維摩經略疏序
維摩経略疏の序
今茲疏文,即隋煬帝請天台大師出之,用為心要,勅文具在《國清百錄》,因令侍者隨錄奏聞。但至〈佛道品〉後分,章安私述續成初文。既筆在侍人,不無繁廣。每有緇素諸深見者,咸欣慕之,但云:「弊其文多。」故輒於其錄而去取之,帶義必存、言繁則剪,使舊體宛然,不易先師之本故也。然自省闇短,慮失元規,甞於墳堂然香求徵:「儻少壞大道,願示以留礙。」二旬未竟,佛道斯終,既免幽訶,寧非冥護!儻裨其宗旨,則光光後昆。冀諸達人恕以專輒。
さて、この疏文は、隋の煬帝が天台大師(智顗)に出題させ、心要として用いたものである。勅令の文は『国清百録』に詳しく記されているため、侍者に命じてそのまま書き取らせ、奏上させた。しかし、〈佛道品〉の後の部分に至っては、章安(灌頂)が私的に書き継いで、最初の文章を完成させた。筆が侍者に委ねられたこともあり、煩雑で冗長な点がないわけではない。
深い見識を持つ僧侶や在家の方々が来るたびに、皆これを敬愛し慕うが、「その文が多すぎて煩わしい」と言う。そこで、この記録から適宜取捨選択し、教えの本質にかなうものは必ず残し、言葉が冗長な部分は削ることにした。これによって古い体裁をそのまま保ち、先師(智者大師)の根本を変えないようにしたのである。
しかし、自らの見識が浅く短いことを省みると、本来の規範を損なうのではないかと心配になった。そこで、かつて墓堂に香をたき、次のように祈願した。「もし私の編集が大いなる道を損なうならば、どうか障害を示してほしい。」二十日ほどが過ぎたが、佛道(この編集)は無事に終わった。密かな非難を免れたのは、まさに目に見えない守護の力であろう。もしこの編集が宗旨の一端でも助けることになれば、後の世の人々を広く照らすことになるだろう。
どうか、達者の方々には、私の独断専行をお許しいただきたい。
維摩經略疏卷第一(小卷初)
維摩経略疏 巻第一(小巻初)
天台沙門湛然略
天台の沙門・湛然が略す