(二)
(二)
「昔者菩薩為大國王,號薩波達,布施眾生恣其所索,愍濟厄難常有悲愴。天帝釋覩王慈惠德被十方,天神鬼龍僉然而曰:『天帝尊位初無常人,戒具行高慈惠福隆,命盡神遷則為天帝。』懼奪己位,欲往試之,以照真偽。帝命邊王曰:『今彼人王,慈潤霶霈福德巍巍,恐于志求奪吾帝位。爾化為鴿,疾之王所,佯恐怖,求哀彼王。彼王仁惠,必受爾歸;吾當尋後從王索爾。王終不還,必當市肉,以當其處。吾詭不止,王意清真,許終不違,會自割身肉以當其重也。若其秤肉隨而自重,肉盡身痛其必悔矣。意有悔者,所志不成。』
昔々、菩薩が大国の王としておられました。名をサダーバ王といい、民に施しを与え、求められるままに与え、苦しむ者を憐れみ、いつも悲しみの心を持っておられました。
帝釈天は、この王の慈愛と福徳が十方に及んでいるのを見て、天の神々や竜たちが皆言いました。「天帝の位は決して永遠のものではない。戒律を守り、行いが高く、慈愛と福徳が深ければ、命終わって魂が移るとき、天帝となることができるのだ。」
帝釈天は自分の地位を奪われるのを恐れ、王を試してその真偽を見極めようとしました。帝釈天は辺王に命じました。「あの人間の王は、慈愛の心が広く、福徳が非常に高い。彼が志を立てて我が位を奪おうとするのが心配だ。お前は鳩に変身し、急いで王のところへ行き、怖がっているふりをして、彼に助けを求めるのだ。あの王は慈悲深いから、必ずお前を受け入れるだろう。私は後から追いかけて行き、王にお前を渡すよう求める。王は決してお前を返さないので、必ず肉を売って代わりにするだろう。私がしつこく要求すれば、王は心が誠実で約束を決して破らないから、自分の身の肉を切って、その重さに代えるだろう。もし秤にかけて肉がどんどん重くなり、肉が尽きて体が痛くなれば、彼はきっと後悔するだろう。後悔の心が生じれば、その志は成就しない。」
「釋即化為鷹,邊王化為鴿。鴿疾飛趣于王足下,恐怖而云:『大王哀我!吾命窮矣!』王曰:『莫恐莫恐!吾今活汝。』鷹尋後至,向王說曰:『吾鴿爾來,鴿是吾食,願王相還。』王曰:『鴿來以命相歸,已受其歸,吾言守信,終始無違。爾苟得肉,吾自足爾,令重百倍。』鷹曰:『吾唯欲鴿,不用餘肉,希王當相惠。而奪吾食乎?』王曰:『已受彼歸,信重天地,何心違之乎?當以何物令汝置鴿歡喜去矣?』鷹曰:『若王慈惠必濟眾生者,割王肌肉令與鴿等,吾欣而受之。』王曰:『大善!』即自割髀肉秤之令與鴿重等;鴿踰自重,自割如斯,身肉都盡未與重等,身瘡之痛其為無量。王以慈忍心願鴿活,又命近臣曰:『爾疾殺我,秤髓令與鴿重等。吾奉諸佛,受正真之重戒,濟眾生之危厄,雖有眾邪之惱,猶若微風,焉能動太山乎?』
釈尊は自らを鷹に変え、辺王は鳩に変じた。鳩は慌てて王の足下に飛び寄り、恐れおののいて言った。「大王よ、私をお憐れみください!私の命はもう尽きようとしております!」王は言った。「恐れるな、恐れるな。私がお前を生かそう。」
鷹はすぐに後からやって来て、王にこう申し上げた。「私の鳩がこちらに参りました。鳩は私の獲物でございます。どうかお返しください。」王は答えた。「鳩は我がもとに、自ら命を託してきた。既にその託しを受け入れた以上、私は言葉に誓い、終始違えることはない。もしお前が肉を欲するなら、私が自ら十分に与えよう。その百倍にもしよう。」
鷹は言った。「私はただ鳩だけが欲しいのです。他の肉は要りません。王様がお恵みくださることを望みます。私の獲物を奪おうと言うのですか?」王は言った。「既に彼の託しを受け、その信義の重さは天地に等しい。どうして心に逆らえようか。いったい何をもって、お前を喜ばせ、鳩を置いて去らせることができるだろうか?」
鷹は言った。「もし王様が慈しみ深く、必ずや生きとし生けるものを救おうとされるなら、王様の御身の肉を切り取り、この鳩と同じ重さにしてください。私は喜んでそれを受け取りましょう。」王は言った。「それは大いに良いことだ。」そしてすぐに自らの腿の肉を切り取り、秤にかけて鳩と同じ重さにしようとした。しかし鳩はますます重くなり、このように切り取っても、身の肉が尽きるまでになっても、同じ重さにはならなかった。その傷の痛みは計り知れなかった。
王は慈しみと忍びの心で鳩を生かそうと願い、また側近の者に命じた。「お前はすぐに私を殺し、骨髓を取り出して、この鳩と同じ重さに秤にかけなさい。私は諸仏を敬い、真実の重い戒めを受け、生きとし生けるものの危難を救う。たとえ多くの邪な煩いがあろうとも、それは微風のようなもの。どうして大山を動かすことができようか。」
「鷹照王懷守道不移,慈惠難齊,各復本身。帝釋、邊王稽首于地曰:『大王!欲何志尚,惱苦若茲?』人王曰:『吾不志天帝釋及飛行皇帝之位,吾覩眾生沒于盲冥,不覩三尊、不聞佛教,恣心于凶禍之行,投身于無擇之獄。覩斯愚惑,為之惻愴。誓願求佛,拔濟眾生之困厄,令得泥洹。』天帝驚曰:『愚謂大王欲奪吾位,故相擾耳。將何勅誨?』王曰:『使吾身瘡愈復如舊,令吾志尚布施濟眾行高踰今。』天帝即使天醫神藥,傳身瘡愈、色力踰前,身瘡斯須豁然都愈。釋却稽首,遶王三匝歡喜而去。自是之後,布施踰前。菩薩慈惠度無極行布施如是。」
鷹照王は守る道を変えず、慈しみと恵みは比べるものもなく、それぞれが元の姿に戻った。帝釈天と辺王は地にひれ伏して言った。「大王よ、何を志して、このように苦しみ悩まれるのですか。」人の王は答えた。「私は天帝や飛行皇帝の位を望んでいるのではない。私は衆生が盲いと闇に沈み、三尊を仰がず、仏の教えを聞かず、心のままに凶悪な行いをし、逃れがたい地獄に身を投じているのを見ている。この愚かさと迷いを見て、私は深く悲しむ。誓って仏陀を求め、衆生の苦しみと困難を救い、涅槃に至らせたいと願うのだ。」帝釈天は驚いて言った。「私は愚かにも、大王が私の位を奪おうとしていると思い、お騒がせしてしまいました。どうかご教示ください。」王は言った。「私の体の傷を元のように治し、私の志と布施と衆生を救う行いが、今よりさらに優れたものとなるようにしてください。」帝釈天はただちに天の医者と神薬を用い、体の傷を治した。王の肌の色と力は以前にも増し、傷はたちまち全て癒えた。帝釈天は礼を尽くしてひれ伏し、王の周りを三度巡り、喜び勇んで立ち去った。その後、王の布施は以前にも増した。菩薩の慈しみと恵みは限りなく、布施の行いはこのように行われた。