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  1. 雑宝蔵経 (雜寶藏經)
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  3. 10 六牙白象縁 (10 六牙白象緣)
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雑宝蔵経 (雜寶藏經)


雜寶藏經卷第二

雑宝蔵経 巻第二

元魏西域三藏吉迦夜共曇曜譯

元魏西域三蔵吉迦夜と曇曜の共訳

六牙白象緣

六牙の白い象の因縁

兔自燒身供養大仙緣

兎が自らの身を焼いて、仙人に供養した話

善惡獼猴緣

善と悪という二匹の猿のたとえ話

佛以智水滅三火緣

仏は智慧の水をもって、三つの火を消し止める因縁。

波羅㮈國有一長者子共天神感王行孝緣

波羅奈国の或る長者の息子が、天の神々と心を通わせ、王を孝行の道へと導いた物語

迦尸國王白香象養盲父母并和二國緣

ガンジス川のほとりにあるカーシー国の王のもとに、一頭の白い香象がおりました。この香象は、目の見えない年老いた両親を大切に養っていました。

ある時、カーシー国と隣国との間に争いが起きました。白い香象は、両陣営の間に入って言いました。

「どうか争いをおやめください。戦いによる苦しみは、人の心に深い傷を残します。私は年老いた両親を養う喜びを知っています。国どうしも、争うよりも互いを助け合うことで真の平安を得られるのです。」

その言葉に感動した両国の王は、ついに和解しました。白い香象の親孝行と、平和を願う真心が、国と国との争いをも静めたのです。

波羅㮈國弟微諫兄遂徹承相勸王孝化天下緣

バラナシの国で、弟が兄を諫め、それがきっかけで丞相にまで話が届き、王に孝行によって天下を教化するよう勧めたという因縁話。

梵摩達夫人妬忌傷子法護緣

梵摩達夫人は嫉妬の心から、我が子である法護を傷つけてしまった。

駝驃比丘被謗緣

駝驃比丘が誹謗された因縁

離越被謗緣

離越が誹謗された因縁

波斯匿王醜女賴提緣

波斯匿王の醜い娘、頼提の物語

波斯匿王女善光緣

パーセーナジット王の娘、善光の因縁

昔王子兄弟二人被驅出國緣

昔々、ある国の王子が、兄弟二人揃って国を追われることになりました。

須達長者婦供養佛獲報緣

須達長者の妻が仏様に供養して大きな報いを得た話

娑羅那比丘為惡生王所苦惱緣

沙羅那比丘が悪生王から受けた苦しみの因縁

內官贖所犍牛得男根緣

内官が去勢された牛を買い戻して、男根を得た因縁

兩內官共諍道理緣

二人の内官が、道理をめぐって互いに論争した。

(一〇)六牙白象緣

(一〇)六牙の白象の因縁

昔舍衛國,有一大長者,生一女子,自識宿命,初生能語,而作是言:「不善所作,不孝所作,無慚所作,惡害所作,背恩所作。」作此語已,默然而止。此女生時,有大福德,即為立字,名之為賢。漸漸長大,極敬袈裟。以恭敬袈裟因緣,出家作比丘尼。不到佛邊,精勤修習,即得羅漢。悔不至佛邊,便往佛所,向佛懺悔。佛言:「我於彼時,已受懺悔。」

昔々、舎衛国に一人の大長者がいました。その家に一人の娘が生まれると、彼女は自らの過去世を憶えており、生まれてすぐに言葉を発してこう言いました。「不善をなした、不孝をなした、無慚をなした、悪害をなした、恩を背くことをなした。」そう言い終えると、黙ってしまいました。この娘が生まれた時、大きな福徳があったので、彼女の名を「賢」と名付けました。成長するにつれて、袈裟を深く敬うようになりました。その袈裟への恭敬の因縁によって、出家して比丘尼となりました。仏のもとには参らずに、精進して修行を重ね、まもなく阿羅漢果を得ました。後に、仏のもとへ行かなかったことを悔い、仏のところへ参って懺悔しました。仏は言われました。「その時、私はすでにあなたの懺悔を受け入れていたのです。」

諸比丘疑怪問佛:「此賢比丘尼,何以故從出家以來不見佛?今日得見佛懺悔,有何因緣?」

比丘たちは不思議に思い、仏に尋ねました。「この尊い比丘尼は、なぜ出家して以来ずっと仏にお会いできず、今日初めてお会いしてお詫びすることができたのでしょうか。どのような因縁があるのですか?」

佛即為說因緣:「昔日有六牙白象,多諸群眾。此白象有二婦,一名賢,二名善賢。林中遊行,偶值蓮花,意欲與賢,善賢奪去。賢見奪華,生嫉妬心:『彼象愛於善賢,而不愛我。』時彼山中有佛塔,賢常採花供養,即發願言:『我生人中,自識宿命,并拔此白象牙取。』即上山頭,自撲而死。尋生毘提醯王家作女,自知宿命。年既長大,與梵摩達王為婦,念其宿怨,語梵摩達言:『與我象牙作床者,我能活耳;若不爾者,我不能活。』梵摩達王,即募獵者:『若有能得象牙來者,當與百兩金。』即時獵師,詐被袈裟,挾弓毒箭,往至象所。

そこで仏は因縁を説かれた。「昔、六牙の白象がいて、多くの眷属を従えていた。この白象には二人の妻がおり、一人は賢、もう一人は善賢といった。ある時、林の中で遊んでいると、偶然蓮の花を見つけた。白象がそれを賢に与えようとしたところ、善賢が奪い取ってしまった。賢は花を奪われて、嫉妬の心を起こした。『あの象は善賢を愛し、私を愛していない』と。

その時、その山中に仏塔があった。賢は常に花を摘んで供養しており、こう誓いを立てた。『私は人の身に生まれ、自らの前世を憶い、この白象の牙を抜き取ってみせる』と。そして山の頂に登り、身を投げて死んだ。

やがて、毘提醯(びだいけい)の王家に娘として生まれ、自らの前世を知っていた。成長して梵摩達王の妃となったが、昔の恨みを忘れず、梵摩達王にこう言った。『私のために象牙で作った寝台があれば、私は生きられます。もしなければ、生きてはいられません』と。

そこで梵摩達王は狩人を募った。『もし象牙を持って来られる者には、百両の金を与えよう』と。するとすぐに、ある狩人が袈裟をまとい、弓と毒矢を携えて、象のいる場所へと向かった。」

「時象婦善賢,見獵師已,即語象王:『彼有人來。』象王問言:『著何衣服?』答言:『身著袈裟。』象王言:『袈裟中必當有善無有惡也。』獵師於是遂便得近,以毒箭射。善賢語其夫:『汝言:「袈裟中有善無惡。」云何如此?』答言:『非袈裟過,乃是心中煩惱過也。』善賢即欲害彼獵師,象王種種慰喻說法,不聽令害。又復畏五百群象必殺此獵師,藏著歧間,五百群象,皆遣遠去,問獵師言:『汝須何物而射於我?』答言:『我無所須;梵摩達王,募索汝牙,故來欲取。』象言:『疾取。』答言:『不敢自取。如是慈悲,覆育於我,我若自手取,手當爛墮。』白象即時,向大樹所,自拔牙出,以鼻絞捉,發願而與:『以牙布施,願我將來,拔一切眾生三毒之牙。』獵師取牙,便與梵摩達王。

象の妃・善賢は、狩人を見てすぐに象の王に言った。「人が来ています」。象の王が「どのような服を着ているのか」と尋ねると、妃は「袈裟を着ています」と答えた。すると象の王は「袈裟の中には必ず善があり、悪はないはずだ」と言った。そこで狩人はついに近づくことができ、毒矢を放った。

善賢は夫に言った。「あなたは『袈裟の中に善があり悪はない』と言いましたが、これはどういうことですか」。象の王は答えた。「これは袈裟の過ちではなく、心の中の煩悩の過ちなのだ」。

善賢はその狩人を殺そうとしたが、象の王はさまざまに慰め、教えを説いて、殺すことを許さなかった。また、五百の群れの象が必ずこの狩人を殺すのを恐れて、彼を細い谷間に隠し、五百の群れの象を遠くに追い払った。そして狩人に問うた。「あなたは何のために私を射たのですか」。

狩人は答えた。「私には何の用もありません。ただ梵摩達王があなたの牙を求めておられるので、それを取りに来たのです」。象は言った。「では、すぐに取れ」。狩人は答えた。「自分では取ることはできません。あなたはこれほどの慈悲で私を育て守ってくださいました。もし自分の手で取れば、その手は爛れて落ちてしまうでしょう」。

白象はすぐに大きな木のところに行き、自ら牙を抜き取り、鼻で巻きつけてつかみ、願をかけて差し出した。「この牙を施します。願わくは、私が将来、すべての衆生の三毒の牙を抜き取れますように」。狩人は牙を受け取り、梵摩達王のもとへ持って行った。

「爾時夫人,得此牙已,便生悔心,而作是言:『我今云何取此賢勝淨戒之牙?』大修功德,而發誓言:『願使彼將來得成佛時,於彼法中,出家學道,得阿羅漢。』

その時、夫人はこの歯を得て、すぐに悔いる心を起こして、こう言った。 「私はどうして、この賢く優れた清らかな戒めを持つ方の歯を取ってしまったのだろうか。」 そして、大いに功徳を積み、誓いを立てて言った。 「どうか、あの方が将来、仏になられます時、その教えの中で出家して学び、阿羅漢となりますように。」

「汝等當知!爾時白象者,我身是也。爾時獵師者,提婆達多是也。爾時賢者,今比丘尼是也。爾時善賢者,耶輸陀羅比丘尼是也。」

「あなたたち、よく聞きなさい。その時の白い象とは、この私のことです。その時の狩人とは、提婆達多(だいばだった)のことです。その時の賢者とは、今の比丘尼(びくに)のことです。その時の善賢者とは、耶輸陀羅比丘尼(やしょだらびくに)のことです。」


9 鹿女夫人緣
11 兔自燒身供養大仙緣

CBETA コード: T0203

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