての悪しき業を滅ぼし、速やかに阿耨多羅三藐三菩提を成就するでしょう。」と。もしその人が、初めて修行を始める菩薩のこのような言葉を聞き、これに従って行うならば、その二人はともに重い罪を犯すことになります。善男子よ、これを第四の重罪を犯すことと言います。

「復次善男子!初行菩薩常行兩舌以心口相違,凡所讀誦大乘經典,求名聞故、為利養故、為得尊重求供養故,作如是心讀誦經典,為他解說受持宣通。若為他說方便隨宜,於他邊聞復向他說:『我今身是大乘之人,自餘非也。』發如是等嫉妬之心,以利養故。或見其餘大乘行者,從他人邊所得財寶四事供養,以是因緣彼等即便生瞋恨心,為彼菩薩處處流布鄙惡名聞,毀辱罵詈誹謗輕賤、稱譽自己。以如是等嫉妬心故,向於他人說上人法:『我得上人。如是上法,我得我知。』以是因緣,是人違於本誓願故,被煩惱降背大乘法。彼等眾生於大乘中犯大重罪,乃至捨身墮於惡道。譬如有人欲採珍寶,詣寶洲邊而不入海,雖復入海在於中路自破船舶,而彼癡人於海水內便取命終。善男子!如是如是。其初行菩薩等發心欲入大乘之海,而彼癡人因嫉妬故毀謗妄語。以是因緣,彼等癡人破信行船,破信行已滅智命根。善男子!其初行菩薩如是愚癡無智少聞,以嫉妬因緣,妄語毀他遂犯大罪。善男子!是名初發心菩薩第五犯大重罪。

さらに、善き男子よ。初心の菩薩は常に二枚舌を用い、心と言葉が一致せず、大乗の経典を読誦するのは、名声を求めるため、利養を得るため、尊重や供養を求めるためである。このような心で経典を読誦し、他人に解釈し、受け持ち、広めようとする。もし他人に説くときは、便宜に合わせて、他人から聞いたことをまた別の人にこう言う:『私は今、大乗の人である。他の者はそうではない』。このような嫉妬の心を起こし、利養のために。あるいは他の大乗の行者が、他人から財宝や四事の供養を得ているのを見て、この因縁で彼らはすぐに瞋恨の心を生じ、その菩薩に対してあちこちで卑しい悪名を広め、侮辱し、罵り、誹謗し、軽蔑し、自分を称賛する。このような嫉妬の心のため、他人に向かって上人法を説く:『私は上人を得た。このような上法を、私は得て、私は知っている』。この因縁で、その人は本来の誓願に背き、煩悩に降伏して大乗の法を捨てる。彼ら衆生は大乗の中で大いなる重罪を犯し、ついには身を捨てて悪道に堕ちる。たとえば、ある人が珍宝を採ろうとして宝洲の岸辺に赴きながら海に入らず、たとえ海に入っても途中で自ら船を破壊し、その愚かな人は海水の中で命を落とす。善き男子よ、まさにそのとおりである。初心の菩薩たちは大乗の海に入ろうと発心するが、その愚かな人は嫉妬のために誹謗し、妄語する。この因縁で、彼ら愚かな人は信の行船を破り、信の行を破った後、智の命根を滅ぼす。善き男子よ、初心の菩薩はこのように愚かで智慧がなく、聞くことが少なく、嫉妬の因縁で、妄語して他人を誹謗し、ついに大罪を犯す。善き男子よ、これを初心発心の菩薩の第五の大いなる重罪という。

「復次善男子!有當來世初行菩薩或復俗人出家人等,所有甚深空相法門微妙經典,以諸陀羅尼諸地諸忍,以種種行等而莊嚴之。為諸大智諸菩薩等作於勤求苦行境界。於大乘經,或讀或誦、或解說宣揚、為他敷演分別廣宣,而語他言:『我自然解如是經典、自然證知、自然明了,唯我一人為汝等故慈悲演說。汝從我聞已,如是思惟、如是讀誦、如是甚深法中自然曉了。汝以是因緣當得知見如我今者。』而不肯言:『我讀我誦如是甚深微妙經典,為汝說也。』如是之人,從其四輩求利養故自賣其身。以是因緣,一切三世多陀阿伽度、阿羅訶、三藐三佛陀,及大菩薩摩訶薩、一切諸聖富伽羅所,彼諸癡人得波羅夷罪,犯彼大重,虛妄誑惑一切天人。如是癡人亦復無有大乘之分,況入大乘耶、況得勝處、況復當得成就阿耨多羅三藐三菩提耶?譬如有人欲行遠路,至於曠野以飢渴所逼,忽值果林便入彼處,求食因緣欲活命故。而彼之人忽遇大樹,花果充足香美成就,遇已得味。得是味已更上毒樹而服毒果,服已命終。善男子!如是如是愚癡人輩,今已獲得人身、值善知識,依倚知識入於大乘。彼等眾生求利養故,好自稱譽毀謗他人,得如是等犯大重罪。犯重罪已,為諸智人之所輕慢,當墮惡道。以是因緣,一切剎利、婆羅門、毘舍、首陀不得親近。若有諸人親近彼者,如是人輩即違一切大智聖人,成大過罪。善男子!是名初行菩薩犯於第六大重罪耶。

さらに、善き男子よ、未来の世において、初めて修行を始める菩薩や、在家の人々、出家の人々などが、深遠なる空の相を説く法門や微妙なる経典を、さまざまな陀羅尼や境地、忍辱、そして種々の行いをもって飾り立てることがある。それは、大いなる智慧を持つ菩薩たちに対して、苦行の境地を求めるように仕向けるためである。彼らは大乗経典を読み、誦し、解説し、広め、他人のために詳しく説き明かしながら、こう言うのだ。『私は自然にこのような経典を理解し、自然に証知し、自然に明らかにした。ただ私一人が、あなたがたのために慈悲をもって説いているのだ。あなたがたは私から聞いた後、このように思惟し、このように読誦し、このように深遠な法を自然に理解しなさい。あなたがたはこの因縁によって、今の私と同じ知見を得ることができるだろう』と。しかし、彼らは決して『私は読み、誦し、このような深遠で微妙な経典を、あなたがたのために説いているのだ』とは言わない。このような人々は、四衆から利養を求めるために、自らの身を売るのである。この因縁によって、一切の三世にわたる多陀阿伽度(如来)、阿羅訶(応供)、三藐三佛陀(正等覚者)、および大菩薩摩訶薩、すべての聖なる富伽羅(修行者)のもとで、その愚かな人々は波羅夷罪を得て、重い罪を犯し、一切の天と人を虚偽で欺くのである。このような愚かな人々には、大乗の分け前さえなく、ましてや大乗に入ること、勝れた境地を得ること、ましてや阿耨多羅三藐三菩提(無上正等覚)を成就することなどありえない。たとえば、遠い道を行こうとして荒野に至り、飢えと渇きに迫られた人が、突然果樹林に遭遇し、そこに入って、命をつなぐために食べ物を求めるようなものである。その人が突然、花や果実が豊かで香り高く熟れた大樹に出会い、その味を得たとする。その味を得た後、さらに毒の木に登って毒の実を食べ、食べたために命を落とすのである。善き男子よ、まさにこのように、愚かな人々は今、人身を得て善知識に値い、知識に依って大乗に入っている。それらの衆生は利養を求めるために、自分を褒め称えて他人を誹謗し、このような重い罪を犯すのである。重い罪を犯した後、彼らは智慧ある人々から軽蔑され、悪道に堕ちるであろう。この因縁によって、一切の刹帝利、婆羅門、毘舎、首陀羅も彼らに近づいてはならない。もし誰かが彼らに近づくならば、そのような人々は一切の大智聖人に背き、大いなる過ちを犯すことになる。善き男子よ、これを初行の菩薩が犯す第六の大重罪というのである。

「復次善男子!當來之世或有剎利諸國王等,為諸惡行婆羅門國師、惡行大臣、惡行醫師等,實是愚癡謂己大智有大才能,多受封祿。而彼人等修諸施行造眾福業。彼諸人輩因少布施修行義故,憍慢放逸謂己有道,勸剎利王共我弟子諸沙門等互相諍競更相破壞,或勸沙門共剎利王更相鬪諍。彼惡人輩依剎利王,與比丘罪或稅財物。彼諸比丘以剎利王、諸大臣等逼迫因緣故,或輸己物、或輸僧物、或輸招提僧物,以是諸物輸稅供官與彼惡人,而彼惡人從諸比丘取是諸物奉剎利王。彼等二人悉皆犯於大重罪耶。彼諸剎利及惡人等,共諸比丘互相鬪諍。以是因緣,捨彼正法建立非法,取彼非法遠離正法,捨依大乘所說經典、毘尼戒律、憂波提舍、摩訶憂波提舍,遠離慈悲、般若波羅蜜、善巧方便及餘經典戒律之行,如來所說莫不棄捨。為欲擾亂諸比丘故,虛心橫遘違佛戒律自造法制,造法制已擾亂比丘,令諸比丘皆悉遠離奢摩他觀正行正念,乃至使於禪定之者皆生忿恚擾亂之心常恒鬪諍。以是因緣,令諸比丘生諸煩惱不得寂定。

また、善男子よ、未来の世において、あるいは剎利(王族)や諸国の王たちの中に、悪行をなすバラモン(国師)、悪行をなす大臣、悪行をなす医師などがいるだろう。彼らは実は愚かでありながら、自分は大いなる智慧と大きな才能があると思い込み、多くの封禄を受けている。そして、そのような人々は、様々な布施行を修め、多くの福業を造る。彼らはわずかな布施と修行の功徳によって、傲慢になり、放逸に陥り、自分には道があると思い込んで、剎利王に勧めて、私の弟子である諸沙門たちと互いに争い、互いに破壊し合うようにさせたり、あるいは沙門に勧めて剎利王と争い合うようにさせる。その悪人たちは剎利王に依り、比丘に罪を着せたり、財物を徴収したりする。諸比丘たちは、剎利王や諸大臣たちの逼迫する因縁によって、あるいは自分の物を、あるいは僧の物を、あるいは招提僧(寺院)の物を、これらの物を税として供出し、官に渡し、その悪人たちに与える。そして、その悪人たちは諸比丘からこれらの物を取り上げ、剎利王に奉る。その二人は皆、大いなる重罪を犯すのである。その諸剎利や悪人たちは、諸比丘と互いに争い合う。この因縁によって、彼らは正法を捨て、非法を立て、その非法を取り入れ、正法から遠ざかり、大乗の教えに基づく経典、毘尼(戒律)、憂波提舎(論議)、摩訶憂波提舎(大論議)を捨て去り、慈悲、般若波羅蜜、善巧方便、およびその他の経典や戒律の行いを遠ざけ、如来の説かれた教えをことごとく捨て去る。諸比丘を乱すために、虚偽の心で横暴に仏の戒律に背き、自分勝手な法制を造り、法制を造った後、比丘を乱し、諸比丘をしてすべて奢摩他(止)の観察、正しい行い、正しい念から遠ざけさせ、ついには禅定を修める者たちまでもが忿怒と乱れの心を生じ、常に争い合うようにさせる。この因縁によって、諸比丘に様々な煩悩を生じさせ、寂静を得ることができなくなるのである。

「爾時彼等諸比丘輩失正信法、失善比丘威儀法式,令墮諸見。以是因緣,令諸比丘皆悉懈怠多事世念不能持戒,破戒捨戒不復能依沙門法則,口言:『我是沙門比丘。』雖復唱言:『我是梵行。』舉動聲氣猶如貝聲,不依正法而說於法。如是之等諸比丘輩及諸眷屬,於剎利王所并諸臣民,以輸物故增倍供養。如是等輩諸惡比丘,於俗人前說諸有德阿蘭若等空閑比丘不善之事,令彼剎利諸惡臣等并諸眷屬遂於精進持戒比丘生不善心誹謗之心,於精進比丘所有資財皆悉奪取,奪已轉施誦經比丘。彼等二人悉犯重罪。何以故?其禪定比丘真實福田。如是觀已應令修業,不令彼等知彼僧務。而禪定比丘,當得三昧諸陀羅尼諸忍地等、當作法器,真是福田、真實福器,為世間眼,為彼世間作大光明顯示善路,為建業地於煩惱田,教彼眾生皆令得度,度已建立涅槃之道。善男子!是名初行菩薩有八種重罪而不用功捨離二處。彼初行菩薩犯大重罪因緣力故,所有往昔作諸善根皆悉忘失,忘失已後墮於惡道。違於本誓,被煩惱降失天人樂,虛妄迷惑失菩提心。善男子!為如是等諸善男子故,此虛空孕菩薩生彼國中,為彼眾生示現身相、或作比丘身威儀庠序、或作婆羅門身顯現威儀具足成就,乃至應以畜生而得化者即現畜生威儀之相,略說乃至如首楞嚴三昧所說。當知是處亦復如是,巧知根機種種心器隨應現身,於彼眾生隨順說法,教彼種種未曾有法,於一切智之所宣說微妙經典諸陀羅尼諸忍地等普為顯現,令彼諸惡犯重罪者初行菩薩教生慚愧,令其怖懼悔沒之心懺彼重罪,遠離棄捨永不敢作。

その時、彼らの比丘たちは正しい信仰の法を失い、善き比丘の威儀ある作法を失い、様々な邪見に陥りました。この因縁によって、比丘たちは皆、怠惰になり、世俗の思いに心を奪われ、戒律を保つことができず、戒を破り捨てて、もはや沙門の法則に従うことができませんでした。口では「私は沙門の比丘である」と言い、また「私は清らかな行いをしている」と唱えながらも、その振る舞いや声の調子は貝の音のようで、正しい法に依らずに法を説いていました。

このような比丘たちとその眷属は、国王や臣民たちから、供物を献上させることで倍増の供養を受けていました。このような悪しき比丘たちは、在家の者たちの前で、徳のある阿蘭若(森林での修行)などの閑静な場所で修行する比丘たちの悪口を言い、国王や悪臣たち、そしてその眷属たちに、精進して戒律を守る比丘たちに対して不善の心や誹謗の心を起こさせました。そして、精進する比丘たちの所有する資財をすべて奪い取り、奪ったものを経典を誦える比丘たちに与えました。この二人はともに重い罪を犯したのです。なぜなら、禅定に励む比丘こそが真実の福田(功徳を生む田)だからです。このように観察したならば、彼らに修行をさせ、僧の務めを知らせてはなりません。

禅定に励む比丘は、三昧(深い瞑想)や諸々の陀羅尼(真言)、諸忍地(忍耐の境地)などを得て、法を伝える器となり、真実の福田、真実の福の器となります。彼らは世間の眼となり、世間に大きな光明を示し、善き道を教え、煩悩の田に業を築き、衆生を皆、彼岸に渡らせ、渡した後に涅槃の道を確立させるのです。

善男子よ、これが初発心の菩薩が犯す八種の重罪であり、二つの場所(正しい道と邪な道)から離れようと努力しないことです。その初発心の菩薩は、重罪を犯す因縁の力によって、過去に積んだすべての善根を忘れ失い、忘れ失った後、悪道に堕ちます。本来の誓いに背き、煩悩に打ち負かされて天人の楽しみを失い、虚妄に迷い、菩提心を失うのです。

善男子よ、このような善男子たちのために、この虚空蔵菩薩はその国に生まれ、その衆生のために身相を示現します。ある時は威儀正しい比丘の姿を、ある時は威儀を具足したバラモンの姿を現し、さらには畜生の姿で教化すべき者には畜生の威儀ある相を現します。要するに、首楞厳三昧で説かれるように、あらゆる機根や心の器を知り、それに応じて姿を現し、その衆生に従って法を説き、これまでになかった様々な法を教え、一切智(仏の智慧)によって説かれる微妙な経典や諸々の陀羅尼、諸忍地などを広く示現するのです。

そして、重罪を犯した悪しき者たちや初発心の菩薩たちに、慚愧の心を起こさせ、恐れと悔いの心を持たせ、その重罪を懺悔させ、遠く離れ捨てて、二度と行わないようにさせるのです。

「善男子!彼等眾生以犯重罪恐怖因緣,聞是虛空孕菩薩名號,欲自見身者,畏墮惡道悔彼罪故,是諸眾生應當頂禮虛空孕菩薩摩訶薩足,復應至心稱其名號。時彼虛空孕菩薩摩訶薩,隨其根業以菩薩身相即在現前,應以比丘身得度者,即現比丘身相;應以婆羅門身度者,即現婆羅門身相;應以童男童女身度者,即現童男童女身相。觀彼初行菩薩如所犯重即現如是。如是方便教令懺悔,於甚深法無上乘中顯示善巧方便之行,若正地若非正地、若諸三昧、若諸陀羅尼、若諸忍中示現教行,乃至次第教令建立八正道處。以虛空孕菩薩力故,彼等眾生得脫一切諸惡道苦,脫惡道已建立置於不退轉地,後得建立,必得阿耨多羅三藐三菩提。善男子!如是如是。彼菩薩等於六波羅蜜行中大力精勤猶如電光,速得成就阿耨多羅三藐三菩提道。

善男子よ、それらの衆生は重い罪を犯した恐怖の因縁により、この虚空蔵菩薩の名号を聞き、自らの身を見たいと願い、悪道に堕ちることを畏れ、その罪を悔いるがゆえに、これらの衆生は虚空蔵菩薩摩訶薩の足を礼拝し、また心を込めてその名号を称えるべきです。

その時、虚空蔵菩薩摩訶薩は、彼らの根機と業に応じて、菩薩の身相をもって現前に現れます。比丘の身で救われるべき者には、比丘の身相を現じ、バラモンの身で救われるべき者には、バラモンの身相を現じ、童男童女の身で救われるべき者には、童男童女の身相を現じます。初発心の菩薩が犯した重罪に応じて、そのように現れるのです。

このように巧みな方便をもって懺悔を教え、甚深の法である無上乗の中に善巧方便の行いを示します。正しい境地であれ、正しくない境地であれ、諸々の三昧であれ、諸々の陀羅尼であれ、諸々の忍であれ、教えと行いを示し、さらに順を追って八正道の境地を確立するよう教え導きます。

虚空蔵菩薩の力によって、それらの衆生はあらゆる悪道の苦しみから解脱し、悪道を脱した後、不退転の地に置かれ、後に必ずや阿耨多羅三藐三菩提を得るに至ります。善男子よ、この通りです。その菩薩たちは六波羅蜜の行いにおいて、稲妻の光のように大いなる力を奮い起こして精進し、速やかに阿耨多羅三藐三菩提の道を成就するのです。

「善男子!若虛空孕菩薩摩訶薩,於犯重罪菩薩前不現身相者,其犯重罪初行菩薩知自罪失故,欲請虛空孕菩薩,於後夜時以香湯洗浴,著淨衣裳,胡跪合掌,向於東面燒沈水香,至心勸請東方黃白阿樓那天子。應作是言:『阿樓那!阿樓那!汝有大慈悲、有大功德。汝初出東方普照閻浮提,以慈悲故願覆護我,為我速疾勸請虛空孕菩薩具大悲者,令彼菩薩特為我故於睡眠中顯示巧便。以巧方便故,教我懺悔所犯重罪,於大聖大乘中速得智眼。』作是語已,彼重罪初行菩薩還入室中寢臥睡息。

善男子よ、もし虚空蔵菩薩摩訶薩が重罪を犯した菩薩の前に姿を現さないならば、その重罪を犯した初心の菩薩は自らの罪の過ちを知るゆえに、虚空蔵菩薩を請いたく思い、夜明け前に香湯で沐浴し、清らかな衣をまとい、胡跪して合掌し、東の方角に向かって沈水香を焚き、心を込めて東方の黄白の阿楼那天子に祈りを捧げるのです。次のように唱えるべきです:

『阿楼那よ、阿楼那よ、あなたは大いなる慈悲と大いなる功徳をお持ちです。あなたは東方より昇り、閻浮提を普く照らし、慈悲のゆえに私を覆い護ってください。どうか速やかに大悲を具えた虚空蔵菩薩を勧請し、その菩薩に私のために特に夢の中に巧みな方便を示していただけるよう、お願いします。その巧みな方便によって、私が犯した重罪を懺悔することを教え導き、大聖なる大乗の教えの中で速やかに智慧の眼を得ることができますように。』

この言葉を唱え終えたならば、その重罪を犯した初心の菩薩は部屋に戻り、寝床に就いて眠りにつくのです。

「爾時東方黃白阿樓那閻浮提顯現之時,彼虛空孕菩薩即隨後來作菩薩身,在彼初行菩薩目前,於睡夢中現巧方便,教犯罪者懺悔惡業,於初行菩薩前作如是等方便知見。作是方便已,其初行菩薩即時得一三昧,名不忘失菩提,於大乘中得決定住不可退動,速得成就六波羅蜜,不久當證阿耨多羅三藐三菩提。

その時、東方に黄白の阿楼那閻浮提が現れたとき、虚空蔵菩薩はすぐに後から菩薩の姿で現れ、あの初心の菩薩の目の前に立ち、眠りの夢の中で巧みな方便を示し、罪を犯した者に悪業を懺悔することを教え、初心の菩薩の前でこのような方便の知見を現した。この方便を示した後、その初心の菩薩はすぐに一つの三昧を得た。それは「菩提を忘れず失わない」という名の三昧であり、大乗において確固たる境地に住し、退転することなく、速やかに六波羅蜜を成就し、まもなく阿耨多羅三藐三菩提を証得することとなった。

「善男子!此虛空孕菩薩,最大勤勞辦最勝事,成就勝妙如意摩尼微妙寶珠,貫在其頂奇特顯現。善男子!此虛空孕菩薩,有如是等無量無邊不可思議功德之聚。

善きかな男子よ。この虚空蔵菩薩は、最大の勤労をもって最も勝れた事を成し遂げ、勝妙なる如意摩尼の微妙な宝珠を成就し、その頂に貫き、奇特に顕現している。善きかな男子よ。この虚空蔵菩薩には、このような無量無辺不可思議の功徳の集まりがあるのです。

「復次善男子!若有眾生聞是虛空孕菩薩名者,或作形像以種種供具供是菩薩,尊重恭敬禮拜讚歎,以種種香花花鬘塗香末香燒香、以種種幡蓋寶幢供養於彼。供養是已,復更供養尊重恭敬,將自身命付彼菩薩。彼等眾生以是菩薩威神力故,火不能燒、水不能、溺杖不能傷、一切國土所不能害,於一切處人與非人畢竟不能奪其精氣,唯除命盡。設有重病不得久停,不為飢逼而取命終,不為縣官橫所觸嬈,不犯重罪。乃至命盡之時,眼不覩色、耳不聞聲、鼻不聞香、舌不得味、身不得觸,唯有微細氣息身中暖氣及微細識猶在未離。當是時間,虛空孕菩薩為彼眾生示現己身。若有眾生在世之時信婆羅門者,是善男子於最後識欲離身時,作婆羅門身於前顯現令生歡欣。若有眾生先事魔王者,後命盡時,是虛空孕菩薩現魔王身。乃至在世事那羅延天者、若大自在天、若帝釋天、若轉輪聖王、若日月天、若提頭賴吒天、若毘樓勒叉天、毘樓博叉天、若毘沙門天,乃至世間種種山神樹神河神泉井之神,如是眾生隨其所有歸依之者,是虛空孕菩薩還作如是如是身相,臨命終時在彼眾前顯現身相,隨彼眾生所有心願皆現與之,於前現身。現彼身已作如是言:

また、善男子よ。もし衆生がこの虚空蔵菩薩の名を聞き、あるいは像を造り、さまざまな供具をもってこの菩薩を供養し、尊重し、恭敬し、礼拝し、讃歎し、さまざまな香花、花鬘、塗香、抹香、焼香、さまざまな幡蓋、宝幢をもって供養するならば。供養を終えた後、さらに供養し、尊重し、恭敬し、自らの身命をその菩薩に託すならば。その衆生は、この菩薩の威神力によって、火は焼くことができず、水は溺れさせず、杖は傷つけず、すべての国土の害から免れ、あらゆる場所で人も非人も、ついにその精気を奪うことができません。ただ寿命が尽きる時を除いて。たとえ重病にかかっても長く苦しむことはなく、飢えによって命を絶たれることもなく、役人によって不当に苦しめられることもなく、重罪を犯すこともありません。寿命が尽きる時になっても、目は色を見ず、耳は声を聞かず、鼻は香を嗅がず、舌は味を知らず、身は触れを感じません。ただ微細な息と身中の温もり、そして微細な識だけがまだ離れずに残っています。その時、虚空蔵菩薩はその衆生のために自らの姿を現します。もし衆生が在世の時にバラモンを信じていたならば、この善男子は最後の識が身を離れようとする時、バラモンの姿を前に現し、歓喜を生じさせます。もし衆生がかつて魔王に仕えていたならば、命が尽きる時、この虚空蔵菩薩は魔王の姿を現します。また、在世の時にナラヤナ天に仕えていた者、あるいは大自在天、帝釈天、転輪聖王、日月天、提頭頼吒天、毘楼勒叉天、毘楼博叉天、毘沙門天、さらには世間のさまざまな山神、樹神、河神、泉井の神など、そのような衆生がそれぞれ帰依していたものに応じて、この虚空蔵菩薩はそのような姿を現し、臨終の時にその衆生の前に姿を現し、その衆生の心願に従ってそれぞれに応じた姿を前に現します。その姿を現した後、このように言います。

「『若人以智慧, 能見四諦者,
是人煩惱中, 即能度彼岸。』

「もし人が智慧によって、四諦を見ることができるならば、 その人は煩悩の中にあっても、すぐに彼岸へ渡ることができます。」

「彼諸眾生以意識知見此法已,得生善處。若有眾生應以佛身化者,即現佛身,在眾生前說如是言:

その人々は、意識を通してこの法を知り見た後、善き処に生まれることができます。もし仏の姿で教化されるべき衆生がいれば、すぐに仏の姿を現し、その人々の前に立ってこのように語るのです。

「『若於佛智底, 能度煩惱海,
即速證智慧, 諸苦得解脫。』

「もし仏の智慧の底に至り、煩悩の海を渡ることができれば、 たちまち智慧を証し、あらゆる苦しみから解き放たれるでしょう。」

「爾時彼諸眾生以念佛故、以聞佛音故,心生歡欣。命終已後,捨五濁世即生淨土,值遇諸佛聽受正法。乃至略說法、僧亦爾。善男子!此虛空孕菩薩,得如是等不可思議功德之法。善男子!若復有人於自心中欲取種種三昧得大自在,彼等眾生於後夜時應從臥起,以香湯澡浴燒沈水香,隨力隨分以種種供具供養虛空孕菩薩,頂禮足下。供養禮拜已,於一切眾生邊當生慈心作如是言:『虛空孕菩薩得大慈悲門、已得智慧,速念我。速念我。願常與我正念三昧方便。』即誦呪曰:

その時、その多くの衆生は、仏を念じるゆえに、仏の音声を聞くゆえに、心に歓喜が生じました。命終わった後、五濁の世を捨てて、ただちに浄土に生まれ、多くの仏に値遇し、正しい法を聴き受けました。さらには、略して説けば、法や僧についても同様です。善男子よ、この虚空蔵菩薩は、このような不可思議な功徳の法を得られたのです。

善男子よ、もしまた、自らの心の中で、さまざまな三昧を得て大いなる自在を得ようと願う人がいるならば、そのような衆生は、夜明け前に床から起き、香湯で沐浴し、沈水香を焚き、力の及ぶ限り、分に応じて、さまざまな供具をもって虚空蔵菩薩を供養し、その足下に礼拝しなさい。

供養と礼拝を終えたならば、すべての衆生に対して慈しみの心を起こし、次のように言いなさい:

「虚空蔵菩薩は、大いなる慈悲の門を得られ、すでに智慧を得られました。どうか速やかに私を念じてください。速やかに私を念じてください。どうか常に私に正念と三昧の方便を与えてください。」

そして、次の呪文を唱えなさい:

「『多地他(一)嚧慕(二)囉那棄(三)博叉尼隸(四)薩慕達囉多隸(五)多那耶那耶(六)摩訶迦流尼迦(七)阿奴波闍婆三勿利帝(八)阿迦羅闍婆三勿利帝(九)拔折囉閻婆三勿利帝(十)胡盧舍三勿利帝(十一)阿那摩三勿利帝(十二)蒱多俱致三勿利帝(十三)莎呵(十四)』
「誦此呪已,彼菩薩威神力故,即得正念入諸三昧門。若復有人欲誦種種經論,或諸佛所說、或聲聞所說。彼人於後夜時,於東方處黃白現時,以香湯澡浴著淨衣裳,東面胡跪燒沈水香,隨力所辦供養頂禮虛空孕菩薩。於一切眾生所生慈悲心,作如是言:『虛空孕菩薩!善男子!已得一切眾生邊不思議慈悲之心,以大智慧念我念我。汝是菩薩最勝富伽羅,與我正念諸勝三昧方便巧妙深大智慧。』即誦呪曰:

この呪を唱え終えたならば、その菩薩の威神力によって、ただちに正しい念いを得て、あらゆる三昧の境地に入ることができます。

もしまた、さまざまな経論を唱えたいと思う人がいるならば、それは仏が説かれたものであれ、あるいは声聞が説かれたものであれ、その人は夜明け前、東の空に黄白色の光が現れる時に、香湯で沐浴し清浄な衣をまとい、東に向かって胡跪し沈水香を焚き、力の及ぶ限り供養し虚空孕菩薩を礼拝します。

すべての衆生に対し慈悲の心を起こし、次のように言います。

「虚空孕菩薩よ、善き男子よ。あなたはすでにすべての衆生の傍らに不思議な慈悲の心を得られ、大いなる智慧をもって私を念じてください。あなたは最も勝れた菩薩であり、私に正しい念いと、優れた三昧の境地へと導く巧みな方便、深遠で大きな智慧を与えてください。」

そして、ただちに呪を唱えます。

「『多地他(一)尼羅涉鞞(二)鉗蒱沙涉鞞(三)耶婆那涉鞞(四)博察薩迷(五)波吒羅闍駛(六)薩他那蘇嚧鞞(七)戶摩戶摩(八)摩呵迦流尼迦(九)莎呵(十)』

「多地他(一)、尼羅涉鞞(二)、鉗蒱沙涉鞞(三)、耶婆那涉鞞(四)、博察薩迷(五)、波吒羅闍駛(六)、薩他那蘇嚧鞞(七)、戸摩戸摩(八)、摩訶迦流尼迦(九)、ソワカ(十)」

「善男子!乃至若有眾生,欲入大海採諸珍寶、或復心欲入於地下阿修羅宮、或復欲得服定年藥、或復被禁牢獄繫閇、或恩愛別離、或有怨憎交會而不能離,若在火難、若在水難、若刀杖難、若蠱毒難,若被呪咀言說、若被師子虎狼之難、若被蟒蛇蝮蝎之難、若被盜賊、或被幻惑之難、或被一切恐怖之難。若有眾生,杻械枷鏁禁繫之難、若被縣官所錄、若被刑流將斷命根、或有長病困篤著床疫病所逼恐怖畏死、若乏衣食臥具湯藥資財之物。彼等眾生,於後夜間黃白出時,香湯澡浴著淨衣裳,頂禮虛空孕菩薩,胡跪合掌以面向東,隨力隨分所辦供具供彼菩薩,為諸眾生發慈悲心,口唱是言:『虛空孕具大慈悲,為諸眾生常作利益。念我念我。以慈悲心願觀我心,願解脫我如前所說之難。』應說偈言:

「善き男子よ、もし衆生が海に入って諸々の珍宝を採りたいと願い、あるいは地下の阿修羅宮に入ろうと心に思い、あるいは定年の薬を得て服用したいと願い、あるいは牢獄に閉じ込められており、あるいは恩愛の別離に遭い、あるいは怨憎の交わりに会って離れられず、もし火難にあい、もし水難にあい、もし刀杖の難にあい、もし蠱毒の難にあい、もし呪詛の言葉に遭い、もし獅子や虎狼の難にあい、もし蟒蛇や蝮蝎の難にあい、もし盗賊に遭い、あるいは幻惑の難にあい、あるいは一切の恐怖の難にあうならば。もし衆生が杻械枷鎖に縛られて禁錮の難にあい、もし官に捕らえられ、もし刑罰を受けて命の根を断たれようとし、あるいは長病に苦しみ床に伏せて疫病に迫られて恐怖し死を畏れ、もし衣食臥具湯薬資財の物に乏しいならば。それらの衆生は、後夜の間に月が昇る時、香湯で沐浴して清浄な衣裳を着け、虚空孕菩薩を虚空に向かって頂礼し、胡跪して合掌し、顔を東に向け、力に応じ分に応じて用意した供具でその菩薩を供養し、諸々の衆生のために慈悲心を起こし、口にこの言葉を唱えるのです:『虚空孕よ、大いなる慈悲を具え、諸々の衆生のために常に利益をなす。我を念じよ、我を念じよ。慈悲の心をもって我が心を観じ、願わくは前に説かれた難を解脱させたまえ。』偈を説くべきです:

「『我之無福相, 願與我功德;
我今貧賤苦, 今應與我願。
虛空孕菩薩, 是我歸依處,
如於此世中, 未來與我樂。』

「我が無き福の相、願わくは我に功徳を与えよ。 我が今貧賤の苦しみ、今こそ我が願いを叶えよ。 虚空蔵菩薩よ、あなたは我が帰依の処、 この世において、未来に我に楽しみを与えたまえ。」

「爾時虛空孕菩薩摩訶薩,聞彼眾生音聲之辭,或復現本菩薩之身,乃至或現童男童女身,在於彼前慰喻彼言:『護諸怖難,所有恐怖皆悉除滅。』乃至略說,有諸貧窮孤露眾生,或無資財活命之者,觀彼心意令滿彼願,乃至所須一切施與。善男子!若有王子欲得灌頂之位、欲得稱職。彼諸王子應當供養彼大菩薩,稱其名號,隨力隨分供養彼虛空孕菩薩。乃至如是等欲得婆羅門位、欲得大富長者位、欲得大居士位、欲學諸伎術、欲證內法、欲得呪術、欲學工巧、欲聞一頌、欲望解脫,彼諸眾生聞是虛空孕名字,於後夜間黃白現時,以香湯洗浴,著淨衣裳,以面向東胡跪合掌,頂禮虛空孕菩薩。歸依彼已,合掌勸請,作如是言:『虛空孕具大慈悲,我既薄福,與我福相,滿我心願。』應當說於如是偈言:

その時、虚空蔵菩薩摩訶薩は、あらゆる衆生の声を聞き、あるいは本来の菩薩の姿を現し、あるいは童男童女の姿となって、彼らの前に現れ、慰め励まして言われた。「すべての恐怖や危難を守り、一切の怖れを取り除こう」と。さらに簡潔に言えば、貧しく孤独な者、生きるための資産のない者たちの心を観察し、彼らの願いを満たし、必要なものすべてを施したのである。善男子よ、もし王子が灌頂の位を得たい、あるいは職位を得たいと願うならば、その王子はこの大菩薩を供養し、その名号を称え、力に応じて虚空蔵菩薩を供養すべきである。同様に、バラモンの位を得たい者、大富長者の位を得たい者、大居士の位を得たい者、さまざまな技芸を学びたい者、内なる法を悟りたい者、呪術を得たい者、工巧を学びたい者、一つの偈を聞きたい者、解脱を望む者――それらすべての衆生は、この虚空蔵の名を聞き、夜明け前の黄白の時分に、香湯で身を清め、清浄な衣をまとい、東に向かって胡跪し、合掌して虚空蔵菩薩に礼拝する。彼に帰依した後、合掌して請願し、次のように言うべきである。「虚空蔵よ、大いなる慈悲をお持ちの方、私は福徳が薄い者です。どうか福徳の相を与え、私の心の願いを満たしてください。」

「『我心所求者, 勿令乏少耳,
願發憐愍心, 慈悲稱我願。』

「私の心が求めるものは、ただ不足しないことだけです。 どうか憐れみの心をお起こしになり、慈悲をもって私の願いをお聞き届けください。」

「爾時虛空孕菩薩,以淨天耳過於人耳,聞彼眾生此音聲已,為彼眾生或現自身在眾生前,觀察眾生心心所行,隨堪可與。如是如是,為彼眾生示現方便。善男子!是虛空孕菩薩,得如是方便功能具足入大智海。此虛空孕菩薩摩訶薩,有如是等不思議事。善男子!若復有人,於四大海水滴滴數之能知多少;此虛空孕菩薩摩訶薩善巧勝智方便教化諸眾生等現作方便不可數知。善男子!假使有人,十方虛空可現不可現處可知邊際多少;此虛空孕菩薩摩訶薩善巧方便教化眾生不可得知邊際之數。為諸眾生作巧方便,變化自身而為顯現,或作佛身而化眾生、或作婆羅門身教化眾生,乃至隨所應現種種身相得受化者,即現彼身而不分別。應以畜生身而受化者,即現畜生。應以地獄身而受化者,即現地獄身。有諸眾生在於現前化身顯現;有諸眾生應以睡夢現身益者,於睡夢中即為現身;有諸眾生臨至命終唯有細識,欲滅眾罪令斷惡道欲將善道,為彼眾生化種種身。是諸眾生生存之日歸依何天,應見彼天即得安樂者,乃至應將善處,即現彼天令其歡欣。善男子!是故此虛空孕菩薩,無人能知教化身數邊際之量。

その時、虚空蔵菩薩は、清らかな天耳をもって人の耳を超え、その衆生の声を聞かれました。そして、衆生の前に自ら姿を現し、彼らの心の動きや思いを観察し、それぞれにふさわしい方法で教え導かれたのです。善男子よ、この虚空蔵菩薩は、そのような巧みな智慧と力をそなえ、広大なる智の海に入られたのです。

この虚空蔵菩薩には、このような計り知れない不思議な働きがあります。善男子よ、たとえ誰かが四大海の水を一滴一滴数えることができたとしても、虚空蔵菩薩が衆生を教え導くために現す巧みな方便の数は、到底数え尽くすことはできません。また、十方の虚空の広がりがどれほどか知ることができたとしても、虚空蔵菩薩が衆生を教化するための方便の広がりは、その限界を知ることができないのです。

衆生のために巧みな方便を施し、自らの姿を変えて現れるのです。仏の姿となって衆生を導くこともあれば、バラモンの姿となって教えを説くこともあります。衆生が教化を受けるにふさわしい姿であれば、それに応じてさまざまな姿を現し、区別なく導かれるのです。畜生の姿で教化すべき衆生には畜生の姿を、地獄の衆生には地獄の姿を現します。

ある衆生には目の前に姿を現し、ある衆生には夢の中で利益を与えるために現れます。また、命終えようとする衆生で、微細な意識だけが残り、罪を滅ぼして悪道を断ち、善道へと導かれるべき者には、さまざまな姿を現して救われるのです。生きている間にどの天に帰依していたか、その天を見て安楽を得るべき衆生には、その天の姿を現して喜びを与え、善き処へと導かれるのです。

善男子よ、このように、虚空蔵菩薩が教化のために現す姿の数やその広がりは、誰にも計り知ることができないのです。

「善男子!是虛空孕菩薩,得如是等不可思議方便勝智功能具足殊妙之法。此虛空孕菩薩摩訶薩,已入諸佛功德之海。善男子!是故虛空孕菩薩摩訶薩,頭戴顯現摩尼應寶。」

善男子よ、この虚空蔵菩薩は、このような計り知れない方便と勝れた智慧の力を備え、優れた妙なる法を具えています。この虚空蔵菩薩摩訶薩は、すでに諸仏の功徳の大海に入りました。善男子よ、だからこそ虚空蔵菩薩摩訶薩は、頭に輝く摩尼宝珠を戴いているのです。

爾時一切大眾在會中者,從佛所聞讚歎虛空孕菩薩已,於虛空孕菩薩即生希有殊特之心,生極尊重恭敬之心,皆悉合掌瞻仰而住,持種種香花、末香塗香、幡蓋寶幢、雜色衣服、雜寶瓔珞、歌誦讚歎種種音樂,供養虛空孕菩薩。

その時、会場に集まったすべての人々は、仏が虚空蔵菩薩を称賛されるのを聞き、虚空蔵菩薩に対して、稀有で特別な心を抱き、極めて尊重し敬う心を起こしました。皆、手を合わせて仰ぎ見ながら立ち、さまざまな香や花、抹香や塗香、幡や蓋、宝幢、色とりどりの衣服、様々な宝の瓔珞、歌や称賛、種々の音楽を持ち寄り、虚空蔵菩薩に供養を捧げました。

時虛空孕菩薩摩訶薩,持前供具供奉世尊。奉世尊已,在世尊前長跪合掌,而白佛言:「世尊!云何於五濁之世,被大黑闇無明所覆諸眾生內能作佛事?」

時に、虚空蔵菩薩摩訶薩は、先の供具を持ち、世尊に奉りました。世尊に奉った後、世尊の前に長跪し、合掌して、仏に申し上げました:「世尊よ、どうして五濁の世において、大いなる暗黒の無明に覆われた諸々の衆生の中で、仏事を行うことができるのでしょうか?」

佛言:「善男子!譬如虛空,不縛不解無見無迷,而虛空體本性清淨。而虛空內因風動現塵霧烟雲,故名虛空為不淨耳。因水雨故離彼塵等諸障礙法,即得顯現日月星宿,便知刻漏、羅婆時節、晝夜長短、半月滿月、年歲度數。如是如是。善男子!如來一切諸法真如隨於虛空,心之本相本性清淨,但諸眾生以客塵煩惱心意成濁。為彼等故,如來以慈悲等法門雨慈悲雨,被煩惱所濁諸眾生輩,即得清淨無有諸垢。而彼眾生心得清淨,即見佛日出現於世。得智光明潤已,於不思議諸佛功德之內自得曉了,建立彼於勝四念處及聖道中,乃至建立十八不共法大慈大悲真實法中,是故有諸阿羅漢、辟支佛等、諸菩薩輩出現於世。

仏は言われた。「善き男子よ、たとえば虚空は、縛られることも解かれることもなく、見られることも迷うこともない。しかも虚空の本体は本来清浄である。しかし虚空の中では、風が動くことによって塵や霧や煙や雲が現れる。それゆえに、虚空は不浄であると言われるのだ。水や雨によって、それらの塵などの障害となるものが離れると、たちまち日や月や星が現れ、刻漏や羅婆の時節、昼夜の長短、半月や満月、年や歳の度数を知ることができる。まさにそのとおりである。善き男子よ、如来の一切の諸法の真如は、虚空に随うがごとく、心の本来の相は本性清浄である。しかし、すべての衆生は客塵の煩悩によって心の意が濁りをなす。彼らのために、如来は慈悲などの法門をもって慈悲の雨を降らせ、煩悩によって濁らされた衆生たちは、たちまち清浄となり、すべての垢を離れる。そして彼ら衆生の心が清浄を得ると、たちまち仏の日が世に現れる。智慧の光明に潤され、思議すべからざる諸仏の功徳の内に自ら明らかに知り、勝れた四念処や聖なる道の中に彼らを確立し、さらには十八不共法や大慈大悲の真実の法の中に確立する。それゆえに、阿羅漢や辟支仏など、諸々の菩薩たちが世に現れるのである。」

「善男子!於汝意云何?虛空之性能住於眼不?」答言:「不也。世尊!」佛言:「眼能住於識不?」答言:「不也。世尊!」佛言:「眼住觸不?」答言:「不也。世尊!」佛言:「眼內因觸所生三種之受,於是之中虛空住不?」答言:「不也。世尊!」佛言:「略說乃至耳鼻舌身,亦復應當作如是觀。

「善男子よ、あなたはどう思いますか。虚空の性質が眼の中に留まることはありますか?」と問うと、答えて言った。「いいえ、世尊よ。」仏は言われた。「眼が識の中に留まることはありますか?」答えて言った。「いいえ、世尊よ。」仏は言われた。「眼が触に留まることはありますか?」答えて言った。「いいえ、世尊よ。」仏は言われた。「眼の内側で触によって生じる三種類の受、その中に虚空が留まることはありますか?」答えて言った。「いいえ、世尊よ。」仏は言われた。「簡潔に言えば、耳、鼻、舌、身についても、同じように観察すべきです。」

「善男子!於汝意云何?意住空界不?」答言:「不也。世尊!」「乃至意中虛空住不?因是法中諸佛如來、應、正遍知出現於世不?」答言:「不也。世尊!」佛言:「善男子!諸眾生等依住虛空不?」答言:「不也。世尊!」佛言:「善男子!於意云何?虛空之性依眾生住不?」佛作是語已,虛空孕菩薩摩訶薩白佛言:「世尊!各各不相倚住,於自境界各不相侵。世尊!一切諸法無有境界,空故無染,一如實際,一如如如,應作是知。世尊!譬如虛空,不可破壞、不可分別、不作分別、不動無礙、無牙無子無果、無名無字、無思無念。如是如是。世尊!一切法相如是知已,菩薩摩訶薩於一切法中得無生忍。」

「善男子よ、あなたはどう思いますか?心は虚空の世界にとどまっているでしょうか?」答えていう、「いいえ、世尊よ!」「さらには、心の中に虚空がとどまっているでしょうか?この法によって諸仏如来、応供、正遍知が世に現れるでしょうか?」答えていう、「いいえ、世尊よ!」仏は言われた、「善男子よ、すべての衆生は虚空に依ってとどまっているでしょうか?」答えていう、「いいえ、世尊よ!」仏は言われた、「善男子よ、あなたはどう思いますか?虚空の本性は衆生に依ってとどまっているでしょうか?」仏がこの言葉を語り終えると、虚空孕菩薩摩訶薩は仏に申し上げた、「世尊よ、それぞれが互いに頼ることなくとどまり、自らの境界において互いに侵すことはありません。世尊よ、一切の諸法には境界がなく、空であるがゆえに染まることもなく、一如の真実のごとく、一如の如如のごとく、このように知るべきです。世尊よ、たとえば虚空は、壊すことができず、分別することができず、分別を起こさず、動かず妨げられず、芽もなく種もなく実もなく、名もなく字もなく、思いもなく念いもありません。そのとおりです。世尊よ、一切の法の相をこのように知ったならば、菩薩摩訶薩は一切の法において無生法忍を得ることができます。」

爾時世尊而說呪曰:

その時、世尊はこの呪を説かれました。

「多地他(一)縛婆何囉闍(二)末奴叉夜(三)祇那闍耶(四)闍那膩莫(五)牟尼呵囉(六)阿那也(七)破羅漂頗(八)伽羅婆膩莫(九)阿儞捺也(十)阿婆舍舍婆(十一)舍那舍莫(十二)那舍哆多(十三)迦羅莫舍莫(十四)吉唎摩妬毘沙莫(十五)支多那也(十六)雞梨奢都(十七)三舒沙膩(十八)莎呵(十九)」
佛言:「善哉善哉!善男子!汝能於如是眼降伏勝師子安庠步水頻申吼陀羅尼,為諸眾生命終之時,最後出息命欲過時,能滅煩惱障業障法障,滅是障已令生清淨剎中。善男子!汝能行無量無邊諸佛世界,為諸眾生起慈悲心,至於村落城邑府省縣官宮殿及諸國土,至是處已,現種種形種種威儀,說大乘經典教化眾生,於剎利惡行乃至沙門惡行所,斷於種種不善之法,安置一切諸善法中。」

仏は言われた。「善きかな、善きかな!善男子よ。あなたはこのような眼降伏勝師子安庠歩水頻申吼陀羅尼において、諸々の衆生が命終の時、最後の出息が尽き、命が過ぎ去らんとする時、煩悩障・業障・法障を滅することができ、これらの障りを滅した後、清浄なる仏国土に生まれさせることができる。善男子よ。あなたは無量無辺の諸仏世界を行き、諸々の衆生のために慈悲心を起こし、村落・城邑・府省・県官・宮殿、および諸々の国土に至ることができる。その地に至ったならば、種々の姿、種々の威儀を現じ、大乗の経典を説いて衆生を教化し、剎利の悪行から沙門の悪行に至るまで、あらゆる種々の不善の法を断ち切り、一切の善き法の中に安置することができる。」

爾時世尊說是法時,於大眾中無量無邊諸天世人得種種三昧陀羅尼諸忍,或復有得十地法中真實智慧。十千人等於無生法中得無生忍。若有眾生執著虛空是有為者,得此燈光明已,有為施根皆悉斷滅,無為施行速現成就。

その時、世尊がこの法を説かれたとき、大衆の中に無量無辺の諸天や世人が、さまざまな三昧や陀羅尼、諸々の忍辱を得、あるいはまた十地の法における真実の智慧を得ました。一万人もの人々が無生の法において無生忍を得ました。もし衆生が虚空を執着して有為のものと見なす者がいたならば、この燈の光明を得て、有為の施根はすべて断滅し、無為の施行が速やかに現れて成就します。

佛說經已,於大眾中,諸比丘等及天、龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦婁羅、緊陀羅、摩睺羅伽、梵釋護世四大天王,聞佛所說此妙經典,一切皆悉歡欣奉行。

仏が経典を説き終えられると、大衆の中にいる比丘たち、そして天、龍、夜叉、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽、梵天、帝釈天、護世の四大天王らは、この妙なる経典を仏から聞き、皆こぞって歓喜し、教えを奉じて行いました。

虛空孕菩薩經卷下

虚空孕菩薩経 巻下


第一

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