制許搜訪梵夾祠部告牒一首
梵典探索許可と祠部からの告牒
中京慈恩等寺及東京聖善長壽寺。并諸州縣舍寺村坊。有舊大遍覺義淨善無畏流支寶勝等三藏所將梵夾。
中京の慈恩寺など、および東京の聖善寺・長壽寺、ならびに諸州県の寺院や村の坊舎には、かつて大遍覚・義浄・善無畏・流支・宝勝などの三蔵法師が携えてきた梵語の経典が残されています。
右大興善寺三藏沙門不空奏。前件梵夾等。承前三藏多有未翻。年月已深縚索多斷。湮沈零落實可哀傷。若不修補恐違聖教。近奉恩命許令翻譯。事資探討證會微言。望許所在撿閱收訪。其中有破壞缺漏隨事補葺。有堪弘闡助國揚化者。續譯奏聞福資 聖躬最為殊勝 天恩允許請宣付所司 勅旨依奏。
大興善寺の三蔵法師、不空が奏上いたします。 先に申し上げた梵語の経典などは、これまでの三蔵法師たちによって多くが未翻訳のままとなっており、年月が経つにつれ、紐も切れ、埋もれ散逸してしまい、まことに哀れむべき状態でございます。 もし修復しなければ、尊い教えに背くことになりましょう。 近ごろ恩命を賜り、翻訳を許されましたが、そのためには調査・検討を重ね、微妙な言葉の真意を確認する必要がございます。 どうか、各地で経典を調査・収集することをお許しください。 その中で破損や欠落があれば、それぞれ修復いたします。 広く世に伝え、国を助け、教化に役立つものがありましたら、引き続き翻訳して奏上いたし、陛下のご威光とご多幸に資するならば、これに勝る功徳はございません。 天恩によりご許可いただけますよう、所管の役所にお伝えくださいますようお願い申し上げます
乾元元年三月十二日
特進行中書令集賢院大學士知院事監修國史上柱國趙國公臣崔圓宣
中書侍郎闕中大夫中書舍人兼尚書右丞集賢院學士副
知院事上柱國賜紫金魚袋徐浩奉行
奉 勅員如右牒到奉行
乾元元年三月十五日
特進行侍中弘文館大學士知太清宮事監修國史上柱國韓國公晉卿黃門侍郎闕
銀青光祿大夫行給事中上柱國縉雲縣開國男嶧尚書祠部 大興善寺三藏沙門不空
牒奉 勅如右牒至准 勅故牒
乾元元年三月十七日 令史門貴牒
主事唐國興
員外郎韋少遊