法集要頌經持戒品第六
第六章 戒律
智者能護戒, 福致三種報,
現名聞得利, 終後生天上。
當見持戒者, 護之為明智,
得成真正見, 彼獲世安靜。
持戒得快樂, 令身無煩惱,
夜睡眠恬淡, 寤則長喜悅。
戒終老死安, 戒善止亦寧,
慧為人之寶, 福德賊難脫。
何法終為善? 何法善安止?
何法為人寶? 何盜不能取?
戒法終為安, 戒法善安止,
慧為人之寶, 唯福不能盜。
修戒行布施, 作福為良田,
從是至彼岸, 常到安樂處。
苾芻立戒德, 守護諸根門,
飲食知節量, 寤寐意相應。
意常生覺悟, 晝夜精勤學,
漏盡心明解, 可致圓寂道。
智者立禁戒, 專心習智慧,
苾芻無熱惱, 盡果諸苦除。
以戒常伏心, 守護正定意,
內學修止觀, 無忘為正智。
智者戒を護れば、 福は三種の報いをもたらす── 現世には名声と利益を得て、 終には天上に生まれる。
戒を護る者を見たら、 明智をもって守るべきだ。 真実の見に達し、 その人は世の安らぎを得る。
戒を護れば楽しく、 身に悩みなし。 夜の眠りも穏やかで、 目覚めれば喜び長く続く。
戒は老いと死に安らぎをもたらし、 戒をよく守れば静けさも得られる。 智慧こそ人の宝であり、 福報は盗賊にも奪われない。
何が究極の善か? 何が善く安らぎをもたらすか? 何が人の宝か? 何を盗人は奪えないか?
戒こそ究極の安らぎ、 戒こそ善く安らぎをもたらす。 智慧こそ人の宝、 福報だけは盗めない。
戒を修め布施を行い、 福を良き田とせよ。 そこから彼岸に至り、 常に安楽の境地に到る。
比丘よ、戒の徳を立て、 諸々の感覚の門を守れ。 飲食は節度を知り、 眠りと覚醒も心を合わせよ。
心に常に目覚めを生じ、 昼夜精進して学べ。 煩悩尽き、心明らかに解けば、 涅槃の道に至る。
智者は戒を立て、 専ら智慧を習う。 比丘に熱悩なく、 全ての苦が尽き除かれる。
戒をもって常に心を制し、 正しい定の意を守れ。 内に止観を修め、 忘れることなきが正智である。
蠲除諸罪垢, 盡慢勿生疑,
終身求法戒, 勿遠離聖念。
戒定慧解脫, 應當善觀察,
彼已離塵垢, 盡煩惱不生。
集白淨解脫, 無智皆以盡,
超越魔羅界, 如日光明照。
我慢及迷醉, 苾芻應外避,
戒定慧三行, 求滿勿遠離。
既不放自恣, 諸有勿想念,
是故捨陰蓋, 不生如是障。
苾芻防禁戒, 恒見學此者,
直趣涅槃路, 速得淨如是。
花香不逆風, 芙蓉栴檀香,
德香逆風薰, 德人徧聞香。
烏鉢嚩哩史, 多誐羅栴檀,
如是等花香, 勿比於戒香。
若人能持戒, 清淨不放逸,
正智得解脫, 是名安樂處。
此道無有上, 消除禪定魔,
賢聖德難量, 得達八正路。
あらゆる罪の汚れを除き尽くし、 慢心を捨てて疑いを起こすな。 生涯をかけて戒律(法)を求め、 聖なる思いから遠ざかってはならない。
戒・定・慧・解脱、 これらをよく観察すべきである。 彼らはすでに塵や汚れを離れ、 煩悩を尽くして生じることがない。
清らかな白き解脱を集め、 無知はすべて尽くされた。 悪魔の領域を超え、 太陽のように輝き照らす。
我(が)慢や心の迷いは、 修行者は外に避けるべきである。 戒・定・慧の三つの行いを、 完成させるよう求め、遠ざかってはならない。
すでに怠ることなく自らを律し、 さまざまな存在(有)に思いを寄せてはならない。 ゆえに陰の覆いを捨て去り、 このような障りを生じさせないのである。
修行者は戒律を守り防ぎ、 常にこれを学ぶ者を見よ。 まっすぐに涅槃の道へ向かい、 速やかにこのように清らかになる。
花の香りは風に逆らわない。 蓮や栴檀(せんだん)の香りも同じだ。 しかし、徳の香りは風に逆らって薫(かお)る。 徳のある人は、あまねく香りが届くのだ。
ウッパラ(青蓮花)、ヴァルシカ(茉莉花?)、 多伽羅(たからの香木)、栴檀―― これらの花の香りは、 戒の香りには比べられない。
もし人が戒律を保ち、 清らかで怠ることがなく、 正しい智慧によって解脱を得るならば、 それを安楽の境地という。
この道に優るものはない。 禅定の魔を打ち消し、 賢聖の徳は量り知れず、 八つの正しい道(八正道)に達するのである。