法集要頌經放逸品第四
法集要頌経 放逸品 第四
戒為甘露道, 放逸為死徑,
不貪則不死, 失道乃自喪。
智者守道勝, 終不為迷醉,
不貪致喜樂, 從是得聖道。
恒思修善法, 自守常堅固,
智者求寂靜, 吉祥無有上。
迷醉如自禁, 能去之為賢,
已昇智慧堂, 去危乃獲安。
智者觀愚人, 譬如山與地,
當念捨憍慢, 智者習明慧。
發行不放逸, 約己調伏心,
能善作智燈, 黑闇自破壞。
正念常興起, 意靜易滅除,
自制以法命, 不犯善名稱。
專意莫放逸, 習意牟尼戒,
不親卑漏法, 不與放逸會。
不種邪見根, 不於世增惡,
正見增上道, 世俗智所察。
歷於百千生, 終不墮地獄,
修習放逸人, 愚人所狎習。
止觀不散亂, 如財主守藏,
莫貪樂鬪諍, 亦勿嗜欲樂。
思念不放逸, 可以獲大安,
不為時自恣, 能制漏得盡。
放逸魔得便, 如師子搏鹿,
放逸有四事, 好犯他人婦,
初獄二尠福, 毀三睡眠四。
無福利墮惡, 畏而畏樂寡,
王法加重罪, 身死入地獄。
本情不自造, 情知不自為,
不慮邪徑路, 愚者念力求。
戒めは甘露の道、怠りは死の径。 貪らねば不死、道を失えば自ら滅ぶ。 智ある者は戒めを守り勝ち、ついに迷い酔わず。 貪らずに喜びと安らぎを得、ここから聖なる道に至る。 常に善い行いを修め、自らを守り常に堅固にせよ。 智ある者は静けさを求め、それは吉祥この上なし。 迷いの酔いを自ら戒め、それを離れる者こそ賢者。 すでに智慧の殿堂に昇り、危険を去り安らぎを得る。 智ある者は愚か者を見る、譬えば山と大地の如く。 驕り高ぶりを捨てよと常に念じ、智ある者は明らかな智慧を習う。 精進して怠らず、己を制し心を調伏せよ。 善く智慧の灯を掲げれば、暗黒は自ずから破られる。 正念を常に起こし、心静かで滅し易くせよ。 自らを制し法によって生き、善い名を汚してはならない。 心を専一に怠ることなく、牟尼の戒を習え。 卑しい汚れた法に親しまず、怠る者と交わってはならない。 邪見の根を植えず、世に悪を増してはならない。 正見こそ優れた道、世の智者が察するところ。 百千の生を経ても、ついに地獄に堕ちず。 怠りにふける人は、愚者が親しむところ。 止観に散乱せず、財主が蔵を守る如く。 争いを楽しんではならず、また欲望の楽しみに溺れてはならない。 怠らぬ心を常に保てば、大きな安らぎを得られる。 時節に身を任せず、煩悩を制して尽くすことができる。 怠る者には悪魔が付け入る、獅子が鹿を搏つように。 怠ることには四つの災いあり、人の妻を犯すこと。 第一に地獄、第二に福乏しく、第三に破滅、第四に眠り。 福なく悪趣に堕ち、恐れるべきを恐れ楽しみ少なく、 王法は重い罪を加え、身死して地獄に入る。 心は自ら悪を作らず、心は知って自ら為さず、 邪な道筋を慮らず、愚か者はそれを求め望む。
智者喻明燈, 闇者從得燭,
示導世間人, 如目將無目。
若所作不善, 如彼無目人,
涉道甚艱難, 路險懷恐怖。
善法若增長, 魔羅不得便,
漏盡證寂滅, 可獲真實果。
惡法若增長, 魔羅常伺便,
失彼寂滅道, 受苦無窮盡。
所謂持法者, 不必多誦習,
若少有所聞, 具足法身行。
雖誦習多義, 放逸不從正,
如牧數他牛, 難獲沙門果。
若聞惡而忍, 說行人讚嘆,
消除貪瞋癡, 彼獲沙門性。
讚歎不放逸, 毀彼放逸人,
恒獲人天報, 最上為殊勝。
若人不放逸, 智者所讚歎,
所作善增長, 能生諸善法。
若行放逸者, 現法無能益,
安情如不動, 爾乃說為智。
苾芻懷謹慎, 放逸多憂愆,
如象拔淤泥, 難救深海苦。
賢者は灯明の如く、 闇にいる者に灯火を与える。 世の人々を導く、 目ある者が、目のない者を導くように。
もし為すこと悪しければ、 目なき人の如く、 道を行くこと難しく、 危険な道に怯え、恐れる。
善法が増えれば、 魔羅は機会を得られず、 煩悩を尽くして寂滅を証し、 真実の果報を得ることができる。
悪法が増えれば、 魔羅は常に機を窺い、 その寂滅の道を失い、 苦しみを受けること限りない。
いわゆる法を保つ者とは、 必ずしも多く読誦する者ではない。 たとえ聞くことが少なくとも、 法身の行いを具足する者である。
たとえ多くを読誦しても、 放逸で正に従わなければ、 他人の牛を数える牛飼いの如く、 沙門の果報を得ることは難しい。
もし悪を聞いても忍び、 説法者を讚嘆すれば、 貪り・怒り・愚痴を消し去り、 彼は沙門の性を得る。
不放逸を讚嘆し、 放逸な人を非難する者は、 常に人天の果報を得て、 最も優れたものとなる。
もし人が放逸でなければ、 智者に讚嘆され、 行う善は増え、 諸々の善法を生み出す。
もし放逸に生きる者は、 現世において利益なく、 心を安らかに動かさず、 それこそを智という。
比丘が慎み深くあれば、 放逸は多くの憂いや過ちをもたらす。 象が泥から抜け出すように、 深い海の苦しみから救われるのは難しい。
苾芻懷謹慎, 放逸多憂愆,
抖擻諸罪塵, 如風飄落葉。
苾芻懷謹慎, 放逸多憂愆,
結使深纏縛, 如火焚枯薪。
苾芻懷謹慎, 放逸多憂愆,
各各順次第, 得盡諸結使。
苾芻懷謹慎, 放逸多憂愆,
義解分別句, 寂靜永安寧。
苾芻懷謹慎, 放逸多憂愆,
煩惱若消除, 能得涅槃樂。
放逸不發起, 善法應須修,
今世至後世, 得行法快樂。
放逸不發起, 煩惱自然伏,
善法堅習學, 決定得涅槃。
長行於放逸, 剎那無暫息,
命終入地獄, 剎那亦無歇。
放逸不憶念, 亦不習威儀,
耽睡不相應, 此是戒障礙。
常離不相應, 使不壞其念,
猶念恒調伏, 塵垢得消除。
比丘が慎み深くあれば、放逸は多くの憂い苦しみをもたらす。 あらゆる罪の塵をはらい落とせ、風が落ち葉を舞い散らすように。
比丘が慎み深くあれば、放逸は多くの憂い苦しみをもたらす。 煩悩の束縛は深くまとわりつく、火が枯れ木を焼き尽くすように。
比丘が慎み深くあれば、放逸は多くの憂い苦しみをもたらす。 ひとつひとつ順を追って、あらゆる煩悩の束縛を断ち切るのだ。
比丘が慎み深くあれば、放逸は多くの憂い苦しみをもたらす。 意味を解き、句をわきまえれば、静けさの中に平安が訪れる。
比丘が慎み深くあれば、放逸は多くの憂い苦しみをもたらす。 煩悩を取り除くことができれば、涅槃の安らぎを得られるのだ。
放逸を起こさず、善い行いを修めるべきである。 今世から後世へと、法の喜びを歩むことができる。
放逸を起こさなければ、煩悩は自然とおさまる。 善い行いをしっかりと学び慣れれば、必ず涅槃を得られる。
放逸に長くふけり、一瞬も休むことがなければ、 命終わって地獄に落ち、そこでも一瞬の休みもない。
放逸に心を向けず、また威儀も身につけず、 眠りにふさわしからざれば、これこそ戒の妨げとなる。
常にそれら(放逸など)と離れ、関係させず、その心の念を壊させない。 常に心を保ち調伏すれば、塵垢は取り除かれる。
苾芻懷謹慎, 持戒勿破壞,
善守護自心, 今世及後世。
苾芻勿放逸, 捨家順佛教,
抖擻無常軍, 如象出蓮池。
依此毘尼法, 不懷放逸行,
消除生死輪, 永得盡苦惱。
僧侶は慎み深くありなさい。 戒律を守り、それを破ってはいけません。 自らの心をよく守ることで、 今の世も、後の世も安らかでいられます。
僧侶よ、怠けてはいけません。 家を捨てて仏の教えに従い、 無常という軍勢に打ち勝つのです。 あたかも象が泥の池から清らかに出でるように。
この戒律の教えに従い、 怠りのない行いを保ちなさい。 そうすれば、生死の輪廻から解き放たれ、 永遠に苦しみを尽くすことができるでしょう。