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  1. 不空羂索神変真言経 (不空羂索神變真言經)
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不空羂索神変真言経 (不空羂索神變真言經)

「不空羂索神變真言經」について

唐 · 底本の訳者:菩提流志

23.8 万字 · 約 793 分

不空羂索神変真言経は、唐代に菩提流志によって翻訳された重要な仏教密教経典です。この経典は、インド大乗仏教後期に成立し、観世音菩薩の化身である不空羂索を主尊とし、その神通変化の功徳、真言呪文、および修行の儀軌を詳述しています。経典では、真言を唱え、観想を行うことで、現世と出世間の利益を得られると強調されています。この経典は、唐密が隆盛した時代の信仰の形態を反映しており、体系が完備され実践性に富んでいます。密教における観音法門と真言宗の教義を研究する上で重要な文献であり、漢伝密教において高い地位を占めています。


不空羂索神變真言經卷第一

不空羂索神変真言経 巻第一

大唐天竺三藏菩提流志譯

大唐天竺三蔵菩提流志訳

母陀羅尼真言序品第一

母陀羅尼真言 序品 第一

如是我聞:

このように私は聞いた。

一時薄伽梵住補陀洛山觀世音菩薩摩訶薩大宮殿中。其殿純以無量大寶上妙珍奇間雜成飾,眾寶交徹出大光焰。半月滿月寶鐸金鈴,寶珠瓔珞處處懸列,微風吹動皆演法音。寶蓋幢幡奇花雜拂,真珠網縵種種彌布,而為莊嚴。繞殿多有寶樓寶閣、雜沓寶帳。諸寶樹花重重行列,所謂寶娑羅樹花、寶多羅樹花、寶多摩羅樹華、寶瞻蔔迦樹花、寶阿戍迦樹花、寶阿底穆多迦樹花,及餘無量億千萬種諸寶香樹,氣交芬馥圍繞莊嚴。復有無量寶池泉沼,八功德水彌滿其中。香花軟草處處皆有,眾華映飾甚可愛樂。其山多有種種異類一切禽獸,形貌姝妙皆具慈心,出眾妙聲和鳴游樂。一切菩薩真言明仙,三十三天共所娛樂。如來所居,與大苾芻眾八千人俱,皆阿羅漢,住於大智究盡明了,踰於世間名稱高遠,有大神通自在無礙,頂禮佛足右繞三匝會座而坐。

ある時、尊き仏陀は補陀洛山にある観世音菩薩の大宮殿にお住まいになられました。その宮殿は、無量の大宝と上妙な珍奇なもので彩られ、互いに照らし合って大いなる光の炎を放っていました。半月や満月の形をした宝の鈴、金の鈴、宝珠の瓔珞が至る所に懸けられ、そよ風に揺られては法の音を奏でます。宝の蓋や幢幡、珍しい花々が交わり、真珠の網や種々の飾りが一面に広がり、荘厳を極めていました。

宮殿の周りには多くの宝の楼閣や宝の帳が立ち並び、様々な宝の樹木が幾重にも並んでいました。宝の沙羅樹の花、宝の多羅樹の花、宝の多摩羅樹の花、宝の瞻蔔迦樹の花、宝の阿戍迦樹の花、宝の阿底穆多迦樹の花、そしてその他無量億千万種の宝の香樹が、香りを交わし合い、周りを荘厳していました。また、無量の宝の池や泉があり、八功徳の水が満ち溢れています。香り高い花と柔らかな草が至る所にあり、多くの花々が映え、とても愛らしく楽しい光景です。

この山には様々な種類のあらゆる鳥獣がおり、その姿形は美しく、皆慈しみの心を持ち、優れた声を出して和やかに鳴き、遊び楽しんでいます。すべての菩薩や真言明仙、三十三天の神々も共に楽しみ遊んでいます。

如来のおられる所には、八千人の大比丘の衆が共にいて、皆阿羅漢であり、大いなる智慧に住み、完全に明らかに悟り、世間の名声を超えて高遠であり、大いなる神通力を持ち、自在無碍です。彼らは仏陀の足を頂礼し、右に三度巡ってから座に着きました。

復與九十九億俱胝那庾多百千大菩薩俱,悉已梵行清白,洞達無量無邊陀羅尼真言三摩地門,亦具一切甚深妙智。此諸菩薩各備無量殊勝功德,設於億劫讚不能盡,禮佛雙足右繞三匝會座而坐。

また、九十九億倶胝那由他百千の大菩薩たちと共にありました。すべての菩薩は清らかな修行を成し遂げ、無量無辺の陀羅尼や真言、三摩地の門を深く悟り、あらゆる深遠な智慧をそなえていました。これらの菩薩たちはそれぞれ、はかりしれないすぐれた功徳を備えており、たとえ億劫の間たたえても尽くすことはできません。彼らは仏の両足に礼拝し、右に三度まわってから、集会の座につきました。

復有無量百千淨居天王、伊首羅天王、摩醯首羅天王、大梵天王、帝釋天王——皆發弘願深樂大乘,紹護佛法使不斷絕——各持寶幢幡蓋寶珠瓔珞奇妙天華,俱詣佛所禮佛雙足,右繞三匝大作供養,一時歌讚會座而坐。復有無量摩訶大持真言明仙、苦行仙眾、焰摩王、水天、風天、火天、日天、月天、星天、二十八宿主星神天、持真言明女仙,并餘天眾——皆以深心誓發弘願,咸共恭敬護持大乘——俱詣佛所禮佛雙足,右繞三匝目觀如來,喜愉皆寂,會座而坐。

また、無量の浄居天王(じょうごてんのう)、伊首羅天王(いしゅらてんのう)、摩醯首羅天王(まけいしゅらてんのう)、大梵天王(だいぼんてんのう)、帝釈天王(たいしゃくてんのう)がおられました。 皆、大きな誓いを立て、大乗(だいじょう)を深く愛好し、仏法を受け継ぎ守り、それを絶やさないようにしていました。 それぞれが宝の幢(はた)、幡(ばん)、蓋(がい)、宝珠、瓔珞(ようらく)、そして見事な天の花を持って、皆そろって仏の元へ参り、仏の両足に礼拝しました。 そして右に三度回り、盛大に供養を行い、声を揃えて歌と賛嘆を捧げてから、座につきました。

さらに、無量の摩訶大持真言明仙(まかだいじしんごんみょうせん)、苦行仙人の集い、焔摩王(えんまおう)、水天、風天、火天、日天、月天、星天、二十八宿の主星神天、持真言明女仙(じしんごんみょうにょせん)、そしてその他の天の集いがおられました。 皆、深い心で誓いを立て、共に敬い、大乗を守り支えていました。 皆そろって仏の元へ参り、仏の両足に礼拝し、右に三度回り、如来をまじかに拝見しました。 喜びと静けさの中にあり、そのまま座につきました。

復有無量諸大龍神、藥叉、羅剎、乾闥媻、阿素洛、蘖魯荼、緊那羅、摩呼羅伽——發弘誓願歌讚大乘,咸共守護無上陀羅尼真言之門——俱詣佛所禮佛雙足,右繞三匝瞻仰如來,目不異顧,會座而坐。

また、無量の大龍神、夜叉、羅刹、乾闥婆、阿修羅、迦楼羅、緊那羅、摩睺羅伽などがいます。彼らは広大な誓願を発し、大乗を讃え、共に無上の陀羅尼真言の門を守護することを誓いました。皆そろって仏の御前に参じ、仏の両足を礼拝し、右に三度巡って如来を仰ぎ見ます。目をそらすことなく、座に着いて法座に加わります。

爾時尊者薄伽梵正為淨居天、伊首羅天、摩醯首羅天、大梵天、帝釋天及諸天眾,處寶蓮花師子之座而說大法,踰眾日光照明一切。

その時、尊き仏陀は、清らかな居所の神々、イーシュヴァラ神、マヘーシュヴァラ神、梵天、帝釈天、そして多くの天部の衆生たちのため、宝の蓮華に座し獅子の座にて偉大な教えを説かれました。その光は太陽の輝きを超え、すべてを照らし出しました。

爾時觀世音菩薩摩訶薩歡喜微笑,即從座起,偏袒右肩合掌恭敬禮佛雙足,整理衣服,長跪叉手前白佛言:「世尊!我有陀羅尼,名不空羂索心王陀羅尼真言三昧耶。是法乃於過往九十一劫,彼最後劫中有佛,號名世間自在王如來、應、正等覺、明行圓滿、善逝、世間解、無上士、丈夫調御、天人師、佛、薄伽梵。彼佛世尊憐愍我故,授是陀羅尼真言一切法門。其佛世界名曰勝觀察慧。世尊!從是已來我常受持此陀羅尼真言一切教法,導化無量百千淨居天王、伊首羅天王、摩醯首羅天王、大梵天王、帝釋天王、一切天王各并眷屬,恭敬供養尊重讚歎,皆令住於阿耨多羅三藐三菩提地,俱以離癡智而莊嚴之。世尊!我初得是陀羅尼法時,證得十百千不空無惑智莊嚴首三摩地門而皆現前。世尊!應知由斯真言之力,現見十方無量無數種種剎土諸佛如來所有會眾,而皆供養、聽聞深法,展轉教化無量有情,皆得發趣無上菩提。是故行者應盡受持。世尊!若此經典所住方處,當知其地即有無量百千淨居天王、伊首羅天王、摩醯首羅天王、大梵天王、帝釋天王及諸一十二萬百千天王并眷屬俱,常共圍繞恭敬擁護。

爾時、観世音菩薩摩訶薩は歓喜して微笑み、すわりの席から立ち上がり、右肩を袒(ぬ)ぎ、合掌して恭敬し、仏の両足に礼し、衣を整え、長跪(ちょうき)して叉手(しゃしゅ)し、進み出て仏に申し上げた。

「世尊よ、わたしに陀羅尼(だらに)があります。その名を『不空羂索心王陀羅尼真言三昧耶』といいます。 この法は、九十一劫(くじゅういちこう)の昔、その最後の劫に、世間自在王如来・応・正等覚・明行円満・善逝・世間解・無上士・丈夫調御・天人師・仏・薄伽梵という名の仏がいらっしゃいました。 その仏世尊は、わたしを哀れんで、この陀羅尼真言の一切の法門を授けてくださいました。 その仏の世界の名を、勝観察慧(しょうかんざつえ)といいます。

世尊よ、それ以来、わたしはこの陀羅尼真言の一切の教えを常に受持し、 無量百千の浄居天王・伊首羅天王・摩醯首羅天王・大梵天王・帝釈天王、および一切の天王とその眷属を導き教化し、 皆に恭敬・供養・尊重・讃嘆させ、ことごとく阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)の境地に住まわせ、 そのすべてを、離癡智(りちち)をもって荘厳しました。

世尊よ、わたしが初めてこの陀羅尼の法を得たとき、十百千の不空無惑智荘厳首三摩地門(ふくうむかくちしょうごんしゅさんまじもん)を証得し、それらがすべて目の前に現れました。 世尊よ、知るべきです。この真言の力によって、十方の無量無数のさまざまな国土にある諸仏如来のすべての会衆を現に見て、 彼らに供養し、深い法を聞き、さらに転じて無量の有情(うじょう)を教化し、 皆が無上菩提(むじょうぼだい)へと向かうように導きました。 それゆえ、修行者はこの経典を尽く受持すべきです。

世尊よ、もしこの経典が安置されている場所があれば、 その地には無量百千の浄居天王・伊首羅天王・摩醯首羅天王・大梵天王・帝釈天王、 および十二万百千のすべての天王とその眷属がともにあり、 常にその地を囲んで恭敬し、擁護することを知るべきです。」

「世尊!若斯經典所住方處,有能依法清淨書寫、讀誦、受持、讚歎之者,當知其地即是一切諸佛舍利制多。世尊!若有有情暫能讀誦聽聞流行此不空羂索心王陀羅尼真言三昧耶者,當知是人則當親近恭敬供養無量俱胝那庾多百千佛所,種諸善根。所以者何?此法乃是一切諸佛菩薩大寶光聚。

世尊よ、もしこの経典が安置されている場所において、その教えに従って清らかに書き写し、読誦し、受持し、讃嘆する者がいるならば、その地こそが一切の諸仏の舎利と塔であると知るべきです。 世尊よ、たとえ一時的にでも、この不空羂索心王陀羅尼真言三昧耶を読誦し、聴聞し、世に広める者がいるならば、その人は無数の、数えきれないほどの仏のもとで善根を植え、親しく近づき、敬い、供養してきたのだと知るべきです。 なぜなら、この法こそが、一切の諸仏・菩薩の大いなる宝の光の集まりだからです。

「世尊!若有有情造極惡業、謗讟一切諸佛菩薩獨覺聲聞,及謗正法言無有善,或復破滅諸佛菩薩獨覺聲聞形像塔廟、經論教法,是人應墮阿毘地獄,經無數劫受無間苦。諸佛菩薩獨覺聲聞雖具神通,亦不能救。世尊!如斯有情能生悔心,清潔澡浴,以香塗身,著鮮潔衣,如法佛前至誠懺悔過去今生所造重罪,終更不犯。受持齋戒清淨其心,七日七夜誡斷語論,於不空羂索觀世音菩薩前,每日誦此陀羅尼真言一百八遍者,當知其人先世今世所造十惡五逆四重諸罪悉滅無餘不墮地獄,惟除五逆現世輕受。云何證知?所謂一日二日三日四日乃至七日瘧病熱病,或患眼耳鼻舌齗腭牙齒、頭背兩肩心肚腹肋腰髀、兩臂兩膝、痔痢霍亂、手脚煩疼、白癩風疽、疥癬癕腫游腫疔腫癤腫毒腫、癀病㿃門瘡皰痒瘨𥜒蠱等病,或為鬼神之所嬈亂,或為人民種種譏謗、橫加罵辱、鞭撻禁閉受諸苦惱,遭餘惡事或夢不祥。世尊!此人以是輕受,能禳地獄一切劇苦重報之罪。何況淨信輕罪有情,受持此陀羅尼真言不成就耶?若有有情身心不安,為於種種災厄怖畏惡夢不祥,日日清潔讀誦受持、燒香供養者,則得消滅。

世尊よ、もし衆生の中に、極めて重い悪業を犯し、一切の諸仏・菩薩・独覚・声聞を誹謗し、また正法を誹謗して「善はない」と言い、あるいは諸仏・菩薩・独覚・声聞の像や塔廟、経論や教法を壊し破る者がいたならば、その人は阿鼻地獄に堕ち、無数の劫の間、無間の苦しみを受けるでしょう。諸仏・菩薩・独覚・声聞は神通力を備えていても、その人を救うことはできません。

世尊よ、しかしそのような者でも、もし悔い改める心を起こし、身を清めて沐浴し、香を塗り、清らかな衣をまとい、仏の前にて誠心誠意、過去世と現在世に造った重い罪を懺悔し、二度と犯さないと誓うならば、どうなるでしょうか。斎戒を受けて心を清め、七日七夜、言葉を慎み議論を断ち、不空羂索観世音菩薩の前にて、毎日この陀羅尼真言を百八回唱える者は、その人の先世と今世に造った十悪・五逆・四重の諸々の罪が、すべて消え去り無くなり、地獄に堕ちることはありません。ただし五逆罪だけは現世で軽い苦しみを受けるでしょう。

それをどうやって知ることができるのか。すなわち、一日、二日、三日、四日、あるいは七日間にわたり、瘧疾や熱病にかかったり、眼・耳・鼻・舌・歯ぐき・歯・頭・背中・両肩・心臓・腹・脇腹・腰・腿・両腕・両膝の痛み、痔疾・霍乱、手足の煩わしい痛み、白癜・風疽、疥癬・癰腫・遊腫・疔腫・癤腫・毒腫、瘰癧・脱肛・瘡疱・痒疹・ひきつけ・虫毒などの病にかかったり、鬼神に悩まされたり、人々から様々な誹謗中傷を受け、不当に罵られ辱められ、鞭打たれ拘束され、多くの苦しみを受け、その他悪い出来事に遭ったり、不吉な夢を見たりするのです。

世尊よ、この人はこうした軽い苦しみを受けることで、地獄における一切の激しい苦しみという重い報いの罪を防ぐことができるのです。ましてや、清らかな信心を持つ軽い罪の衆生が、この陀羅尼真言を受持して成就しないことがありましょうか。

もし、身心が安らかでなく、様々な災厄や恐怖、悪夢や不吉なことに悩まされる者がいるならば、毎日心を清めてこの陀羅尼真言を読誦し受持し、香を焚いて供養すれば、それらは消え去るのです。

「世尊!若有善男子善女人等,如法書寫受持讀誦聽聞是法、為人如法宣說讚歎、教他書寫受持讀誦,廣令一切胎卵濕化有情得聞此陀羅尼真言三昧耶者,皆得解脫一切罪障。是善男子善女人等,當淨其心如理思惟,以無所得智、無方處智、無我無人無受者智、無分別智、無生無滅智、不遲行智、無作無染智、平等性智、離五蘊色聲香味觸法無取無捨精進智,以是種種真如巧智,制御於心而為方便,觀念諸佛常見目前,不久當得十方百千一切諸佛一時現前,摩頂讚歎為作證明。或復夢覺得見好相,或得諸佛變作沙門為授菩薩增上戒品,令滅無量百千微塵數劫一切重罪。乃至如法書寫是經,安置宅中,以諸香花隨心供養尊重禮拜,所得功德亦復如是。世尊!今且略說少分之耳。若有有情為勝他心,嫉妬諂誑,或為恐怖財利輕戲依他之心,讀誦聽聞此陀羅尼真言三昧耶者,皆獲勝利。或復聞已誹謗輕毀而不恭敬,亦獲勝利。世尊!今此利益,惟大智者知。乃是世間自在王如來威神之力,及是觀世音大慈悲力,令諸惡輩一切有情一經於耳即當種植無量善根。所以者何?世尊!譬如有人以癡惡心,行詣龍腦香、白栴檀香、沈水香林或諸香林,以愚癡智種種罵香,復起恚心謗說香云:『香無香氣。』採香斫截蔦碎為末,和水飲噉或塗身上。是香無心不與彼香;其香性香,能熏一切無香之物芬馥皆香。世尊!此不空羂索心王母陀羅尼真言三昧耶亦復如是。若有有情說無因果,種種誹謗妄非過惡,或為嫉妬諂曲財食一切厄難,受持讀誦而作供養,由是因緣得大善根。從此身後於所生處,常得戒香、定香、慧香、解脫香、威德無畏福資糧香、一切菩提堅固不壞福聚蘊香、貴姓種族圓滿香,當作饒益。

「世尊よ。もし善男子・善女人が、教えの通りにこの法を書き写し、心に受け持ち、読み誦し、聴聞し、人々のために教えの通りに説き、讃嘆し、他の人に書き写し、心に受け持ち、読み誦すことを教え、広く一切の胎生・卵生・湿生・化生の有情に、この陀羅尼真言三昧耶を聞かせることができるならば、その者たちは皆、一切の罪障から解脱するでしょう。これらの善男子・善女人は、心を清らかにして理のままに思惟し、無所得の智、無方処の智、無我・無人・無受者の智、無分別の智、無生無滅の智、不遅行の智、無作無染の智、平等性の智、五蘊や色声香味触法を離れ、取ることも捨てることのない精進の智をもって、これらの様々な真如の巧みな智慧によって心を制御し、それを方便とし、諸仏を観念して常に目前に見るならば、遠からずして十方の百千の一切諸仏が一時に現前し、頭を撫でて讃嘆し、証明を作してくれるでしょう。あるいはまた、夢の中で良い相を見たり、諸仏が沙門に変身して菩薩の増上戒品を授け、無量の百千微塵数劫の一切の重罪を滅ぼさせることもあるでしょう。さらに、教えの通りにこの経を書き写し、家の中に安置し、様々な香華をもって心のままに供養し、尊重し礼拝すれば、得る功徳もまた同じです。世尊よ、今はただその一端を略説したに過ぎません。

もし、ある有情が他に勝とうとする心、嫉妬・諂曲・欺瞞、あるいは恐怖・財利・軽んじ遊ぶ心・依他心をもって、この陀羅尼真言三昧耶を読み誦し聴聞するならば、その者も皆、大きな勝利益を得るでしょう。あるいはまた、聞いた後に誹謗し軽んじ毀り、恭敬しなかったとしても、やはり勝利益を得るでしょう。世尊よ、この利益は、ただ大いなる智慧ある者だけが知るものです。これはすなわち、世間自在王如来の威神の力、およびこの観世音の大慈悲の力によって、諸々の悪い者たちや一切の有情が、一度耳にすれば即ち無量の善根を植え付けることができるのです。なぜでしょうか。世尊よ。譬えば、ある人が愚かで邪悪な心をもって、竜脳香・白栴檀香・沈水香の林やその他の香林に行き、愚かな智慧で様々に香を罵り、さらに怒りの心を起こして『香には香りがない』と謗り言い、香を採り、切り、砕き、末にして、水に溶かして飲み食いし、あるいは体に塗るようなものです。この香は心がなく、その香りを与えようとしないものですが、その香の本質的な香りは、一切の香りのないものを薫じて、芬芬と馥郁とすべてを香らせます。世尊よ、この不空羂索心王母陀羅尼真言三昧耶もまた同じです。もし、ある有情が因果はないと説き、様々に誹謗し、誤って非難し過ちを犯し、あるいは嫉妬・諂曲・財食・一切の厄難のために、これを受け持ち読み誦し供養するならば、この因縁によって大きな善根を得るでしょう。この身の後、生まれるところにおいて、常に戒香・定香・慧香・解脱香・威徳無畏の福資糧香、一切の菩提の堅固不壊の福聚蘊香、貴姓種族の円満香を得て、広く利益をなすこととなるでしょう。」

「世尊!若善男子善女人等,受持讀誦此陀羅尼真言者,應常白月八日或白月十四日十五日,清淨澡浴,以香塗身,著淨衣服,食三白食或復不食,斷諸言論,不空羂索觀世音菩薩前如法而坐,燒香供養瞻菩薩面,誦七七遍或一百八遍。世尊!當知是人現世則得二十稱歎功德勝利。何名二十?一者身無眾病,若有宿業病生速令除差。二者身膚細軟姝悅妙好。三者恒為眾人觀視愛樂,不相厭怠。四者六根常定,財寶自然。五者不為劫賊侵奪衣服財寶。六者不為水火焚漂一切財寶。七者不為侵陵殺害強取財寶令飢餓死。八者不為崖山自墜死。九者加持淨灰淨水灑散一切果實苗稼,惡風霜雹蟲獸之類悉不災難,苗稼滋茂。十者不為軍陣鬪靜而殺害死。十一者不為世間諸惡鬼神吸噉精氣怨酬害死。十二者常為眾人讚歎稱譽更相戀慕,不值惡時死。十三者若見一切外道惡人,自然和穆。十四者不為一切惡人誹謗謀害,若有起者速自便滅。十五者恒無怕怖一切人非人等。十六者不為世間𥜒蠱呪、詛荼枳尼鬼而得便死。十七者一切諸惡隨眠煩惱自然銷薄。十八者不為水火焚漂、刀箭毒藥毒蟲殃害身死。十九者一切諸天常當守護。二十者當所生處具大慈大悲大喜大捨四無礙心。世尊!復有八法。何名為八?一者臨命終時,觀世音菩薩自變現身作沙門相,善權勸導將詣佛剎。二者臨命終時體不疼痛,去住自在如入禪定。三者臨命終時,眼不謾顧現惡相死。四者臨命終時,手脚安隱右脇臥死。五者臨命終時,不失大小便利惡痢血死。六者臨命終時不失正念,而不面臥端坐座死。七者臨命終時種種巧辯,說深妙法乃壽終死。八者臨命終時願生佛剎,隨願往生諸佛淨剎,蓮華化生,常覩一切諸佛菩薩摩訶薩,恒不退轉。

「世尊よ。もし善男子・善女人が、この陀羅尼真言を受け持ち、記憶し、読誦するならば、白月の八日、あるいは十四日、十五日には、必ず身を清らかに洗い、香を塗り、清らかな衣を着て、三白食を食べるか、あるいは断食し、様々な話をやめ、不空羂索観世音菩薩の前に、教えの通りに座り、香を焚いて供養し、菩薩の御顔を仰ぎ見て、三十七遍、あるいは百八遍、誦すべきです。

世尊よ。この人は、現世において、二十の称賛される功徳の利益を得るのです。その二十とは何でしょうか。

第一に、身体に様々な病がなく、もし過去の業から病が生じても、すぐに治ること。 第二に、肌が細やかで柔らかく、美しく清らかであること。 第三に、常に大勢の人に愛され慕われ、見られることを喜ばれ、決して嫌われたり疲れさせたりしないこと。 第四に、六根が常に安定し、財宝が自然に得られること。 第五に、盗賊に衣や財宝を奪われることがないこと。 第六に、水や火によって一切の財宝が燃やされたり流されたりしないこと。 第七に、人に襲われ、殺され、無理やり財宝を奪われて飢え死にすることがないこと。 第八に、崖や山から落ちて死ぬことがないこと。 第九に、加持した清らかな灰や水を果物や穀物の苗に振りまけば、悪い風や霜、雹、虫や獣などによる災難がすべて起こらず、苗がよく育つこと。 第十に、戦場や争いで殺されて死ぬことがないこと。 第十一に、世の中の悪い鬼神に精気を吸い取られたり、怨み返しで殺されたりすることがないこと。 第十二に、常に人々から褒め称えられ、互いに慕い合い、悪い時に死ぬことがないこと。 第十三に、すべての外道や悪人を見ても、自然に心が和やかになること。 第十四に、悪人に誹謗中傷されたり謀られたりすることがなく、もしそのようなことをする者が現れても、すぐに自然に滅びること。 第十五に、常に人や人ならざる者に対して恐怖心がないこと。 第十六に、世間のまじないや呪い、荼枳尼鬼によって死に至ることがないこと。 第十七に、あらゆる悪と、心に潜む煩悩が自然に薄らぐこと。 第十八に、水や火で焼かれたり流されたり、刀や矢、毒薬、毒虫に害されて死ぬことがないこと。 第十九に、常にすべての天人が守護すること。 第二十に、生まれるところには、大慈・大悲・大喜・大捨の四無量心を具えていること。

世尊よ。さらに八つの法があります。その八つとは何でしょうか。

第一に、命終わりの時、観世音菩薩が自ら姿を変えて沙門の姿を現し、巧みに導き、仏の国へと連れて行ってくださること。 第二に、命終わりの時、身体に痛みがなく、去り住むこと自在で、禅定に入るかのようであること。 第三に、命終わりの時、目がうつろに見え、悪い相を示して死ぬことがないこと。 第四に、命終わりの時、手足が安らかで、右脇を下にして臥して死ぬこと。 第五に、命終わりの時、大小便の失禁や、苦しい下痢や血を伴って死ぬことがないこと。 第六に、命終わりの時、正しい念を失わず、顔を伏せて死んだり、端坐のまま死んだりすること。 第七に、命終わりの時、様々な巧みな弁才で深妙な法を説きながら寿命を終えること。 第八に、命終わりの時、仏の国に生まれたいと願い、その願いのまま諸仏の清らかな国に生まれ、蓮華に化生し、常に一切の仏や菩薩摩訶薩を拝し、決して退転しないこと。」

「世尊!若有有情。深樂此法,即便為說。或有發心盡求是法受持讀誦,亦不慳吝,依法廣為分別解釋。何以故?菩薩者於諸有情常起悲智,倖無慳惜嫉妬之心,乃得修治無上法故。又菩薩者恒為有情勤修善法,是故得名真是菩薩。言菩提薩埵者,何謂也?菩提名智、薩埵名悲,溥示方便之眾義也。因此二法荷濟有情,乃得名為菩提薩埵。世尊!若儻許我當為利益一切善男子善女人等及邪見斷見惡慧有情,於如來前說是不空羂索心王陀羅尼真言三昧耶者,願垂納受。」

「世尊よ。もしもこの教えを深く喜び求める者がいるならば、その者に説き明かしましょう。あるいは、心を起こしてこの教えをすべて求め、それを受け持ち、読み、誦し、惜しみなく法のままに広く説き明かす者もいます。なぜでしょうか。菩薩はすべての生きとし生けるものに対して、常に慈しみと智慧を起こし、惜しみや妬みの心がないからこそ、この上ない法を修め、整えることができるからです。また、菩薩は常に生きとし生けるもののために善い行いを努めて修めるので、真の菩薩と名づけられます。では『菩提薩埵』とは何を意味するのでしょうか。『菩提』は智慧を表し、『薩埵』は慈しみを表し、あまねく衆生を救うための巧みなはたらきを広く意味します。この二つの法によって、生きとし生けるものを支え、救うからこそ、菩提薩埵と名づけられるのです。世尊よ。もしもお許しいただけるならば、すべての善き男や善き女、また誤った見解や断滅的な見解、悪しき智慧を持つ者たちの利益のために、如来の御前でこの不空羂索心王陀羅尼真言三昧耶を説き明かしましょう。どうかお受け入れください。」

爾時釋迦牟尼如來告觀世音菩薩摩訶薩曰:「汝當說之,今正是時。如來隨喜,加被汝故。我今亦為利益惡世一切垢重尠福有情,及為新學菩薩住大乘者,廣作利樂施為佛事。」

その時、釈迦牟尼如来は観世音菩薩摩訶薩に告げて言われました。「あなたが説くべき時が、今まさに来ています。如来が喜び、あなたを加護するからです。わたしもまた、末法の世における、汚れが深く福徳の少ないすべての生きとし生けるものを利益するため、そして大乗に住む新たに学ぶ菩薩たちのために、広く利楽をもたらす仏の教えを施そうとしています。」

爾時觀世音菩薩摩訶薩蒙佛聽許,熙怡微笑,合掌恭敬瞻仰如來目不暫捨,白言:「世尊!如來今已聽我說是不空羂索心王母陀羅尼真言三昧耶者,是法乃是一切菩薩摩訶薩所同修治恭敬頂禮得解脫處,哀愍世間利益安樂無量有情。若受持者,應先敬禮三世一切諸佛諸大菩薩獨覺聲聞,次應敬禮正至正行慈氏菩薩摩訶薩眾,次應敬禮金色光明吼聲自在王如來應正等覺、敬禮師子遊戲王如來、敬禮無量光如來(准案梵本文,若異誦持,則略敬禮佛菩薩等。當慈氏菩薩下略至敬禮無量光如來,從無量光如來略至敬禮佛法僧寶等)、敬禮善住摩尼寶積王如來、敬禮普光明讚歎功德積王如來、敬禮勝觀如來、敬禮寶髻如來、敬禮世間自在王如來、敬禮捨離損壞蘊如來、敬禮金色身寂如來、敬禮飲光如來、敬禮能寂如來、敬禮善名稱如來、敬禮普光明勝怨敵德如來、敬禮帝(丹帝)幢德如來、敬禮寶光明自在王如來、敬禮無礙藥王如來、敬禮勇猛游步如來、敬禮善住無畏如來、敬禮佛寶法寶苾芻僧寶、敬禮聖觀自在菩薩摩訶薩大悲者。敬禮如是諸聖者已,稱誦聖觀自在菩薩摩訶薩不空羂索心王母陀羅尼真言,爾時當觀聖觀自在菩薩摩訶薩母陀羅尼真言字句皆如金色光明照徹。」即說不空羂索心王母陀羅尼真言曰:

その時、観自在菩薩摩薩は、仏より説法を許されると、ほほえみを浮かべ、合掌して恭しく如来を仰ぎ見て、瞬きもせずにこう申し上げました。

「世尊よ、如来が今、私にこの不空羂索心王母陀羅尼真言三昧耶を説くことをお許しくださいました。この教えは、あらゆる菩薩摩訶薩たちが共に修行し、敬い、頂礼し、解脱を得る場所であり、世の中を哀れみ、無数の生きとし生けるものに利益と安楽をもたらすものです。

これを拝受しようとする者は、まず三世のすべての諸仏、諸大菩薩、独覚、声聞を敬い礼し、次に正しく至り正しく行じる慈氏菩薩摩訶薩の皆様方を敬い礼し、次に金色光明吼声自在王如来・応供正等覚を敬い礼し、師子戯遊王如来、無量光如来<注>経典の梵本によれば、もし異なる誦持を行う場合は、仏・菩薩などへの敬礼が簡略化される。慈氏菩薩の下から無量光如来までが略され、さらに無量光如来から仏法僧宝などへの敬礼が略される。</注>、善住摩尼宝積王如来、普光明讚歎功徳積王如来、勝観如来、宝髻如来、世間自在王如来、捨離損壊蘊如来、金色身寂如来、飲光如来、能寂如来、善名称如来、普光明勝怨敵徳如来、帝<注>「丹帝」</注>幢徳如来、宝光明自在王如来、無礙薬王如来、勇猛遊歩如来、善住無畏如来、そして仏宝・法宝・比丘僧宝を敬い礼します。さらに、聖観自在菩薩摩訶薩、大悲の者を敬い礼します。

このように諸々の聖者を敬い礼した後、聖観自在菩薩摩訶薩の不空羂索心王母陀羅尼真言を唱えなさい。その時、聖観自在菩薩摩訶薩の母陀羅尼真言の一字一句が、すべて金色の光明となって照らし透けるように観想しなさい。」

そして、不空羂索心王母陀羅尼真言を説かれました。

「娜麼塞(桑訖反,下同音)窒(丁吉反,下同音二合)㘑(凡㘑字口傍作者皆彈舌呼正)野(楊可反,下同音)特(能邑反)縛(無可反,下例同)怒(輕呼)誐(銀迦反,又音迦斤攞反,下同音)嚲(都我反,下同音)(一句)跛(比沒反,下同音)囉(凡羅字口傍作者皆上聲彈舌呼之為正)底瑟恥帝瓢(毘藥反,下同音)(二句)薩縛勃陀(上聲呼,下例同)菩地薩得(登訖反,下同音)廢(微計反,下同音)瓢(入聲)(三句)那莫薩縛跛(二合)囉底(丁枳反,下同音)曳迦勃陀𭌆(凡履字口傍作者皆彈舌呼之為正)野(四句)室(二合)囉縛迦(斤邏反,下同音)僧(去)祇(虬曳反)瓢(毘遙反)(五句)底跢(多箇反,下同音)那(去)誐嚲跛(二合)囉窋(丁聿反)半泥(上)瓢(入聲)(六句)那莫三(去聲呼,下例同)藐誐嚲南(七句)那莫三藐跛(二合)囉底半那(去)南(八句)那莫舍(尸可反,下同音)囉特(能邑反)縛底(丁異反)素(蘇古反,下同音)跢野(九句)摩訶(去聲呼呼箇反,下同音)麼戴曳(十句)那莫㫊(烏可反,下同音)唎(凡利字口傍作者皆彈舌呼之為正)野每窒㘑野跛(二合)囉畝契瓢(毘遙反)(十一句)摩訶菩地薩得(二合)廢瓢(入聲)(十二句)(三藏言:案尋諸梵本文,多共傳略歸命。從斯十二句下驀至十八句文是。又從二十一句下驀至六十五句文是。恐學者不知,故斯注記)那莫素𮧬(二合)囉拏𮧬囉拏(十三句)跛(二合)囉皤(蒲餓反,下同音)弭㘑(彈舌輕呼)儞羝(十四句)濕縛囉邏(凡邏字口傍作者皆去聲彈舌呼之為正)惹(而遮反,下同音)野(十五句)嚲詑(他可反,下同音)誐跢野(十六句)那莫僧(斯孕反)㰤(呼可反,下同音)弭訖(二合)𭌆抳嚲邏惹野(十七句)嚲詑誐跢野(十八句)那莫㫊弭跢皤野(十九句)嚲詑誐跢野(二十句)㫊囉㰤羝三藐三勃陀耶(二十一句)那莫素跛(二合)囉底瑟恥嚲(二十二句)摩抳矩吒(知賈反,下同音)囉惹野(二十三句)嚲詑誐跢野(二十四句)那莫縒漫嚲(二十五句)喇濕(二合)弭嗢(烏骨反)特祇嚲(二十六句)室(二合)唎矩吒囉惹野(二十七句)嚲詑誐跢野(二十八句)娜謨毘鉢始泥(二十九句)嚲詑誐跢野(三十句)那莫始棄泥(三十一句)嚲詑誐跢野(三十二句)那謨弭濕(二合)縛步米(三十三句)嚲詑誐跢野(三十四句)那莫迦羅詘(俱鬱反)異那野(三十五句)嚲詑誐跢野(三十六句)那莫迦娜迦畝娜曳(三十七句)嚲詑誐跢野(三十八句)那莫迦始(二合)野播野(三十九句)嚲詑誐跢野(四十句)那莫舍枳野(二合)畝娜曳(四十一句)嚲詑誐跢野(四十二句)那莫素播𭌆枳㗚(二合)底跢(四十三句)娜麼悌耶野(四十四句)嚲詑誐跢野(四十五句)那莫縒漫嚲(四十六句)縛皤縒弭爾嚲(四十七句)僧(去)誐囉麼室(二合)唎曳(四十八句)嚲詑誐跢野(四十九句)那莫印捺(二合)囉雞覩(五十句)特縛惹室(二合)唎曳(五十一句)嚲詑誐跢野(五十二句)那謨喇(楞割反)怛娜(五十三句)跛囉皤栖濕(二合)縛囉(五十四句)邏惹野(五十五句)嚲詑誐跢野(五十六句)那謨跛(二合)囉底㰤嚲(五十七句)佩灑(疎賈反,下同音)爾耶邏惹野(五十八句)嚲詑誐跢野(五十九句)那謨弭訖(二合)爛(彈舌呼之)嚲伽(上引)弭泥(六十句)嚲詑誐跢野(六十一句)那莫素跛(二合)囉底瑟恥嚲(六十二句)待𭌆野誐弭跛(二合)囉勃(二合)𭌆底瓢(入聲)(六十三句)薩縛嚲詑誐諦瓢(毘遙反)(六十四句)囉歇(呼葛反,下同)瓢(入聲)三(去)藐三(去)菩提瓢(入聲)(六十五句)那謨囉怛(二合)娜怛(二合)囉耶野(六十六句)納莫㫊唎耶(二合)(六十七句)縛路(凡陀羅尼中見路字皆輕呼之)枳諦濕(二合)縛囉野(六十八句)菩地薩埵野(六十九句)摩訶(去)薩埵野(七十句)摩訶迦嚕(凡嚕字口傍作者彈舌呼之)抳迦野翳瓢(毘遙反)(七十一句)那麼塞訖(二合)𭌆埵縛縊(伊異反,下同音)娜摩𭌆耶(七十二句)縛路枳諦濕(二合)縛囉(七十三句)目桔特祇(上)喇(盧乞反)拏(七十四句)麼暮伽(上聲呼,下同音)播苫(七十五句)那麼紇(二合)唎娜焰(七十六句)嚲詑誐跢(七十七句)參(去)目佉(去)皤使耽(輕呼)(七十八句)磨歇鉢(二合)唎訕沫地曳(七十九句)㫊㰤弭那(去)儞磨𮧬嚲逸使野弭(八十句)悉殿覩米(八十一句)薩縛迦𭌆野抳(八十二句)薩縛皤曳數(詩古反)者米(八十三句)𡀩乞叉(上)皤縛覩(八十四句)薩縛薩埵(二合)縛難(去)者(八十五句)怛𭔞(寧也反)他(八十六句)唵(喉中擡聲呼之,下同音)(八十七句)柘囉柘囉(八十八句)旨唎旨唎(八十九句)主嚕主嚕(九十句)摩訶迦嚕抳迦耶(九十一句)薩囉薩囉(九十二句)枲唎枲唎(九十三句)旨唎旨唎(九十四句)比唎比唎(九十五句)尾唎尾唎(九十六句)摩訶鉢頭(途邑反,下同音二合)麼㰤塞嚲耶(九十七句)迦攞(盧可反)迦攞(九十八句)枳𭌆枳𭌆(九十九句)炬嚕炬嚕(一百句)摩訶戍(輸律反,下同音)馱薩埵(二合)縛耶(一句)翳醯(去)曳呬(二合)勃𠆙(停夜反)勃𠆙(同上)(三句)馱婆(無可反,下例同音)馱媻(四句)步馱耶步馱耶(五句)迦拏迦拏(六句)枳抳枳抳(七句)句努(尼矩反)句努(同上)(八句)播囉莽(牟廣反)戍馱薩埵(二合)縛野(九句)迦囉迦囉(十句)枳𭌆枳𭌆(十一句)矩嚕矩嚕(十二句)摩訶塞(同上)詑麼跛(二合)囉跛嚲耶(十三句)者攞者攞(十四句)散者攞散者攞(十五句)弭者攞弭者攞(十六句)跛囉者攞跛囉者攞(十七句)翳吒(平聲紐至上聲是,下例同音)吒翳吒吒(十八句)皤囉皤囉(十九句)避唎避唎(二十句)步嚕步嚕(二十一句)嚲囉嚲囉(二十二句)底唎底唎(二十三句)覩嚕覩嚕(二十四句)翳呬(呼以反,下同)曳呬(二十五句)摩訶迦嚕抳迦(二十六句)摩訶鉢輸(去)鉢底(二十七句)廢灑馱囉(二十八句)陀囉陀囉(二十九句)娑(去聲呼桑箇反,下例同)囉娑囉(三十句)者囉者囉(三十一句)播囉播囉(三十二句)縛囉縛囉(三十三句)㰤囉㰤囉(三十四句)㰤㰤呬呬虎虎(三十五句)唵(同上音)迦囉沒囉㰤麼廢灑馱羅(三十六句)陀囉陀囉(三十七句)地唎地唎(三十八句)度嚕度嚕(三十九句)嚲囉嚲囉(四十句)縒囉縒囉(四十一句)播囉播囉(四十二句)始䞘𤙖始䞘𤙖(四十三句)縛囉縛囉(四十四句)喇濕弭舍嚲娑㰤塞囉(四十五句)跛(二合)囉底漫抳嚲舍利囉(四十六句)入(繓口舌呼之,下例準同呼也)縛攞入縛攞(四十七句)嚲播嚲播(四十八句)皤娑皤娑(四十九句)薄伽(上)畔(五十句)素磨𡫸(寧吉反)𬺼(丁也反)野麼婆嚕拏(五十一句)矩廢囉沒(二合)囉㰤米捺(二合)囉(五十二句)陀曩(輕呼)娜(五十三句)囑使誐拏泥(去)婆誐拏(五十四句)𩓝(毘滅反并彈舌呼之)旨嚲柘囉拏(五十五句)素嚕素嚕(五十六句)主嚕主嚕(五十七句)畝嚕畝嚕(五十八句)補嚕補嚕(五十九句)縒捺矩麼囉(六十句)沒(盧骨反)捺(輕彈舌呼)囉皤縒縛尾數(同上音)努(尼矩反)陀(上)娜陀婆野(六十一句)縛(無各反)祇(虬逸反)儞禰(同上)婆𭌆使那(去)野迦(六十二句)婆虎尾尾陀尾旨怛囉(六十三句)廢灑嚕跛陀囉(六十四句)馱囉馱囉(六十五句)地唎地唎(六十六句)度嚕度嚕(六十七句)詑囉詑囉(六十八句)伽囉伽囉(六十九句)野囉野囉(七十句)攞囉攞囉(七十一句)㰤囉㰤囉(七十二句)播囉播囉(七十三句)娜囉娜囉(七十四句)嚩囉嚩囉(七十五句)嚩囉那(去)野迦(七十六句)縒漫多縛路枳嚲(七十七句)弭路枳嚲路雞濕(二合)縛囉(七十八句)摩醯(去)濕(二合)縛囉(七十九句)謨虎謨虎(八十句)畝嚕畝嚕(八十一句)畝野畝野(八十二句)悶遮悶遮(八十三句)𡀩乞灑𡀩乞灑𤚥(牟含反)(八十四句)薩縛薩埵(途擴反二合)罔室者(八十五句)薄伽(上)畔(八十六句)㫊唎耶婆嚕枳諦濕(二合)縛囉野(八十七句)薩縛皤曳瓢(入聲)(八十八句)薩𢋑(無苦反,下同)鉢捺(二合)囉廢瓢(入聲)(八十九句)薩𢋑播薩詣瓢(入聲)(九十句)薩縛蘖(二合)囉醯(去)瓢(入聲)(九十一句)薩縛𡖺(名夜反)地瓢(入聲)(九十二句)薩縛入縛(二合)㘑瓢(入聲)(九十三句)縛馱滿陀那(九十四句)跢拏曩(輕呼)怛惹娜(九十五句)囉惹主囉怛塞迦邏(九十六句)㫊羯儞隝馱迦(九十七句)弭灑捨塞怛(二合)囉(九十八句)播唎暮者迦(九十九句)迦拏迦拏(二百句)枳抳枳抳(一句)矩努矩努(二句)者囉者囉(三句)旨𭌆旨𭌆(四句)主嚕主嚕(五句)印𡫸(二合寧吉反)唎野(六句)縛攞曝杖(亭樣反)誐(七句)者覩邏𭌆野(八句)薩𬺼(丁也反)三跛(二合)囉迦捨迦(九句)跢麼跢麼(十句)娜麼娜麼(十一句)縒麼縒麼(十二句)麼縒麼縒(十三句)摩訶跢悶陀迦囉(十四句)弭陀麼那(十五句)殺播囉弭嚲(十六句)播唎補囉迦(十七句)弭哩弭哩(十八句)吒吒吒吒(十九句)詑詫詫詑(魑賈反)(二十句)徵(知履反,下同音)徵徵徵(二十一句)恥恥恥恥(二十二句)拄拄拄拄(知古反二)(十三句)廔廔廔廔(摛矩反)(二十四句)翳制(尼勵反)野折麼(二十五句)訖(二合)𭌆嚲播𭌆迦囉(二十六句)翳呬曳呬(二十七句)縊濕縛(二合)囉步嚲誐拏畔惹迦(二十八句)迦囉迦囉(二十九句)枳𭌆枳𭌆(三十句)矩嚕矩嚕(三十一句)播囉播囉(三十二句)柘囉柘囉(三十三句)娑囉娑囉(三十四句)迦囉迦囉(三十五句)迦吒(上)迦吒(上)(三十六句)般吒(上)般吒(上)(三十七句)麼吒(上)麼吒(上)(三十八句)素尾戍馱弭灑野(同上)枲那(三)(十九句)摩訶迦嚕抳迦(四十句)濕廢嚲(四十一句)拽(移結反)腎(二合)饒(去)播弭嚲(四十二句)囉(二合)怛娜麼矩吒(上)(四十三句)摩邏陀囉(四十四句)薩縛腎(二合)惹始囉徙(四十五句)訖𭌆嚲惹吒(上)麼矩吒(上)(四十六句)摩訶頭(入聲)步多(上)迦麼攞(四十七句)訖𭌆(二合)嚲迦囉跢攞(四十八句)著(亭藥反)㰤曩縒麼地(四十九句)弭畝䞘(二合)灑(五十句)跛(二合)囉劍𬼩(并也反)(五十一句)薄虎薩埵(五十二句)散怛底(五十三句)鉢唎播者迦(五十四句)摩訶迦嚕抳迦(五十五句)薩嚩羯摩縛囉拏(五十六句)弭輸(去)馱迦(五十七句)薩縛𡖺(同上)地跛(二合)囉暮者迦(五十八句)薩縛薩埵(二合)縛舍播唎布囉迦(五十九句)薩縛薩埵(二合)縛三麼濕縛縒迦囉(六十句)那謨窣覩羝莎(桑邑反,下同音)縛訶(六十一句)㫊迦攞蜜㗚(二合)拄(丁庚反)(六十二句)跛(二合)囉捨摩曩(輕呼)野莎縛訶(六十三句)㫊暮伽野莎縛訶(六十四句)㫊爾跢野莎縛訶(六十五句)㫊播(二合)囉爾跢野莎縛訶(六十六句)縛囉那(去)野莎縛訶(六十七句)縛囉跛囉(二合)那(去)野莎縛訶(六十八句)縊怛者米(六十九句)薩縛羯摩矩嚕那謨窣覩羝莎縛訶(七十句)唵(同上)惹野𤙖(特牛合口聲短呼,下例同)莎縛訶(七十一句)唵(同上)𤙖若(輕呼)莎縛訶(七十二句)唵紇(二合)唎窒㘑路枳耶(二合)弭惹野(七十三句)㫊暮伽(上)播奢(七十四句)㫊跛囉(二合)底㰤嚲(七十五句)紇(二合)唎馹(二合)唎(七十六句)郝呬𤙖㧊(七十七句)莎縛訶(二百七十八句)」

南無帰命すること、サンギツ(反復)の音に従い、以下同音。チツ(丁吉の反、以下同音二合)レイ(「レイ」の字に口偏があるものは、皆、舌を弾いて発音するのが正しい)。ヤ(楊可の反、以下同音)。トク(能邑の反)。バ(無可の反、以下同例)。ヌ(軽く呼ぶ)。ガ(銀迦の反、又はカキンラの反、以下同音)。タ(都我の反、以下同音)【一句】。

ハツ(比沒の反、以下同音)。ラ(「ラ」の字に口偏があるものは、皆、上声で舌を弾いて発音するのが正しい)。テイシシテイヒョウ(毘藥の反、以下同音)【二句】。

サルバブッダ(上声で呼ぶ、以下同例)・ボダイサット(登訖の反、以下同音)・ヒ(微計の反、以下同音)・ヒョウ(入声)【三句】。

ナモ・サルバ・ハツ(二合)・ラテイ(丁枳の反、以下同音)・エイカ・ブッダリ(「リ」の字に口偏があるものは、皆、舌を弾いて発音するのが正しい)・ヤ【四句】。

シツ(二合)・ラバカ(斤邏の反、以下同音)・ソウ(去)・ギ(虬曳の反)・ヒョウ(毘遙の反)【五句】。

テイタ(多箇の反、以下同音)・ナ(去)・ガタ・ハツ(二合)・ラチツ(丁聿の反)・ハンネイ(上)・ヒョウ(入声)【六句】。

ナモ・サン(去声で呼ぶ、以下同例)・ミョウガタナン【七句】。

ナモ・サンミョウ・ハツ(二合)・ラテイハン・ナ(去)・ナン【八句】。

ナモ・シャ(尸可の反、以下同音)・ラトク(能邑の反)・バイ(丁異の反)・ソ(蘇古の反、以下同音)・タヤ【九句】。

マカ(去声で呼ぶ、カの反はフカの反、以下同音)・マタイエイ【十句】。

ナモ・ア(烏可の反、以下同音)・リ(「リ」の字に口偏があるものは、皆、舌を弾いて発音するのが正しい)・ヤマイ・チツレイヤ・ハツ(二合)・ラムケイヒョウ(毘遙の反)【十一句】。

マカ・ボダイサット(二合)・ヒヒョウ(入声)【十二句】。

(三蔵は言われる:多くの梵本を調べたところ、多くは共通して「帰命」を省略している。この十二句の下から十八句までの文章がそれである。また二十一句の下から六十五句までの文章も同様である。学ぶ者が知らないことを恐れ、ここに注記する)

ナモ・ソジン(二合)・ラナ・ジラナ【十三句】。

ハツ(二合)・ラバイ(蒲餓の反、以下同音)・ビレイ(舌を弾いて軽く呼ぶ)・ニテイ【十四句】。

シツバラ・ラ(「ラ」の字に口偏があるものは、皆、去声で舌を弾いて発音するのが正しい)・ジャ(而遮の反、以下同音)・ヤ【十五句】。

タタ(他可の反、以下同音)・ガタヤ【十六句】。

ナモ・ソウ(斯孕の反)・カ(呼可の反、以下同音)・ミキツ(二合)・リニタラジャヤ【十七句】。

タタ・ガタヤ【十八句】。

ナモ・アミダバヤ【十九句】。

タタ・ガタヤ【二十句】。

アラカテイ・サンミャクサンブッダヤ【二十一句】。

ナモ・ソ・ハツ(二合)・ラテイシチツタ【二十二句】。

マニ・クチャ(知賈の反、以下同音)・ラジャヤ【二十三句】。

タタ・ガタヤ【二十四句】。

ナモ・サマンタ【二十五句】。

ラシツ(二合)・ミウツ(烏骨の反)・トクギタ【二十六句】。

シツ(二合)・リクチャラジャヤ【二十七句】。

タタ・ガタヤ【二十八句】。

ナモ・ビハツシネイ【二十九句】。

タタ・ガタヤ【三十句】。

ナモ・シキネイ【三十一句】。

タタ・ガタヤ【三十二句】。

ナモ・ミシツ(二合)・バイ・フマイ【三十三句】。

タタ・ガタヤ【三十四句】。

ナモ・カラク(倶鬱の反)・イナヤ【三十五句】。

タタ・ガタヤ【三十六句】。

ナモ・カナカムナエイ【三十七句】。

タタ・ガタヤ【三十八句】。

ナモ・カシツ(二合)・ヤバヤ【三十九句】。

タタ・ガタヤ【四十句】。

ナモ・シャキヤ(二合)・ムナエイ【四十一句】。

タタ・ガタヤ【四十二句】。

ナモ・ソバイ・リキリツ(二合)・テイタ【四十三句】。

ナマ・テイヤヤ【四十四句】。

タタ・ガタヤ【四十五句】。

ナモ・サマンタ【四十六句】。

バイ・バサイミルタ【四十七句】。

ソウ(去)・ガラマ・シツ(二合)・リエイ【四十八句】。

タタ・ガタヤ【四十九句】。

ナモ・インダツ(二合)・ラケイト【五十句】。

トクバ・ジャシツ(二合)・リエイ【五十一句】。

タタ・ガタヤ【五十二句】。

ナモ・ラ(楞割の反)・タツナ【五十三句】。

ハツ・ラバイシツ(二合)・バラ【五十四句】。

ラジャヤ【五十五句】。

タタ・ガタヤ【五十六句】。

ナモ・ハツ(二合)・ラテイカタ【五十七句】。

バイシャ(疎賈の反、以下同音)・ルジャラジャヤ【五十八句】。

タタ・ガタヤ【五十九句】。

ナモ・ミキツ(二合)・ラン(舌を弾いて発音する)・タガ(上引)・ミネイ【六十句】。

タタ・ガタヤ【六十一句】。

ナモ・ソ・ハツ(二合)・ラテイシチツタ【六十二句】。

タイリヤガミ・ハツ(二合)・ラボツ(二合)・リテイヒョウ(入声)【六十三句】。

サルバ・タタガテイヒョウ(毘遙の反)【六十四句】。

ラカツ(呼葛の反、以下同)・ヒョウ(入声)・サン(去)・ミョウサン(去)・ボダイヒョウ(入声)【六十五句】。

ナモ・ラタツ(二合)・ナタツ(二合)・ラヤヤ【六十六句】。

ナモ・アリヤ(二合)【六十七句】。

バイロ(「ロ」の字は陀羅尼の中では、皆、軽く発音する)・キテイシツ(二合)・バラヤ【六十八句】。

ボダイ・サッタヤ【六十九句】。

マカ(去)・サッタヤ【七十句】。

マカ・カル(「ル」の字に口偏があるものは、舌を弾いて発音する)・ニカヤ・エイヒョウ(毘遙の反)【七十一句】。

ナマ・セキツ(二合)・リタバ・イ(伊異の反、以下同音)・ナマリヤ【七十二句】。

バイロ・キテイシツ(二合)・バラ【七十三句】。

モク・キツトクケイ(上)・ラ(盧乞の反)・ナ【七十四句】。

マ・ムカ(上声で呼ぶ、以下同音)・バセン【七十五句】。

ナマ・キツ(二合)・リナエン【七十六句】。

タタ・ガタ【七十七句】。

サン(去)・ムケ(去)・バイシタン(軽く呼ぶ)【七十八句】。

マカツ・ハツ(二合)・リシャンマチエイ【七十九句】。

アカミナ(去)・ニマバタイシャヤミ【八十句】。

シテント・マイ【八十一句】。

サルバ・カリヤニ【八十二句】。

サルバ・バイエイ・ス(詩古の反)・シャマイ【八十三句】。

ラコツシャ(上)・バイバト【八十四句】。

サルバ・サッタ(二合)・バナン(去)・シャ【八十五句】。

タニヤ(寧也の反)・タ【八十六句】。

オン(喉の中で音を上げて呼ぶ、以下同音)【八十七句】。

ジャラ・ジャラ【八十八句】。

シリ・シリ【八十九句】。

シュル・シュル【九十句】。

マカ・カルニカヤ【九十一句】。

サラ・サラ【九十二句】。

シリ・シリ【九十三句】。

シリ・シリ【九十四句】。

ビリ・ビリ【九十五句】。

ミリ・ミリ【九十六句】。

マカ・ハット(途邑の反、以下同音二合)マカセタヤ【九十七句】。

カラ(盧可の反)・カラ【九十八句】。

キリ・キリ【九十九句】。

クル・クル【百句】。

マカ・シュ(輸律の反、以下同音)ダ・サッタ(二合)・バヤ【一句】。

エイケイ(去)・エイケイ(二合)・ブッ(停夜の反)・ギャ(ブッと同じ)【三句】。

ダバ(無可の反、以下同例)・ダバイ【四句】。

ブダヤ・ブダヤ【五句】。

カナ・カナ【六句】。

キニ・キニ【七句】。

クヌ(尼矩の反)・クヌ【八句】。

バラマン(牟廣の反)・シュダ・サッタ(二合)・バヤ【九句】。

カラ・カラ【十句】。

キリ・キリ【十一句】。

クル・クル【十二句】。

マカ・セ(同上)タマ・バツ(二合)・ラ・バタヤ【十三句】。

シャラ・シャラ【十四句】。

サンシャラ・サンシャラ【十五句】。

ミシャラ・ミシャラ【十六句】。

バラシャラ・バラシャラ【十七句】。

エイチャ(平声から上声へ紐解く、以下同音)・チャ・エイチャチャ【十八句】。

バイラ・バイラ【十九句】。

ビリ・ビリ【二十句】。

ブル・ブル【二十一句】。

タラ・タラ【二十二句】。

チリ・チリ【二十三句】。

ツル・ツル【二十四句】。

エイケイ(呼以の反、以下同)・エイケイ【二十五句】。

マカ・カルニカ【二十六句】。

マカ・バシュ(去)・バテイ【二十七句】。

ヒシャ・ダラ【二十八句】。

ダラ・ダラ【二十九句】。

サ(去声で呼ぶ、桑箇の反、以下同例)ラ・サラ【三十句】。

シャラ・シャラ【三十一句】。

バラ・バラ【三十二句】。

バラ・バラ【三十三句】。

カラ・カラ【三十四句】。

カカ・ケイケイ・ココ【三十五句】。

オン(同上音)・カラ・モツラカマ・ヒシャ・ダラ【三十六句】。

ダラ・ダラ【三十七句】。

チリ・チリ【三十八句】。

ドル・ドル【三十九句】。

タラ・タラ【四十句】。

サラ・サラ【四十一句】。

バラ・バラ【四十二句】。

シキツウン・シキツウン【四十三句】。

バラ・バラ【四十四句】。

ラシツミ・シャタ・サカセラ【四十五句】。

ハツ(二合)・ラテイマンニタ・シャリラ【四十六句】。

ニュウ(口を結んで舌で発音する、以下同様の方法で発音する)・バラ・ニュウバラ【四十七句】。

タバ・タバ【四十八句】。

バイサ・バイサ【四十九句】。

バッカ(上)・バン【五十句】。

ソマゲツ(寧吉の反)・デイ(丁也の反)・ヤマ・バルナ【五十一句】。

クヒラ・モツ(二合)・ラカマ・ダツ(二合)・ラ【五十二句】。

ダナ(軽く呼ぶ)・ナ【五十三句】。

ショクシガナ・ニ(去)・バイ・ガナ【五十四句】。

ベキ(毘滅の反、かつ舌を弾いて発音する)・シタ・ジャラナ【五十五句】。

ソル・ソル【五十六句】。

シュル・シュル【五十七句】。

ムル・ムル【五十八句】。

ブル・ブル【五十九句】。

サナクマラ【六十句】。

モツ(盧骨の反)・ナ(軽く舌を弾いて発音する)・ラバイバサイ・ス(同上音)ヌ(尼矩の反)・ダ(上)・ナダバヤ【六十一句】。

バイ(無各の反)・キ(虬逸の反)・ニ・ネイ(同上)バイリシ・ナ(去)・ヤカ【六十二句】。

バコ・ミミダ・ミシルタラ【六十三句】。

ヒシャ・ルバ・ダラ【六十四句】。

ダラ・ダラ【六十五句】。

チリ・チリ【六十六句】。

ドル・ドル【六十七句】。

タラ・タラ【六十八句】。

ガラ・ガラ【六十九句】。

ヤラ・ヤラ【七十句】。

ララ・ララ【七十一句】。

カラ・カラ【七十二句】。

バラ・バラ【七十三句】。

ナラ・ナラ【七十四句】。

バラ・バラ【七十五句】。

バラ・ナ(去)・ヤカ【七十六句】。

サマンタ・バロキタ【七十七句】。

ミロキタ・ロケイシツ(二合)・バラ【七十八句】。

マケイ(去)・シツ(二合)・バラ【七十九句】。

モコ・モコ【八十句】。

ムル・ムル【八十一句】。

ムヤ・ムヤ【八十二句】。

モンジャ・モンジャ【八十三句】。

ラコツシャ・ラコツシャ・マン(牟含の反)【八十四句】。

サルバ・サッタ(途擴の反二合)・オウ・シツシャ【八十五句】。

バッカ(上)・バン【八十六句】。

アリヤ・バルキテイシツ(二合)・バラヤ【八十七句】。

サルバ・バイエイヒョウ(入声)【八十八句】。

サム(無苦の反、以下同)・ホツダ(二合)・ラヒヒョウ(入声)【八十九句】。

サム・バサケイヒョウ(入声)【九十句】。

サルバ・ゲツ(二合)・ラケイ(去)・ヒョウ(入声)【九十一句】。

サルバ・ビャウ(名夜の反)・デイヒョウ(入声)【九十二句】。

サルバ・ニュウバ(二合)・ライヒョウ(入声)【九十三句】。

バイダ・マンダナ【九十四句】。

タナ(去)ナ(軽く呼ぶ)・タルジャナ【九十五句】。

ラジャ・シュラダンセカラ【九十六句】。

アカチ・オダカ【九十七句】。

ミサ・シャ・セッタ(二合)・ラ【九十八句】。

バリ・モジャカ【九十九句】。

カナ・カナ【二百句】。

キニ・キニ【一句】。

クヌ・クヌ【二句】。

シャラ・シャラ【三句】。

シリ・シリ【四句】。

シュル・シュル【五句】。

インキ(二合寧吉の反)・リヤ【六句】。

バラ・ホウジョウ(亭樣の反)・ガ【七句】。

シャトウ・ラリヤ【八句】。

サデイ(丁也の反)・サン・ハツ(二合)・ラカシャカ【九句】。

タマ・タマ【十句】。

ナマ・ナマ【十一句】。

サマ・サマ【十二句】。

マサ・マサ【十三句】。

マカ・タモンタカラ【十四句】。

ミダマナ【十五句】。

サ・バラミタ【十六句】。

バリ・ブラカ【十七句】。

ミリ・ミリ【十八句】。

チャチャチャチャ【十九句】。

タ(魑賈の反)・ココタタ【二十句】。

チ(知履の反、以下同音)・チチチ【二十一句】。

チチチチ【二十二句】。

ツツツツ(知古の反二)【二十三句】。

ロロロロ(摛矩の反)【二十四句】。

エイセイ(尼勵の反)・ヤセツマ【二十五句】。

キツ(二合)・リタ・バリ・カラ【二十六句】。

エイケイ・エイケイ【二十七句】。

イシツバ(二合)・ラ・ブダ・ガナ・バンジャカ【二十八句】。

カラ・カラ【二十九句】。

キリ・キリ【三十句】。

クル・クル【三十一句】。

バラ・バラ【三十二句】。

ジャラ・ジャラ【三十三句】。

サラ・サラ【三十四句】。

カラ・カラ【三十五句】。

カチャ(上)・カチャ(上)【三十六句】。

ハンチャ(上)・ハンチャ(上)【三十七句】。

マチャ(上)・マチャ(上)【三十八句】。

ソ・ミ・シュダ・ミシャヤ(同上)・シナ【三十九句】。

マカ・カルニカ【四十句】。

シヒタ【四十一句】。

エイゲツ(移結の反)・ジン(二合)・ニョウ(去)・バミタ【四十二句】。

ラ(二合)・タツナ・マクチャ(上)【四十三句】。

マラ・ダラ【四十四句】。

サルバ・ジン(二合)・ジャ・シライ【四十五句】。

キツリタ・ジャチャ(上)・マクチャ(上)【四十六句】。

マカ・ト(入声)ブド(上)・カマラ【四十七句】。

キツリ(二合)・タカラタラ【四十八句】。

ジャク(亭藥の反)・カナサマデイ【四十九句】。

ミ・ムキツ(二合)・シャ【五十句】。

ハツ(二合)・ラケン(并也の反)【五十一句】。

バッコ・サッタ【五十二句】。

サンタテイ【五十三句】。

ホリ・ハジャカ【五十四句】。

マカ・カルニカ【五十五句】。

サルバ・カツマ・バラナ【五十六句】。

ミシュ(去)・タカ【五十七句】。

サルバ・ビャウ(同上)デイ・ハツ(二合)・ラ・モジャカ【五十八句】。

サルバ・サッタ(二合)・バシャ・バリ・ブラカ【五十九句】。

サルバ・サッタ(二合)・バ・サンマ・シツバサカラ【六十句】。

ナモ・スツトウテイ・ソ(桑邑の反、以下同音)・カバ〈または カバ と読む説あり〉【六十一句】。

アカラ・ミツリ(二合)・チュ(丁庚の反)【六十二句】。

ハツ(二合)・ラシャマナ(軽く呼ぶ)・ヤ・ソバカ【六十三句】。

アムカヤ・ソバカ【六十四句】。

アルタヤ・ソバカ【六十五句】。

ア・ハツ(二合)・ラルタヤ・ソバカ【六十六句】。

バラ・ナ(去)・ヤ・ソバカ【六十七句】。

バラ・ハツラ(二合)・ナ(去)・ヤ・ソバカ【六十八句】。

イタツジャマイ【六十九句】。

サルバ・カツマ・クル・ナモ・スツトウテイ・ソバカ【七十句】。

オン(同上)・ジャヤ・ウン(特牛の合口の声、短く呼吸する、以下同例)・ソバカ【七十一句】。

オン(同上)・ウン・ニャ(軽く呼ぶ)・ソバカ【七十二句】。

オン・キツ(二合)・リチツレイ・ルキヤ(二合)・ミジャヤ【七十三句】。

アムカ(上)・バシャ【七十四句】。

ア・ハツラ(二合)・テイカタ【七十五句】。

キツ(二合)・リチツ(二合)・リ【七十六句】。

カクケイ・ウン・ハツ【七十七句】。

ソバカ【二百七十八句】。

古今共譯莎縛訶字者,皆不切考梵音清濁,致令章異互各不同,或言薩(桑割反)婆(蒱俄反)訶(呼歌反),或言馺(蘇合反)皤(蒱荷反)訶,或言馺博訶,或言娑(蘇何反)波訶,或言娑婆訶,或言蘇(桑吾反)婆訶,或言沙訶,或言娑訶,或言莎(蘇和反)訶。正切梵音皆無本旨,此非梵僧傳音不正,斯乃自是執筆之誤。故今剋定借以莎字反為莎(桑邑反)字,借以縛字反為縛(無可反)字,借以訶字反為訶(呼箇反)字者,則得通摸聖者音旨正矣,所以唐梵教典無音而不可。凡諸陀羅尼後皆准此呼之。

古来、経典の中で「莎縛訶」という字を訳す場合、皆が梵語の音の清濁(せいだく)を正確に調べなかったため、書き表し方が章ごとに異なり、互いに一致しませんでした。

あるものは「薩(さつ、反切:桑割)婆(ば、反切:蒱俄)訶(か、反切:呼歌)」と言い、あるものは「馺(そう、反切:蘇合)皤(ば、反切:蒱荷)訶」、あるものは「馺博訶」、あるものは「娑(さ、反切:蘇何)波訶」、あるものは「娑婆訶」、あるものは「蘇(そ、反切:桑吾)婆訶」、あるものは「沙訶」、あるものは「娑訶」、あるものは「莎(さ、反切:蘇和)訶」と言います。

梵語の音を正しく推測しても、いずれも本来の意味を捉えておらず、これは梵僧(ぼんそう)が音を正しく伝えなかったからではなく、書き手が書き誤ったことによるものなのです。

そこでここでは、基準を定めて「莎」という字には反切を「莎(さ、反切:桑邑)」とし、「縛」という字には反切を「縛(ば、反切:無可)」とし、「訶」という字には反切を「訶(か、反切:呼箇)」とします。これによって、聖者の音の趣旨を通じて正しく模すことができるのです。それは、唐(中国)の経典や梵語の経典には、音の表記がなければ成立しないからです。 なお、すべての陀羅尼(だらに)の末尾では、この発音に従うこととします。

爾時觀世音菩薩摩訶薩說斯陀羅尼時,放光普照補陀洛山。其山宮殿六返震動,於虛空中紜雨諸天優鉢羅華、拘物頭花、鉢頭摩花、奔拏利花、曼陀羅花,種種寶花、寶香、寶冠、天諸衣服、珠瓔鐶釧、寶莊嚴具海雲,供養如來及復供養在會大眾,花至于膝。其虛空中無量天樂不鼓自鳴。會中一切天、龍、藥叉、羅剎、阿素洛、乾闥婆、蘖魯荼、緊那羅、莫呼羅伽、人非人等,一時歡喜合掌瞻仰,同聲讚言:「善哉善哉!大悲者!能善說斯不空羂索心王母陀羅尼真言三昧耶,若摩尼寶能與有情雨大寶雨,溥獲潤澤而得解脫。」

その時、観世音菩薩摩訶薩がこの陀羅尼を説かれると、光明を放って補陀洛山を遍く照らしました。その山の宮殿は六度震動し、虚空の中では天の優鉢羅華、拘物頭華、鉢頭摩華、奔拏利華、曼陀羅華など、様々な宝華、宝香、宝冠、天の衣服、珠の瓔珞や鐶釧、宝の荘厳具が雲のように降り注ぎ、如来に供養し、また会の大衆にも供養しました。花は膝の高さにまで積もりました。その虚空では無量の天の楽器が、弾かれることなく自然に鳴り響きました。会の中の一切の天、竜、薬叉、羅刹、阿素洛、乾闥婆、蘖魯荼、緊那羅、莫呼羅伽、人非人等は、一時に喜び、合掌して瞻仰し、声を揃えて讚えました。

「善きかな、善きかな。大悲の者よ。よくこの不空羂索心王母陀羅尼真言三昧耶を説きたまえり。この摩尼宝の如く、有情に大いなる宝の雨を降らせ、広く潤いを得させて解脱せしめるとは。」

爾時觀世音菩薩摩訶薩復白佛言:「世尊!是母陀羅尼真言,若善男子善女人等,每日時別燒沈水香誦三七遍者,速得消滅十惡、五逆、四重諸罪。若行道路止宿住處,或於城邑聚落山澤,所住方處念誦之者,真言加持白芥子或復加持淨水淨灰灑散結界,真言佉陀羅木金剛橛,真言五色線索,用繫橛上四方圍釘,即成結界,安隱止住無諸怖懼為大護持,真言明神而歡喜之。真言白線索,患瘧者佩,則得除差。若一切人民臂上腕上頂上腰上,令所佩人病者得差、怖者得安。加持牛酥或烏麻油,與患熱病者空腹服之,即令除差。若他呪詛厭蠱者,真言賓鐵刀,附體肢分以刀隱撩。又溲麵捏彼人形,一真言刀,一截一百八段至於七日,每日如是,則便除愈。若患腹痛,真言紅鹽湯與令飲服,則便除愈。若為一切毒蟲螫者,真言黃土泥數塗毒處;或數加持牛乳空腹飲服;或加持煮豆汁,溫蘸蟲所毒處,便得除愈。若患眼疼,真言白線索用繫耳璫。又真言竹瀝、甘草、白檀香水,每日晨朝、午時、夜時洗眼。或真言波羅奢水,日日洗之,即得除差。若患耳疼耳鳴熱風,真言生烏麻油或醍醐,數瀝耳中,不久除差。若真言者加持緋線索二十一結,用繫腰上、二手腕上,則成護身。若患齒疼,真言迦羅弭囉木持嚼揩齒。若患鬼病,加持五色線索,當使佩之即便除差。若為毒藥刀杖、破瘡咽喉腫病、疔腫惡瘡,真言畢撥末、牛乳、石蜜而令服塗,即得除愈。若有口舌欲起已起者,每晨朝時向日真言淨水洗面漱口,即令除散。若國土荒亂、大臣謀叛、他兵侵敵、災疫起時,先淨洗浴、著新淨衣、食三白食,於三七日嚴持道場,四角中央置香水瓮。於所祈日內外清淨如法供養,壇西壇北燒香散華,依如法坐,誦此陀羅尼真言聲聲莫絕,作除災法滿三七日,即令國土一切人民得大安隱。每日之時加持壇中瓮水,灑散一切人上,重成擁護,災厄罪障自然殄滅。若為鬼神卒殃失音者,加持白栴檀香泥,遍塗心上,即還如故。若無財寶飲食香花常供養者,但誦持之常不間廢,亦得除滅一切罪障。若令家宅善神護持無災疾者,每日當取蓮華一百八莖,遍塗酥蜜,散白栴檀香末加持護摩,每日三時時別一百八遍,滿七日已即成擁護,除諸災厄。若欲眾人而歡喜者,加持酥蜜、白栴檀香,護摩一百八遍,則如所願。」而說頌曰:

爾の時、観世音菩薩摩訶薩は再び仏に申し上げた。「世尊よ、この母陀羅尼の真言について、もし善男子・善女人が、毎日、時を定めて沈水香を焚き、この真言を二十一遍誦するならば、十悪・五逆・四重の諸々の罪を速やかに消滅させることができます。

もし道中で宿泊する場所や、町や村、山や沢など、居住する場所でこの真言を誦するならば、真言の力で白芥子(しろがらし)を加持し、あるいは清水や清灰を加持して撒き散らし、結界を張ります。また、佉陀羅木(かだらぼく)で作った金剛橛(こんごうかく)を真言で加持し、五色の糸で作った索(なわ)でその橛を結び、四方に打ち込めば、結界が完成します。そうすれば、安らかに滞在でき、一切の恐怖がなくなり、大きな護持を得られます。真言の明神はこれを喜ばれます。

真言で加持した白い糸の索は、マラリアにかかった人が身に着ければ、その病は治ります。また、すべての人々が腕や手首、頭頂、腰にこれを身に着ければ、病む者は癒え、恐れる者は安心を得ます。

牛酥や烏麻油(ごま油)を加持し、熱病に苦しむ者に空腹時に飲ませれば、たちまち治ります。

もし他者の呪詛や蠱毒(こどく)にかかっているなら、真言で加持した賓鉄刀(ひんてつとう)を身体の各所に当て、刀で軽く払うようにします。また、小麦粉を練ってその人の形を作り、真言を唱えながら刀で百八片に切り、これを七日間、毎日繰り返せば、その害は除かれます。

もし腹痛を患うなら、真言で加持した紅塩湯(こうえんとう)を飲ませれば、治ります。

もし毒虫に刺されたなら、真言で加持した黄土の泥を毒の部位に幾度も塗るか、あるいは真言を唱えた牛乳を空腹時に飲ませるか、または真言を唱えた豆の煮汁を温めて虫に刺された部位につければ、治ります。

もし目が痛むなら、真言で加持した白い糸の索で耳飾りを作って耳に付けます。また、真言を唱えた竹瀝(ちくりょく)・甘草・白檀香水で、毎朝・昼・夜に目を洗います。あるいは、真言を唱えた波羅奢水(はらしゃすい)で毎日目を洗えば、治ります。

もし耳が痛んだり、耳鳴りや熱風の症状があるなら、真言で加持した生の烏麻油や醍醐(だいご)を、幾度も耳の中に注げば、やがて治ります。

もし真言を修する者が、真言で加持した緋色の糸で二十一結びを作り、それを腰や両手首に結べば、身を護ることができます。

もし歯が痛むなら、真言で加持した迦羅弭囉木(からみらぼく)を噛んで、歯をこすります。

もし鬼の病にかかったなら、真言で加持した五色の糸の索を身に着けさせれば、治ります。

もし毒薬や刀傷、ただれ、喉の腫れ、癰瘡(ようそう)や悪性の腫れ物があるなら、真言で加持した畢撥(ひはつ)の末・牛乳・石蜜(せきみつ)を飲ませたり塗ったりすれば、治ります。

もし言い争いや口論が起ころうとしている、あるいはすでに起こっているなら、毎朝、日の出に向かって真言で加持した清水で顔を洗い、口をすすぐなら、その争いは解消されます。

もし国土が荒廃し、大臣が謀反を企て、他国の軍が侵攻し、疫病が発生した時は、まず身を清めて洗い、新しい清らかな衣を着て、三白食(乳・酪・飯)のみを食べます。そして二十一日間、道場を厳かに設け、四隅と中央に香水を入れた甕(かめ)を置きます。祈願する日には、内外を清め、法のままに供養します。壇の西と北で香を焚き花を散らし、法に従って座り、この陀羅尼真言を絶え間なく誦します。この除災の行を二十一日間満たせば、国土の全ての人々が大きな安らぎを得ます。毎日、壇の甕の中の水を加持し、全ての人々に撒けば、さらに護られ、災厄や罪障は自然に消え去ります。

もし鬼神の祟りで突然声が出なくなった者は、真言で加持した白栴檀(びゃくせんだん)の香泥を、心臓のあたりに広く塗れば、元通りになります。

もし財宝や飲食、香花を常に供養する余裕がなくとも、この真言を絶え間なく誦し続ければ、全ての罪障を除滅できます。

もし家宅を善神が護り、災いや病気をなくしたいなら、毎日百八本の蓮華を取り、それに酥蜜(そみつ)を塗り、白栴檀の香の末を振りかけ、真言で護摩(ごま)を修します。毎日、朝・昼・晩の三時、各時百八遍ずつ、満七日間行えば、家は守られ、全ての災厄は除かれます。

もし多くの人々に喜ばれたいなら、酥蜜と白栴檀の香で護摩を百八遍行えば、その願いは叶うでしょう。」

そして、観世音菩薩は次の頌(うた)を唱えた。

「母陀羅尼伽陀藥, 能除種種災障苦。
等數當以弭惹耶, 那俱利藥柘履尼,
乾馱那俱利翳羅, 㫊皤播抳躬矩麼,
印捺囉播畢履迦, 乾馱畢唎樣俁藥,
多誐羅藥斫迦囉, 摩訶斫羯烏施羅,
苾瑟努羯囉跢藥, 素摩囉爾素難那,
精潔合治天雨和, 作丸丸如酸棗量,
首末標界而護持, 首末真言遍加持,
一千八遍便陰乾, 佩時加持一七遍。
隨上中下與佩之, 上者頭上頂戴之,
中者臂上常佩持, 下者項上恒佩持,
皆得除滅諸災厄, 水火毒藥之災厄,
種種厭蠱諸呪詛, 一切悉不能為害,
諸惡鬼神不中害, 和香湯浴蠲諸障。」

「陀羅尼の薬の加持を受けた薬は、 あらゆる災いや苦しみを除くことができる。 同量に用いるのは、ミジャヤ(阿修羅の血)という薬、 ナグリ(黒芥子)という薬、チャプリニ(鉄線蓮)という薬、 ガンダ・ナグリ(香附子)という薬、イーラ(小豆蔻)という薬、 アー・ヴァパニ(塩)という薬、クンジューマ(鬱金)という薬、 インドラ(小蘗)の樹脂、ピパリ(長胡椒)という薬、 ガンダ・ピリラ(香附子、また別の種)、

タガラ(甘松)という薬、チャカル(鉄)という薬、 マハー・チャカル(大鉄)という薬、ウシーラ(香茅根)という薬、 ヴィシュヌ・カルマ(相思子)という薬、 ソマラージ(蘇摩)という薬、オージスダナ(強壮薬)という薬。

これらを清らかに精製し、天の雨水で練り合わせ、 棗の実ほどの大きさに丸める。 頭と尻に標識をつけて護持し、 頭と尻に真言をかけ、千八回唱えて陰干しにする。 佩用の際には一七回、真言を唱える。

身分に応じて佩用する。 最上の者は頭の上に戴き、 中の者は腕に常に佩び持ち、 下の者は首に常に佩び持つ。 そうすれば、すべての災いや厄難を除くことができる。 水火や毒薬による災いも、 あらゆる厭魅や呪詛も、 すべて害を加えることはできない。 諸々の悪鬼神も害することができない。 香湯で身を洗えば、すべての障りも除かれる。」

「若有惡風雷雹霹靂數數起者,加持白芥子水,望彼起處一真言一散一百八遍,則便除滅。或加持石榴枝,望所起處真言一擬,亦得除散。世尊!此母陀羅尼真言最上之法,但常誦持,不作壇印依法供養亦得成就。若欲成就此陀羅尼真言三昧耶者,如法圖畫不空羂索觀世音菩薩,如大自在天首戴寶冠,冠有化阿彌陀佛。被鹿皮衣,七寶衣服珠瓔鐶釧種種莊嚴,執持器杖。以淨黃土瞿摩夷香泥,如法塗壇,清潔畫彩。中置其像,旛花莊飾,四角中央置香水瓶,三白飲食、諸果飲食敷獻供養,惟除一切殘穢觸食、惡律儀家百味飲食、五辛酒肉皆不供養,餘者盡通。請召供養,燒沈水香。是真言者晝夜精勤如法承事,常淨潔浴著淨衣服,每時面東,燒香散花依法趺坐,觀瞻菩薩,如法誦持時數不闕。每白月八日應當斷食勤懇念誦,時觀世音壇中現身,真言者見瞻候禮拜,乞所求願皆得滿足。并以雄黃或安膳那置於壇中,真言加持令現三相:一者煖相、二者煙相、三者光相,點額、點眼、點二手掌、點二脚掌,即證㫊暮伽王神通智嚴三摩地,諸有事業無不成辦。」

【原文】 「若有惡風雷雹霹靂數數起者,加持白芥子水,望彼起處一真言一散一百八遍,則便除滅。或加持石榴枝,望所起處真言一擬,亦得除散。」

【訳文】 もし悪い風や雷、雹、稲妻が何度も起こるようなことがあれば、白芥子の水に真言をかけ、その起こる方に向かって、真言を一度唱えるごとに水をまくことを百八回行いなさい。そうすれば、それらは消え去ります。あるいは、石榴の枝に真言をかけ、その起こる方に向かって真言を唱えながら枝を振ることで、同様に除くことができます。

【原文】 「世尊!此母陀羅尼真言最上之法,但常誦持,不作壇印依法供養亦得成就。」

【訳文】 尊い方よ、この陀羅尼真言は最も優れた法であります。常に誦唱し心に保つだけで、壇を築いたり印を結んだり、決まり通りの供養をしなくても、成就を得られます。

【原文】 「若欲成就此陀羅尼真言三昧耶者,如法圖畫不空羂索觀世音菩薩,如大自在天首戴寶冠,冠有化阿彌陀佛。被鹿皮衣,七寶衣服珠瓔鐶釧種種莊嚴,執持器杖。」

【訳文】 もしこの陀羅尼真言の三昧耶(掟)を成就しようと望むなら、決まり通りに不空羂索観世音菩薩の姿を描きなさい。その姿は、大自在天のように宝冠をかぶり、その冠の中には変じた阿弥陀仏がいます。鹿の皮の衣をまとい、七宝の衣服や真珠の瓔珞、腕輪や釧などの様々な飾りで厳かに装い、道具や杖を持っています。

【原文】 「以淨黃土瞿摩夷香泥,如法塗壇,清潔畫彩。中置其像,旛花莊飾,四角中央置香水瓶,三白飲食、諸果飲食敷獻供養,惟除一切殘穢觸食、惡律儀家百味飲食、五辛酒肉皆不供養,餘者盡通。」

【訳文】 清らかな黄土と牛糞、香りの泥で、決まり通りに壇を塗り、清らかに彩色を施します。中央にその像を安置し、旛や花で飾ります。四隅と中央には香水の瓶を置き、三白(乳・酪・酥)の食べ物や様々な果物を供え、神仏に捧げます。ただし、残り物や汚れたもの、不浄な触れられた食べ物、悪い戒律の家のさまざまな味の料理、五辛(ネギ・ニラなどの五種の臭い野菜)や酒、肉は一切供えてはなりません。それ以外のものはすべて用いて構いません。

【原文】 「請召供養,燒沈水香。是真言者晝夜精勤如法承事,常淨潔浴著淨衣服,每時面東,燒香散花依法趺坐,觀瞻菩薩,如法誦持時數不闕。」

【訳文】 諸尊を招いて供養し、沈水香をたくします。この真言を修める者は、昼夜にわたり精進し、決まり通りに勤め仕え、常に身を清めて清らかな衣をまとい、時には必ず東を向き、香をたき花をまき、決まり通りに結跏趺坐し、菩薩を観想し、決まり通りに誦持し、その時間と回数を欠かしてはなりません。

【原文】 「每白月八日應當斷食勤懇念誦,時觀世音壇中現身,真言者見瞻候禮拜,乞所求願皆得滿足。」

【訳文】 毎月の白月(半月)の八日には、断食をして心を込めて念誦すべきです。その時、観世音菩薩が壇の中に姿を現します。真言を修める者はそれを見て、敬い礼拝し、求める願いを請えば、すべて満たされます。

【原文】 「并以雄黃或安膳那置於壇中,真言加持令現三相:一者煖相、二者煙相、三者光相,點額、點眼、點二手掌、點二脚掌,即證㫊暮伽王神通智嚴三摩地,諸有事業無不成辦。」

【訳文】 また、雄黄(雄黄、鉱物)あるいは安膳那(眼薬)を壇に置き、真言をかけて三つの相(しるし)を現させます。一つは暖かくなる相、二つは煙が出る相、三つは光を放つ相です。これを額、両目、両手のひら、両足の裏に点じれば、即座に阿慕伽王(不空羂索観音)の神通と智慧の厳かな三昧を証得します。あらゆる事業が成就しないことはありません。

爾時如來讚觀世音菩薩摩訶薩言:「善哉善哉!善男子!汝能於是天人大眾,然大法炬、作眾寶聚,挽諸有情出眾苦本。」爾時淨居天王、伊首羅天王、摩醯首羅天王、大梵天王、帝釋天王及諸天王,聞說是法皆大歡喜,合掌恭敬,俱從座起前白佛言:「世尊!後末世時,隨在國土一切山林城邑村落,若有有情如法書寫讀誦受持此不空羂索心王母陀羅尼真言三昧耶者,我等天王各及眷屬,晝夜集會常擁護之。」

その時、如来は観世音菩薩摩訶薩を称賛して仰せられた。「よきかな、よきかな。善男子よ。汝は、この天人の大いなる集いの中にあって、大いなる法の燈火を掲げ、優れた宝を集め、多くの生きとし生けるものを苦しみの根源から救い出した。」

その時、浄居天王、伊首羅天王、摩醯首羅天王、大梵天王、帝釈天王をはじめとする諸々の天の王たちは、この法を聞いて皆、大いに喜び、合掌して敬いの意を表し、皆そろって座を立ち、仏の前に進み出て申し上げた。

「世尊よ。未来の末世において、いかなる国土の山、林、城市、村邑においても、もし人が教えの通りに、この不空羂索心王母陀羅尼真言三昧耶を書き写し、読み誦し、受け持ち守るならば、私たち天の王たちは、それぞれの眷属と共に、昼夜集まって常にその人を守り護りましょう。」

爾時如來誥諸天王:「善哉善哉!汝等天王!見有方處善男子善女人,讀誦受持此陀羅尼真言三昧耶者,應當守護而勿放捨,使令修學,增殖長養一切菩提福蘊善根,令得阿耨多羅三藐三菩提。」爾時諸天聞佛誥讚,歡喜踊躍恭敬頂戴。

そのとき、如来はもろもろの天王たちにお告げになりました。「善いかな、善いかな。あなたがた天王たちよ。あるところに、この陀羅尼真言の三昧耶を読誦し受持する善男子・善女人がいるならば、よく守護して捨て放ってはなりません。その人をして修行学修させ、すべての菩提の福の集まりと善根を増し育て、阿耨多羅三藐三菩提を得させなさい。」そのとき、もろもろの天は、仏のお告げと讃めを聞いて、歓喜踊躍し、恭敬して頂戴しました。

不空羂索神變真言經卷第一

不空羂索神変真言経 巻第一

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あらゆるものが、もし悟った人によって説かれた法(真理)に従うならば、それはこの真理と、私の内なる真理、そして、あなた方自身の内なる真理の三つに帰結します。

この真理は、もし悟った人が世に現れるならば、その時に現れ、もし世に現れないならば、真理もまた現れません。

しかし、真理は悟った人を作り出します。そのようにして、どの悟った人も真理から生まれ、真理の体を持ち、真理の継承者となります。

また、どんな真理も、『これは真理である』と覚り、見て、触れるならば、そのとき真理は明らかになり、現れます。

すべての言葉や文字は、真理や、他のいかなるものからも、まったく独立して存在するわけではありません。

時と場合によって、人々は真理を表現するための言葉を使います。

しかし、もし真理の本体が言葉だけにとどまるならば、それは『隠れている』と言われるでしょう。

なぜなら、真理は言葉による説明を超えているからです。

それにもかかわらず、言葉は真理を指し示すための方便として用いられます。

慈悲深い方々が、真理が不明瞭な世の中に現れる時は、教えを説くために言葉を用います。

彼らは『これは真理であり、これは真理ではない』と明確に示します。

しかし、そこに真理と non‑truth(非真理)を分ける区別はありません。なぜかと言うと、すべてのものは真理の現れだからです。

ですから、悟った人は、決して『この真理は私が作ったものだ』とか『あなた方は真理を実践すべきだ』とは言いません。

彼らはただ、真理の性質に従って、人々が自分自身で真理を見つけることができるよう導くだけです。

智恵ある人は、文字や言葉に固執して、そこに真理の本質があると誤解してはいけません。

なぜなら、真実の認識は、執着を離れて生じるからです。

たとえば、ある人が、実際にはそこにない物の実在を確信しているかもしれません。

それは真理が真理によって明らかにされる場合と同じです。

真理とは、心が真理へと向かうとき、その心の中で直接的に体験されるものなのです。

そして、悟った人々は、すべての人がこの真理へと目覚めることができるように、自らの功徳(良い行いの力)を惜しみなく分け与えます。


2 祕密心真言品

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