善惡因果品第二
善悪因果品 第二
爾時會中有一菩薩摩訶薩,名曰不空王大羂索觀自在菩薩摩訶薩,即從座起,偏袒右肩合掌白佛言:「如是。世尊!今此大眾得聞空鉢大飽滿如意寶珠王法,永厭人閒志樂山林,不受信施欲行佛道。是法微妙,為大方便利益有情,是為行人如意珍寶。然於末世法欲滅時,有情無福信根淺薄,不堪修行諸佛道法。如是有情多造惡,多墮惡趣無有出期,皆因先世大慳貪業。二世障礙,皆是貧窮無福慧業故。唯然世尊!為末世有情行祕密法期佛果者,說福智業如意寶輪。諸佛法輪未曾說是寶部方便,今於此會說是法輪利益有情。」
その時、会座の中に一人の大菩薩がおりました。名を不空王大羂索観自在菩薩摩訶薩といいます。この菩薩が座を立ち、右肩を露わにして合掌し、佛に申し上げました。
「世尊よ、おっしゃる通りでございます。今この大衆は、空鉢大飽満如意宝珠王の法を聞くことができ、人間の煩わしさを永遠に厭い、山林での修行を志し、信者からの施しを受けずに佛道を行じようとしております。この法は実に微妙で、大きな方便として有情を利益し、修行者にとっての如意の宝珠でございます。
しかしながら、末世となり法が滅ぼうとする時、有情には福徳がなく、信の根は浅く弱く、諸佛の道法を修行するに堪えません。そのような有情は多くの悪を造り、悪趣に堕ちて出る時がありません。これらは全て、前世における大きな慳貪の業によるものです。二世の障礙は、すべて貧窮で福も慧もない業のゆえでございます。
どうか世尊よ、末世の有情のため、祕密の法を修行して佛果を期する者のために、福智の業を成就する如意宝輪の法をお説きください。諸佛の法輪は、かつてこの宝部の方便を説かれたことはありません。今この会座において、この法輪を説いて有情を利益してくださいませ。」
爾時佛告觀自在不空王菩薩言:「善哉善哉!觀自在!汝等自從無始以來,於大劫中修習大慈大悲三昧,即得普現色身三昧如意寶珠王身。今為此問,請說大慈法要。汝等諦聽,善思念之,我今為汝說貧福業因果之事。若諸有情雖有智性而無福報,是故作罪墮諸惡道,是人多生大慳貪心修行般若,故今世得智、無福貧窮。若諸有情雖有福德而無智慧,是人先世廣作布施、不修禪定,故今世有福而無智慧。如是業報種種不同,是則定業難改,因果決定故是故難轉,諸佛有異方便祕密妙術,能轉有情定業報力得福長壽,一切吉祥大悉地法決定成就。汝等且得須臾之頃,有一大龍王主名曰能辦一切有情所求願樂。去此不遠有一大池,清淨無垢無有惡鳥,四岸即是四寶所成,金銀瑠璃、車𤦲、頗梨真珠等無量莊嚴所所遍布。於其中有一大龍王坐於五柱銅寶宮殿,名曰無熱惱龍王,能辦諸業,位居第八地不動三昧,能有慈悲為一切有情,常有甘露智慧法水長養五穀生長萬物,因是人法無有缺減。我今行至般若水池大龍王宮,欲說如意寶珠大菩薩法。汝等大眾暫時可持,其時必有證。」
そのとき、仏は観自在・不空王菩薩に告げられた。「善きかな、善きかな、観自在よ。汝らは無始の昔より、長き劫のあいだ大慈大悲の三昧を修めてきた。それゆえに、普現色身三昧という如意宝珠王の身を得たのである。今、この問いをもって大慈の法の要を請うたのは、まことに優れている。汝ら、よく聞き、よく思惟しなさい。今、汝らのために貧福と業の因果について説こう。
もしも、智慧はあっても福報のない者があるならば、その人は罪を作って悪道に堕ちる。このような人は、多くの生において、強い慳貪の心をもって般若を修行してきた。それゆえ、今の世に智慧を得たが、福がなく貧しいのである。
また、福徳はあっても智慧のない者があるならば、その人は先の世において広く布施を行ったが、禅定を修めなかった。それゆえ、今の世に福はあるが智慧がないのである。
このように、業の報いは様々に異なる。これは定まった業は変えがたく、因果が決定しているからである。それゆえに転じがたい。しかし、諸仏には特別な方便、秘密の妙術があり、衆生の定まった業の報いを転じて、福を得、長寿を得させることができる。あらゆる吉祥の大成就の法は、必ず成し遂げられるのである。
汝らよ、しばしのあいだ待つがよい。ここから遠くないところに、能辦一切有情所求願樂という名の大竜王がいる。そこには大きな池があり、清らかで汚れがなく、悪しき鳥もいない。池の四岸は四宝でできている。金、銀、瑠璃、車𤦲、頗梨、真珠など、無量の荘厳が遍く広がっている。
その中に、一柱の大竜王が五柱の銅宝の宮殿に座しておられる。名を無熱悩竜王という。あらゆる業を成し遂げ、第八地の不動三昧に住し、慈悲をもって一切の衆生のために、常に甘露の智慧の法水をもって五穀を育て、万物を生長させている。それゆえに、人々の法に欠けるところがないのである。
私は今、般若の水池の大竜王の宮殿に赴き、如意宝珠の大菩薩の法を説こうとしている。汝ら大衆は、しばらくこの地に留まりなさい。その時、必ず証が得られるであろう。」
爾時如意輪觀自在大菩薩等大法王子、金剛手等大灌頂位大菩薩摩訶薩眾,一切眾會默然待時。
その時、如意輪観自在大菩薩や金剛手をはじめとする大灌頂位の大菩薩たち、そして一切の衆会は、静かに時を待っていた。