治風大法
風を治める大法
「復次,舍利弗!若行者入風三昧,自見己身九孔之中如大溪谷出五色風。復見己身三百三十六節白如雪山,節節風出諸藹吉支(藹吉支者,起尸鬼也)。諸藹吉支手捉鐵棒,以千髑髏為身瓔珞,與諸龍鬼九十八種,至行者所。行者見已,心驚毛竪,因是發狂或白癩病,當疾治之。
また、舎利弗よ。もし修行者が風の三昧に入り、自らの身体の九つの穴から、大きな渓谷のように五色の風が吹き出ているのを見るなら。さらに、自らの身体の三百三十六の関節が雪山のように白く、関節ごとに風が吹き出し、そこから藹吉支(藹吉支とは、起屍鬼のことである)が現れる。それらの藹吉支は鉄の棒を手に持ち、千の髑髏を身の飾りとし、九十八種の龍や鬼神と共に、修行者のもとにやって来る。修行者はこれを見て、心が驚き、髪が逆立ち、それによって発狂したり、白癩病にかかったりする。その時は速やかに治療せよ。
「治之法者,先當觀於雪山、香山四大仙人,皆悉盡是大菩薩也。想彼仙人身黃金色,長十六丈,一手捉花、一手捉金剛輪、口銜香藥,遮護行者不令風起。仙人持花、呪水出,龍吸諸風盡,龍身脹大,在地眠臥終不能起。當觀此龍猶如芭蕉,皮皮相裹不能喘息。」
修行の法としては、まず雪山と香山の四大仙人を観想します。彼らは皆、大菩薩であると知りなさい。その仙人たちは金色の身体で、高さ十六丈、片手に花を持ち、片手に金剛輪を持ち、口には香薬をくわえ、修行者を守って風を起こさせません。仙人が花を持ち、呪文を唱えて水を出すと、龍がすべての風を吸い込み、龍の身体は膨れ上がり、地面に横たわって起き上がれなくなります。この龍を観想するときは、まるでバナナの木のように、皮が幾重にも重なって息もできない状態を思い浮かべなさい。
爾時,世尊而說呪曰:
その時、世尊はこの呪を説かれました。
「南無佛陀 南無達摩 南無僧伽南無摩訶梨師毘闍羅闍 藹咄陀達陀娑滿馱 跋闍羅翅(矢馳反)陀邏崛荼誓荼遮利遮利 摩訶遮利吁摩利吁摩勒翅(矢馳反)悉耽鞞閻鞞 阿閻鞞利究匊匊翅(矢馳反)薩婆陀羅尼翅(矢馳反)阿扇(叔看反)提摩俱梨應詣吁彌吁彌吁摩吁摩婆禍呵」
南無仏陀 南無法(ダルマ) 南無僧伽(サンガ)に帰依いたします 南無 偉大なるリシヴィジャラージャ(摩訶梨師毘闍羅闍)よ アイトゥタダタサマンダ(藹咄陀達陀娑滿馱) ヴァジュラシカタラクタ(跋闍羅翅陀邏崛荼)シェータチャリチャリ(誓荼遮利遮利)よ 偉大なるチャリ(摩訶遮利) ウマリ ウマリクシ(吁摩利吁摩勒翅) シッダンビエンビ(悉耽鞞閻鞞)よ アエンビリクククシ(阿閻鞞利究匊匊翅) サルヴァダーラニシカ(薩婆陀羅尼翅) アシャンティマクリ(阿扇提摩俱梨) ヨーゲイ(應詣)よ ウミ ウミ ウマ ウマ(吁彌吁彌吁摩吁摩) スヴァーハー(婆禍呵)
爾時,世尊說此呪已,告舍利弗:「如此神呪,過去無量諸佛所說、我今現在亦說此呪、未來彌勒賢劫菩薩亦當宣說。如此神呪功德如自在天,能令後世五百歲中諸惡比丘得淨心意,調和善治四大增損,亦治心內四百四病、四百四脈所起境界、九十八使性欲種子,亦治業障、犯戒諸惡,永盡無餘。此名『善治七十二種病憂惱陀羅尼』,亦名『拔五種陰無明根本陀羅尼』,亦名『現前見一切佛及諸聲聞為說真法破諸結使』。」
その時、世尊はこの呪を説き終えると、舎利弗に告げられた。 「このような神呪は、過去の無量の諸仏が説かれ、私も今ここで説き、未来の弥勒や賢劫の菩薩たちもまた説くであろう。 この神呪の功徳は自在天のごとく、後世の五百歳において悪しき比丘たちに清らかな心を与え、四大の増減を調和し善く治め、また心の内なる四百四の病、四百四の脈より起こる境界、九十八の煩悩と性欲の種子をも治める。 さらに、業の障りや戒を犯す諸々の悪を永遠に滅し尽くす。 これは『七十二種の病と憂いを善く治める陀羅尼』と呼ばれ、また『五蘊の無明の根本を抜く陀羅尼』とも、『一切の仏と諸々の声聞を眼前に見て真の法を説き、すべての結びつきを破る陀羅尼』とも称される。」
爾時,世尊而說偈言:
その時、世尊は偈を説かれた。
「法性無所依, 觀空亦復然,
若能觀四大, 不為使所殺。
服藥行禪定、 誦此陀羅尼、
一心念諸佛, 結使永不起。
煩惱海永盡、 恩愛河亦絕,
諸欲無所因, 自稱是解脫。
無患心恬怕, 遊戲六神通,
亦以陀羅尼, 教授於他人。」
法性にはよりどころとなるものはなく、 空を観じることもまた同じです。
もし四つの元素を観察することができれば、 煩悩の支配によって滅ぼされることはありません。
薬を服し、禅定を行い、 この陀羅尼を唱え、 一心に諸仏を念じれば、 煩悩の束縛は永遠に起こらなくなるでしょう。
煩悩の海は永遠に尽き、 愛着の川もまた絶たれます。 諸々の欲望は根拠を失い、 自ら解脱であると称するのです。
憂いなき心は静かで安らぎ、 六神通を自在に遊び、 またこの陀羅尼をもって、 他の人々に教え授けるのです。
爾時,世尊說此偈已,告舍利弗:「汝今當知,我涅槃後,未來世中若有比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷,得聞此甚深祕要淨尸羅法及行禪定諸病方藥——此光明王勝幢陀羅尼——當知此人不於一佛、二佛、三、四、五佛種諸善根,久於無量百千佛所修習三種菩提之心,今得聞此甚深祕要。如說修行,當知是人最後邊身,如駛水流,速疾當得四沙門果及菩薩行。」
その時、世尊はこの偈を説き終えられて、舎利弗に告げられました。
「舎利弗よ、今よく知るがよい。私が涅槃に入った後、未来の世において、もし比丘、比丘尼、優婆塞、優婆夷が、この甚深にして秘要なる清らかな戒律の法と、禅定を修めるための様々な病を治す方薬――この光明王勝幢陀羅尼――を聞くことがあれば、その人は一仏、二仏、三、四、五仏のもとで善根を植えただけの者ではないことを知るがよい。無量百千の仏のもとで長く三種の菩提心を修習し、今この甚深なる秘要を聞く縁を得たのである。
この教えの通りに修行するならば、その人は最後の身を得た者であり、疾走する水流のごとく速やかに、四沙門果と菩薩行とを得るであろう。」
佛說是語時,五百釋子倍更增進,具六神通;舍衛城中一千首陀羅宿世行禪發狂之者,聞佛所說即生歡喜,得須陀洹;八十億諸天治四大病,身心無患,應時即發無上道心,普雨天花以散佛上及諸大眾。
仏がこの言葉を説かれた時、五百人の釈迦族の子孫たちはさらに修行を深め、六神通を具えました。舎衛城に住む千人のシュードラ(首陀羅)で、前世の禅行により発狂していた者たちは、仏の説法を聞いて歓喜し、須陀洹果を得ました。八十億の諸天は四大の病を治し、心身に患いなくなり、その時すぐに無上道心を発し、天の花を降らせて仏と大衆の上に散らしました。
爾時,會中天龍八部聞佛所說,異口同音而說是言:「如來出世正為治此狂惡邪見羅剎行人,令得本心,如好花幢甚可愛樂。善哉,世尊!如優曇花時乃一現。」
その時、会座にいた天竜八部は仏の説法を聞き、異なる口から同じ音を発してこう言いました。
「如来がこの世に現れたのは、まさにこの狂った悪しき邪見を持つ羅刹のような修行者を治め、本来の心を取り戻させるためです。それは美しい花の柱のように、まことに愛すべきものです。善きかな、世尊よ!それは優曇華のように、時を経てようやく一度現れるものです。」
時會大眾以偈讚言:
その時、会衆は偈をもって讃えて言った:
「日種王太子, 甘蔗之苗裔,
星光月外甥, 摩耶夫人子。
生時行七步, 足躡動大千,
十方諸神應, 嘉瑞三十二。
棄國如涕唾, 坐於畢鉢羅,
金剛勝道場, 降伏萬億魔。
得成菩提道, 面淨如滿月,
心垢亦永盡, 我今一心禮。
諸釋中最勝, 具勝慈悲者,
能令諸眾生, 永脫生死苦。」
日種王の太子よ、甘蔗の末裔、 星の光、月の甥、摩耶夫人の御子。
生まれし時、七歩を歩み、足の踏みしめに大千世界震え、 十方の神々応じ、三十二の吉兆現れし。
国を棄てること唾の如く、畢鉢羅の樹の下に坐し、 金剛の勝れる道場にて、万億の魔を降伏せし。
菩提の道を成じ得て、面は満月の如く清らかに、 心の垢もまた永く尽きたり。我、今一心に礼す。
諸なる釈迦族の中に最も勝れ、勝れる慈悲を具えし方、 諸々の衆生をして、永く生死の苦より脱せしめん。
爾時,世尊聞諸四眾說此偈已,復更殷勤申金色手摩舍利弗及阿難頂,付囑是事。
その時、世尊は四衆がこの偈を誦するのを聞き終えると、再び慈しみ深く金色の手を伸ばして舎利弗と阿難の頭を撫で、この大事を託された。
時舍利弗及阿難等并餘大眾聞佛所說,歡喜奉行。
その時、舎利弗や阿難たち、そしてその他の大勢の人々は、仏が説かれた教えを聞き、喜びをもって受け入れ、実践しました。