阿闍梨成佛品第六
第六品 阿闍梨の成仏
爾時釋迦牟尼佛入一切佛發心覺悟法界平等性者修行菩提大涅槃常住金剛三昧,說有情決定成佛真言曰:
その時、釈迦牟尼仏は、すべての仏の菩提心が発起される、法界の平等性を覚る修行による大いなる涅槃の常住という金剛三昧に入り、生きとし生けるものが必ず成仏するという真言を説かれた。すなわち、
「唵阿鑁覽坎佉摩尼鉢頭迷吽
「オン ア マン ラン カン キャ マニ ハンドメイ ウン」
「若諸有情,若誦一遍,當得度脫生死大海,到彼大涅槃岸,一切有情成滿三種悉地,一切異願一切善願一時成就。是故汝等應當一心修行此法,得最勝無上悉地。今開祕密無上寶庫與諸修行真言法者,即是無上甚深祕法極祕中極祕。今正說之。」
もし、いかなる生きとし生けるものであっても、この経文を一度でも唱えるならば、迷いの生死の大海を渡り切り、大いなる涅槃の岸に至ることができるでしょう。すべての生きとし生けるものは、三種の成就を満たし、あらゆる願い、あらゆる善い願いが、一度に叶うのです。ですから、あなたがたは心を一つにこの修行を行い、最上の優れた成就を得なさい。今、ここに秘密の無上の宝庫を開き、真言の修行を行う者たちに授けましょう。これは、この上なく深い秘密の法であり、秘密の中の極みです。今、まさにこれを説き明かします。
佛說此真言已,應時即為遍照如來頂戴金剛五佛寶冠,重說即身成佛大海印,亦名三昧耶印。「若諸佛子欲得即身成佛,當修此觀,能使凡夫父母所生身即成佛身。即向本尊如意寶珠王結法界塔婆印,謂二手虛心合掌,八指為寶形,即成密印。觀阿字門,一切智慧廣大清淨門,隨字身量內外廣博同等虛空無分別心,黃白二色光明徹照地輪妙體,離諸境界意生作業攝持有情,安住心王同虛空相,成就一切上品悉地。縛(無可切)字門,入內心為曼陀羅,加持自身大日雪色徹妙水輪,加持自身離諸垢過門。囉(彈舌呼)字門,自體清淨無垢門。迦(爾羅切)字門,因業離遍一切法,遠離諸垢度生死門。欠字門,大空無生加持自體安住法界,無有戲論門、無二行相門。於閑靜處,縱廣四肘淨治其地,如護摩標式。四門中圓三十二葉七寶蓮華臺上,安置如意寶珠王菩薩,放光照耀。六道有情遇斯光者,捨是身後證得不壞金剛三昧,安住覺王普賢聖位,一切如來、十六大菩薩摩頂授記。金剛界遍照如來常伸右手摩頂授記,受佛寶冠,壽命一劫,不捨於身得見彌勒如來。壽終之後,即得往生無量壽佛極樂國土。」
仏がこの真言をお説きになると、その時すぐに遍照如来(へんじょうにょらい)は金剛五仏の宝冠を頭にいただき、改めて即身成仏の大海印、すなわち三昧耶印(さんまやいん)をお説きになりました。
「もし仏弟子たちが即身成仏を願うなら、この観法を修めるべきです。そうすれば、凡夫が父母から生まれたこの身のまま、仏の身になることができます。本尊である如意宝珠王(にょいほうしゅおう)に向かって法界塔婆印(ほうかいたいばいん)を結びます。両手を虚心に合わせ、八本の指で宝の形を作るのが、この密印です。
阿(あ)字の門を観じます。これはすべての智慧の広大で清浄な門です。字の大きさにしたがって、身の内も外も広く平等で、虚空のように区別する心がありません。黄と白の二色の光明が地輪の妙なる本体を照らしわたります。すべての境界を離れ、意から生じる働きが有情を摂め保ち、心王(しんのう)は虚空の姿と一つになって安住し、すべての上品な成就を得ます。
縛(ばく)字の門は、内心に入って曼陀羅(まんだら)となり、自身を大日(だいにち)の雪のような色の妙なる水輪で加持し、すべての汚れと過ちを離れる門です。
囉(ら)字の門は、自らが清浄で汚れのない門です。
迦(か)字の門は、業の因を離れてすべての法に遍じ、もろもろの汚れを遠ざけて生死を度る門です。
欠(けん)字の門は、大空の無生が自らの体を加持して法界に安住させる、戯論(けろん)のない門、二つの行相のない門です。
静かな場所で、縦横四肘(よじょう)の地面をきれいに整えます。護摩のしきたりのようにします。四つの門の中の円い三十二葉の七宝蓮華の台の上に、如意宝珠王菩薩を安置すると、光を放って照らしだします。六道の生きとし生けるものたちは、この光に遇った者は、この身を捨てた後に、壊れることのない金剛三昧を証得し、覚王普賢(かくおうふげん)の聖位に安住し、すべての如来と十六大菩薩が頭をなでて授記(じゅき)されます。金剛界遍照如来は常に右手を伸ばして頭をなで授記し、仏の宝冠を受け、寿命は一劫で、この身を捨てずに弥勒如来(みろくにょらい)にお会いできます。寿命が終わった後は、ただちに無量寿仏(むりょうじゅぶつ)の極楽国土に往生することができます。」