說天王真言品第七
第七章 説明天王真言
吠室囉末那野提婆喝囉闍質哆陀羅尼:
ヴァイシュラマナヤ デーヴァ ラージャ チッタ ダーラニー
「唵(一)三曼哆勃馱喃吠室囉摩拏耶莎婆訶」
おん(一)さんまんたぼだなん べいしらまなや そわか
誦此真言二十一遍,所求皆悉成就。又有根本印,以兩手右押左手相叉,竪二無名指頭相合,屈兩頭指如鉤。若迎請時向身招,若發遣時向外撥。若念誦之時,結印當心誦一七遍已,即頂上散,然後取念珠專心誦真言。
この真言を21回唱えれば、願い事はすべて成就します。また、根本の印があります。両手で右手を左手の上に重ねて指を組み、両方の薬指を立てて先端を合わせ、両方の人差し指を鉤のように曲げます。お迎えするときは印を自分の方に引き寄せ、お送りするときは外側に押し出します。念誦するときは、印を胸の高さで結び、真言を7回唱えたら、頂上で印を解きます。その後、数珠を取り、一心に真言を唱えなさい。
又一本心真言:
また、根本の心の真言は次の通りです。
「唵(一)漸婆羅(二)謝輦陀羅夜(三)莎訶」
おん ぜんばら しゃねんだらや そわか
若誦此呪,能滿一切大願,一切賢聖皆大歡喜。
この呪文を唱えれば、あらゆる大きな願いが叶えられ、すべての賢者や聖者たちが大喜びされるでしょう。
又說天王身真言曰:
さらに、天人王(てんにんおう)の身(み)の真言(しんごん)は次のように説かれています。
「那謨摩訶室利夜耶(一)娜謨吠室羅末那耶(二)摩訶藥揭叉細那拔馱耶(三)怛姪他(四)唵(五)濕吠莎嚩訶(六)濕吠莎嚩訶扇演抹底莎嚩訶 施晚怛利莎嚩訶若耶拔底利勝莎嚩訶」
南無摩訶室利耶夜(一) 南無吠室羅末那耶(二) 摩訶薬叉細那抜陀耶(三) 怛姪他(四) 唵(五) 湿吠莎嚩訶(六) 湿吠莎嚩訶、扇演抹底莎嚩訶 施晩怛利莎嚩訶、若耶抜底利勝莎嚩訶
若誦此真言滿十萬遍,已後更加誦三日即成就。又若作法之時,從白月十五日黑月十五日,若於淨房露地,天王像面向南,呪師面向北坐,燒薰陸香并供養乳粥,誦此三夜滿一千八十遍,天王即現身,所求皆稱,福報無窮。若諸使者來,勿須驚怕。
もしこの真言を十万回唱えたなら、その後さらに三日間唱えれば成就する。
また、儀式を行う時は、白月の十五日または黒月の十五日、清らかな部屋や露地で、天王の像を南に向け、呪師は北を向いて座る。薫陸香を焚き、乳粥を供養して、この真言を三晩のうちに千八十回唱えれば、天王が自ら姿を現し、求めることはすべて叶えられ、福報は限りがない。もし使者たちが来ても、恐れる必要はない。
若有人常於天王像前能誦此呪者,四大天王常不離左右,或於夢中共貴人同坐語話,即是天王加其呪師擁護事也。爾時呪師即發大願,於天王像前燒安悉香,誦呪一百八遍,所求一切事無不遂心。
もし誰かが常に四天王の像の前でこの呪文を唱えるならば、四天王は常にその人のそばを離れません。あるいは夢の中で高貴な人と共に座って語り合うことがあれば、それは四天王がその呪文の修行者を加護している証拠です。その時、呪文の修行者は大きな誓いを立て、天王の像の前に安悉香を焚き、呪文を百八回唱えなさい。そうすれば願い求めるすべてのことは思いのままにならないことはありません。
使者真言曰:
真言を唱えて言う。
「南謨吠室囉拔那耶(一)摩訶藥揭叉 細那拔馱耶(二)唵(三)薩縛羯囉那尾戍達儜(四)莎嚩訶」
「南無毘沙門天よ。 大力鬼神の大将よ。 心を集中して聞け。 あらゆる業(カルマ)を払い清める真言を唱えよう。 サンスクリット語の真言をもって、すべての悪業を清めたまえ。 この祈りが成就しますように。」
若求貴人憶念、所求一切事皆得遂意者,即誦此呪一千八十遍,夢中天王使者呪師耳邊皆悉分明說。
もし、高貴な方の御加護を求め、あらゆる願い事が思いのままになるように望むなら、この呪文を千八十回となえなさい。すると夢の中で、天の王の使いが、唱える人の耳元ではっきりとその全てを告げてくれるでしょう。
又須結手印,以左手竪頭指,已下四指屈入掌中,以大母指押甲上節,著右耳邊,誦呪五十四遍;左耳亦然也。
また、手の印(印契)を結びなさい。左手の人差し指を立て、残りの四本の指は掌の中に曲げ入れ、親指でその爪の上の節を押さえ、右耳のそばに置いて、真言を54回唱えなさい。左耳でも同じように行いなさい。
又說夜叉女使者真言曰:
また、夜叉女の使いの真言(しんごん)は次のように唱えます。
「唵(一)藥乞矣儞那羅尾唎(三)莎嚩訶」
「おん やくし ね なら びり そわか」
若兼供養此使者,所有要事能得成就。
この使いをも供養すれば、あらゆる大事が成就するであろう。
次說多聞天王大心真言曰:
次に、多聞天(毘沙門天)の大心真言(だいしんしんごん)を説きます。その真言は次の通りです。
「阿他呿嚕(二合)勃怛囉耶(一)(二合)毘沙那夜叉(二合)婆摩利耶(二)婆莎那鉢羅(二合)婆訶那耶(三)喜摩泮鉢囉(二合)沙耶(四)怛姪他(五)怛麗(二合)儞始麗(二合)毘沙囉摩那耶(六)摩訶曷囉闍耶(七)佉蘖(二合)揭伽哆囉(二合)末叉覩莎嚩訶(九)」
「アタ・ケール(二合)・ブッタラーヤ(一・二合)・ビシャナ・ヤクシャ(二合)・バマリヤ(二)・バサナ・プラ(二合)・バハナーヤ(三)・ヒマ・パン・プラ(二合)・サヤ(四)・タッ・ニヤ・タ(五)・ターレ(二合)・ニシレー(二合)・ビシャラ・マナーヤ(六)・マハ・アラジャーヤ(七)・カ・ゲ(二合)・ケー・ガ・タラ(二合)・マク・サトゥ・ソワハ(九)」
若有人持誦此呪者,每日平旦嚼楊枝始念誦,作壇供養如前說同。若誦此呪十萬遍滿,天王即現身。若見天王之時,即取壇上飲食供養天王,便隨行者所求願者皆令滿足。若行者不見天王時,即虛空中有聲告言:「汝但懃心誦呪,汝所求者我令滿足。」或有大風或唯有黑雲起,其法亦得成就。若無上件諸驗相者,更誦呪一七遍,縛得人者,其呪法必得成就。
この呪を唱え持つ者がいるならば、毎日、夜明けに楊枝で歯を清めてから唱え始め、壇を設けて供養することは、前に述べたのと同じように行いなさい。 この呪を十万回唱え終えると、天王が自ら姿を現します。天王を目にしたならば、壇上の飲食を取って天王に供養しなさい。そうすれば、行者が願うことはすべて叶えられるでしょう。 もし行者が天王を目にすることができなくても、虚空の中から声が告げます。「ただひたすらに呪を唱えなさい。あなたの願うことは、私が叶えましょう。」 あるいは、大きな風が吹いたり、黒い雲が湧き起こったりすることでも、その法は成就します。 もしこれらの験(しるし)のいずれも現れない場合は、さらに呪を七回唱え、人を縛ることができれば、その呪法は必ず成就します。
又說心真言曰:
また、心の真言(しんごん)はこう唱えます。
「唵(一)枳尼枳尼(二)薩婆迦哩耶沙達尼(三)徙尼徙尼阿刺叉彌那舍耶(五)提毘室唎(六)薜室拏末拏耶莎訶」
「オン、キニキニ、サラバカリヤ、シャタニ、シーニシーニ、アラシャミ、ナシャヤ、テイビシリ、ベイシュナマナヤ ソワカ」
若有人常誦此呪,所求一切事速能成就。
この呪文を常に唱える人がいれば、求めるすべてのことが速やかに成就するでしょう。
心中心呪曰:
しんしんちゅうのじゅは、次のとおりです。
「唵(一)毘嚕迦耶(二)多賴耶(三)牟闍耶(四)薩婆獨契瓢(五)薩婆奔諾(六)三婆羅(七)阿毘目枳(八)嗗嚕莎呵(九)」
おん(一) びるきゃや(二) だらいや(三) むじゃや(四) さばどっけいびょう(五) さばふの(六) さんばら(七) あびもくき(八) くろそわか(九)
若有人常誦此呪,時天王不離呪師守護之。
この呪文を常に唱える者には、時の天王が常にそばを離れず守護してくれる。
次說降魔陀羅尼曰:
次に、魔を降伏させる陀羅尼(だらに)を説きます。
「南無阿啼南無利多 南無達利多 南無勒勒勒勒勒謹請四大天王各領八萬四千樹林神,若有惡人惡神惡鬼、天魔地魔龍魔惱亂弟子者,持勒南無勒鬼 南無首楞三昧為我縛鬼五欲五戒法忍多縛勒多縛勒急急急急如律令 南無佛陀耶 南無達摩耶南無僧伽耶 怛姪他 唵(一)應伽利應伽黎 勒叉叉叉 捉捉捉捉 禰常勒在在在在在縛盧羯啼攝 莎訶」
南無 阿啼(あだい)南無 りた(りた)南無 だりた(だりた) 南無 ろく ろく ろく ろく ろく(ろくろくろくろくろく) 謹んで請う、四大天王よ。各々八万四千の林の神々を率いておいでください。 もしも悪しき人、悪しき神、悪しき鬼、天の魔、地の魔、竜の魔が、修行者を悩ますならば、 「勒(ろく)」を唱えよ、南無 勒鬼(ろくき)よ。 南無 首楞三昧(しゅりょうざんまい)よ。 わがために鬼を縛れ。 五欲・五戒・法忍(ほうにん)をもって、多縛勒(たばくろく)よ、多縛勒(たばくろく)よ。 急げ、急げ、急げ、急げ、すべて法のままに。 南無 仏陀耶(ぶつだや) 南無 達摩耶(だつまや) 南無 僧伽耶(そうぎゃや) さあ、こう唱えよう—— おん(※1) 応伽利(おうかり) 応伽黎(おうからい) 勒叉(ろくしゃ) 叉叉(しゃ
誦此呪一百八遍,便縛一切惡魔惡鬼無有不得者,小事不得用之。
この呪文を108回唱えると、あらゆる悪魔や悪鬼を縛ることができ、できないものはありません。ただし、ささいなことには用いてはいけません。